- Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093792172
作品紹介・あらすじ
小鳥の囀りも救急車のサイレンも「ドレミ」で聴こえる。でたらめに叩いたピアノの、鳴っている音が全部わかる。ポップスを聞いていても歌詞が頭に入らない。和音が鳴ると目の前に特定の色が浮かぶ。戦時中、爆撃機の機種や高度を当てる訓練があった。作家パステルナークはそれがないために音楽家を諦めた。日本人にはその能力をもった人が非常に多い、「絶対音感」の正体とは何なのか…。第4回「週刊ポスト」「SAPIO」21世紀国際ノンフィクション大賞受賞。
感想・レビュー・書評
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私自身絶対音感を持っているので、どういう仕組みなのかしりたくて読みました。
特に訓練したわけでもなく、好きなように歌い、弾き、まねしているうちに身についた力なのですが、この本を読んで絶対音感があるために辛いこともあるということに気づきました。なるほどそれでだったのか、と今まで謎だったことも解明されて気分爽やかです。 -
・11/4 読了.なるほど、絶対音感と相対音感とがあって、さらに周波数まで識別できるらしい.確かに少しの周波数の違いだけで違和感が出るようだとかえって支障があるよね.転調を読み替えないといけないようだとむしろ足枷になりそう.生まれつきでなく訓練でも身に着くなら悪くはないだろうけど.でもそういう能力なら歳とともに衰えることもあるんだろうね.
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7年くらい前(たぶん)に知り合いからお薦めされて「へぇ~~~?」と気にはなりつつも横においていたことを、何でだかわからないがその知り合いとともにやたら思い出してしまう。
現在その知り合いとは連絡の取りようがないのだが、「教えてくれてありがとう、すごく面白かったよ。」と伝えたい気分かな。
絶対音感って何?という好奇心からこんな深くまで行ってしまいましたか!?という広がりである。
日本の音楽教育の歴史は知らないことだらけで驚きだった。
やっぱりプロのソリストになるような人たちの幼いときからの教育がすごいわ…。
そして、「絶対」と言いつつ、薬にも毒にもなるというあたりがいろんな世界と共通する妙であるのが面白いよねぇ…。 -
絶対音感を持つ人を取材したドキュメント。絶対音感にも程度があること、一流の交響楽団で活躍する人が全員絶対音感を持っているわけではないこと、絶対音感が音楽活動の妨げとなった例、交響楽団によって基準音が数ヘルツ異なる、など興味深い内容が多かった。
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私には音楽の素養は全くありません。
そうであるが故か、音楽を作り出せる人は作曲であれ演奏であれ凄いと思っています。本書は「絶対音感」に対する考察。音楽に携わる人に絶対音感とは必要なのか、持っていたほうが有利なのか、など色々な角度から切り込んでいっています。
私のような人間からすると羨ましいような話ですが、絶対音感を持っている為に、色々と苦労する事もあるようです。特に海外とのヘルツの違いには吃驚しました。
ただ、あまりにも私の生活からはかけ離れた話だったので「ふ~ん」という感想以外にはありませんでした。
子供に絶対音感を授けたいと思っている親御さんなんかには良いかもしれません。 -
資料番号:010541977
請求記号:916サ -
貪るように読んでしまいました。
構成も良いし、音楽の面だけに偏らず、科学の面だけに傾くこともなく。同じ音楽を生業とする者としては、音楽家のコメントにいちいち感動しました。
絶対という名前がついているのに、その定義に幅がある絶対音感。それはなんなのか。どういった仕組みなのか。何故手に入れることができるのか。それがあると、どうなるのか。絶対音感を保有する=音楽の才能があるという簡単な図式なのか。
そういった問いに、丁寧に向き合っていく筆者のパワーを感じます。
最終章の五嶋家の話は、グイグイと引き込まれました。
音楽とは、業の深いものですね。本当に。