三匹の蟹 (P+D BOOKS)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 43
感想 : 2
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093523400

作品紹介・あらすじ

乾いた筆致で描くある主婦の“孤独と倦怠”

異国に暮らす由梨は、夫と自分双方の浮気相手が集うホームパーティーに参加する気になれず、ひとりで外出してしまう。

遊園地の民芸館で知り合ったアメリカ男に誘われ、海辺のドライブについて行き、そこで男は、赤いネオンが点滅している宿「三匹の蟹」へ行こうと誘うのだった。

果てしない存在の孤独感、そして愛の倦怠が引き起こす生の崩壊を乾いた筆致で描き出した「三匹の蟹」は第59回芥川賞を受賞。「三匹の蟹」以前に執筆された日本人女性留学者の青春への決別を描いた連作「構図のない絵」、「虹と浮橋」も併録。

感想・レビュー・書評

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  • 3作入ってるけど表題作の「三匹の蟹」よりも「構図のない絵」「虹と浮橋」の連作の方が好きだった。

    特に1作目が好き。
    エドパートを読みながら自分がなぜ子供を持ちたくないと思っていたのかを改めて思い出してしまった。子供の頃の自分の嗜虐性。いつの間にか抑えることが当たり前になって今や全然表層に浮かんでこないそれが子供を持つことで浮かび上がってくることが怖くて子供を持てないなと思っていたんだった。エドは人種的悩みを元にしてるから完全に一緒とは言い難いけど。このパートがとてもわかるし好きだった。
    続くサキのパートもわかる…と思ってしまうので自分だめだ〜となった。

    ネオンの赤さと最後に提示される緑と。
    人間生きてるとなんか無性に疲れる。

    やっぱり大庭みな子すき。

    というかそもそもP+Dじゃなくてふっるい講談社のやつ古本屋さんで買ったんだけど。講談社文芸の収録作7本で合わなくてこっちに感想書いてる。小学館だけど…。

  • 何を表象するか私にはわからず。読んでいる時に自然の、それも枯れた草の中にいるような感覚になるので好きじゃない。

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著者プロフィール

1930年、東京生まれ。津田塾大卒。68年、処女作『三匹の蟹』で群像新人賞、芥川賞を受賞。代表作に、谷崎潤一郎賞作『寂兮寥兮(かたちもなく)』、野間文芸賞作『啼く鳥の』、川端康成文学賞作『赤い満月』など。小説の他にも、詩、エッセイ、評論、翻訳など幅広い著作を生み出している。芥川賞など数々の賞の選考委員もつとめた。

「2005年 『大庭みな子全詩集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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