- Amazon.co.jp ・本 (111ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093660310
作品紹介・あらすじ
食事の前に祈り、日を拝した古人らは、我々より自然のありがたさと、労働の価値を知っていたのだろう。自然を愛する著者が、忘れられつつある"自然の味の原点"を、身をもって教えてくれる異色のフォト・エッセイ。
感想・レビュー・書評
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大学時代に読んで影響を受けた本のひとつです。あの人ってけっこう野性的な生活をしてるのな、と自分で釣ってきた魚を自分でさばいていたり、山に山菜取りをしている姿を写真で見てそうおもっていました。
この本は結構古い本なので、今本屋に行っても見つかるのかどうなのかは定かではありませんが、この本をはじめて読んだのは僕が大学時代の話で、これはその第1弾になるのですが、現在またもう一度読み返してそのときの気持ちをありありと思い出すことができました。
白土先生がかなりのアウトドア派だったというのはこの本ではじめて知ることができました。そして、掲載されている料理がものすごく野趣にあふれていて、人間は本来こういうものを食べるのがいいのだろうなと、そんなことを考えながら読んでいました。特に鹿の肉を解体する場面やその血を使って作る腸詰『ソレソレ』はこの本には『素朴な味』と書かれていますが、見た目はかなりグロテスクです。日本にも腸詰のルーツがあるのかと非常に新鮮な驚きがありました。
そして、房総半島地方で作られる鯨やサメやアカエイの身を使う「タレ」という保存食を知ることができたのもこの本でした。今、世界各国で捕鯨が禁止される動向にあるようですが、もしそのようになってしまえば、このような豊穣な食文化が消えてしまうことになり、非常に残念な思いを禁じえません。僕の原点のひとつとも呼ぶべき本のひとつです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
千葉県在住の白土三平氏が,地元の人々が自然界から糧を得る営みを,生き生きとした写真と文章に綴った一冊。