著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093792066

感想・レビュー・書評

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  •  柳美里「生(いきる)」、2001.9発行、全298頁。末期癌の東由多加の看護・介護に明け暮れる23歳年下の柳美里。国立がんセンター中央病院~昭和医大。浣腸、ポータブルトイレ、点滴、ねむりぐすり、モルヒネ・・・。延々と298頁、続く。生後2ヶ月の柳美里の息子丈陽と一週間の命の東の対比が痛々しい。

  • 読んでいて、過去の辛かった看病生活を思い出してしまった。そうだった、そうだった、と思い出すことも。あの時、こんなに辛い日々は決して忘れない、と思っていたのに、日にち薬とは、よく言ったもので、輪郭を少しずつ忘れていることに気付き、自分なりにショックだった。
    周りから見て、大変だ、辛そうだ、そう思われても、かけがえのない最後の一週間を、忘れたくないのに、忘れてしまいつつあることのほうが辛いので、柳美里さんは、自分のために書き記したのかなとも、感じた。
    あの時の手帳は、書きなぐってあり、汚いけど、捨てられない。

  • 1作目「命」2作目「魂」に続く、第3弾。元同棲相手で恩師の東由多加氏が余命1週間であるところから始まります。前2作は激しい命ごいみたいな場面が多かったんですが、今回はもう少しトーンが下がったような感じがしました。でも、闘病している本人よりも、看病している人間たちが、どんどん追い詰められていくような息苦しさがありました。

  • 続編だから。

  • 妻ある男性の子どもの妊娠・出産と、師として、父親として、そして恋人としての関係を15年間続けてきた劇作家の東由多加の闘病生活の介護の日々を、2つの命の交錯として描き、センセーションを呼び起こした『命』、『魂』に続く「命三部作」完結編である。
    国立がんセンター中央病院を出て、昭和大学付属豊洲病院へ転院する東。3人の女性たちの手厚い介護の中、わずかな可能性にかけた抗ガン剤治療は死を前提とした延命治療へとシフトしていく。生後2か月の丈陽を友人の町田康夫妻に託し、東の個室に寝泊まりし、介護の合間に原稿を書き、治療費の工面をする「わたし」。ここで語られるのは日常の中の戦争だ。「わたし」の肉体と精神は極限まで追いつめられ、さらに追い討ちをかけるように強姦未遂事件に巻き込まれる。一時帰宅の後、再び入院する東に残された時間はわずか。周囲の祈りも空しく、ついに彼はこの世を去る。


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  • 『命』四部作の3冊目。<br>とうとう東由多加氏は亡くなる訳だが。<br>死に立ち会えなかった彼女。<br>何の為にとなってしまわないだろうか・・・

  • 痛々しい。

著者プロフィール

柳美里(ゆう・みり) 小説家・劇作家。1968年、神奈川県出身。高校中退後、劇団「東京キッドブラザース」に入団。女優、演出助手を経て、1987年、演劇ユニット「青春五月党」を結成。1993年、『魚の祭』で、第37回岸田國士戯曲賞を受賞。1994年、初の小説作品「石に泳ぐ魚」を「新潮」に発表。1996年、『フルハウス』で、第18回野間文芸新人賞、第24回泉鏡花文学賞を受賞。1997年、「家族シネマ」で、第116回芥川賞を受賞。著書多数。2015年から福島県南相馬市に居住。2018年4月、南相馬市小高区の自宅で本屋「フルハウス」をオープン。同年9月には、自宅敷地内の「La MaMa ODAKA」で「青春五月党」の復活公演を実施。

「2020年 『南相馬メドレー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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