模倣犯 (上)

著者 :
  • 小学館
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レビュー : 671
  • Amazon.co.jp ・本 (721ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093792646

感想・レビュー・書評

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  • 2001.7

  • 2016.4.5 再読
    模倣犯。これほど濃厚で読み応えのある本はなかなかない。
    犯人、被害者、遺族、様々な立場の心理描写が緻密。とてもひとりの人間が書いたとは思えない。
    宮部さんの特徴でもあるけど、視点がサクサク変わっても全然違和感がなく読み進められる。
    他の作家だと、ん?という言い回しや、この書き方はなんだかおかしい、雑、と感じることも多いけれど、全くない。

  • 2016

  • 実は宮部みゆき作品はあまり読んでいなくて、長編は3作目くらい。代表作のひとつでもあるし、これは読んでおくべきかなあと考えて。

    上下巻の分冊。上巻では、本書の根幹となる事件の発端と展開が描かれる。群像劇的で、エピソードごとに視点の主が変わることにはなるが、第1部はおもに事件の被害者側、捜査(調査)側の立場から連続女性殺人事件が描かれる。最初に死体の一部を発見した高校生は、また別の強盗殺人事件の生き残りという設定だけど、これが後半の伏線になるのかどうかは不明。これが鍵にならなかったら肩透かしだなあ。
    マスコミを利用した不可解な劇場型犯罪だが、第1部はなんと容疑者と思しき2人の男性の事故死?で終わる。

    第2部はおもに容疑者とその周辺からの視点。被害者側の視点もあるので“当事者視点“というべきか。犯人のひとりは複雑な生育歴から、病的な性格が形成されたと思われる記述がある。関係する人物の述懐という形をとり、事件のからくりがさまざまな角度から(第1部のちょうど裏側を明かすように)描写される。こちらでは容疑者の1人で、第1部ラストで死んだ男の姿が見えてくる。自分は頭がいいと買い被っている男。奇妙な魅力と独善的な自己中心思考の主、時に襲ってくるトラウマのためにアンバランスなパーソナリティを持つ男。しかしここでは、自らの賢さを過信するこの男もまた、自分より頭の切れる誰かに利用されていることが暗示されて第2部は終わる。

    多様に張り巡らされた伏線がどれだけ回収されるのか、第1部で出てきたルポライター志望の女性がキーパーソンになりそうだが彼女が今後のストーリーにどう絡んでくるのか、下巻の展開を楽しみにしたい。

    群像劇は好きなのだが初期作品だからかやや散漫な印象は否めないというのが正直な感想。あと、なぜタイトルが「模倣犯」なのかもまだ上巻の段階ではわからない。

  • いろいろ積めこみすぎた感はあるが、どうなるんだろう?とページをめくる手が止まらない。

  • 中学生の時に、この上巻だけで読者感想文を書くという無茶をしたのがいい思い出。

  • 映画を先に観たけど、原作の方が面白かった。細かい描写がいいのかも。

  • 宮部みゆき、初作品。
    人の心理描写をこう細かく描き出すというのは東野圭吾以来ぶりですな。はまるはまる。

  • 読みかけて気づいたんだけど、文庫版だと大幅に加筆されて、5冊なのね。最初から読み直すかどうか迷い中。単行本もかなりの厚みがあって上下巻。しかもなかなか話が展開しないので、もう1回5冊で読み直すかと思いかけると若干挫折気味。

    気を取り直して、連続失踪・殺人事件の被害者家族視点の第一部は、なかなかスリリングでよろしい。冷酷で姿を見せない殺人鬼は、冷静でクレバー。しかし最後に車ごと崖の下に…?というところで終わる。ネタバレのようだが、ここから話が始まると言っていいので、ここまでは書いて良いだろう。

    しかし、過去にさかのぼって始まる第二部が、どうにもこうにも盛り上がらない。犯人らしき人物の冷徹・残忍な部分は描けているものの、現在かと思えば中学に、その次は蕎麦屋の娘の話で現在からポンポンと小学校、また突然現在、2年前など、シャックリのごとく思いついた時制に飛ぶため、読んでいて辛い。また、それらのエピソードが重複しているにも関わらず、長々と記載しているのも理解に苦しむ。

    また、袖触れ合うも他生の縁とばかりに、あの人もこの人もと、すべて事件に絡むように設置してしまっていて、どうにもこうにも読んでいて身動きが取れない状況に陥るのだ。おそらく、書いている方はもっと身動きが取れていないだろう。

    はっきり言って、文章に無駄が多すぎる。一方で無駄は多いが遊びの少ないのも、この作品を読んでいて辛いところだろう。登場人物は全く寄り道もせず、無駄な会話もしない。せっかく1990年代中旬という設定にしているのに、その時代の世俗も、まったく織り込まれていない。

    さらに、そういった「登場人物の配置」に躍起になって描かれる反面、どの人物も魅力に欠け、感情移入もしにくいのだ。長い長い上巻を通して、人間ぽさや感情移入するスキが有るのは、第一章の有馬義雄くらいのものだろう。

    まだ下巻は読んでいないが、いらないエピソードを削ったり、無駄な登場人物の辛味をなくせば、上下巻をまとめた1冊になりそうな話だ。

    そういう意味でも、文庫版5巻は読む気がしない。

    ☆は第一部☆4, 第二部☆2で平均。
    どうでもいい話だが、「ピース」がこの間芥川賞を取ったあの芸人で再現されてしまうのも辛い。

  • 先が気になって読むのをやめられないくらいだった。しかし、後味が非常に悪く、もう読み返したくない。

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著者プロフィール

宮部 みゆき(みやべ みゆき)
1960年、東京都生まれ。1987年に「我らが隣人の犯罪」でオール讀物推理小説新人賞を受賞し、デビュー。1992年『龍は眠る』で日本推理作家協会賞、1999年には『理由』で直木賞、2002年『模倣犯』で司馬遼太郎賞、2007年『名もなき毒』で吉川英治文学賞など、数々の文学賞を受賞。大沢オフィス所属。日本推理作家協会会員。日本SF作家クラブ会員。直木賞、日本SF大賞、小説すばる新人賞、河合隼雄物語賞など多くの文学賞で選考委員を務める。『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。2019年7月10日『さよならの儀式』を刊行。

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