メタルカラーの時代

著者 :
  • 小学館
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (644ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093794213

作品紹介・あらすじ

貿易黒字の原因として、米国から攻撃され続ける日本の「工業」。だが、この古びた言葉の中身が、これほど驚きにあふれチャーミングなものだったとは。人類史上最大の「穴」を掘った男、ダイヤモンドの超精密刃を削る名匠、「お汁粉状地盤」を固めて大空港を建設した技術者。日本を支えてきたのは、まさに彼らだった。「メタルカラー」たちの仕事を知らずして、もう日本と世界の未来は語れない。衝撃の証言集。

感想・レビュー・書評

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  • 開発というものについての刺激のある本を読んだ。
    「メタルカラー」という 命名も面白い。
    さしづめ 農業は 何カラーだろう。

    やはり 中小企業の持つ力はすごい。
    いかにして 柔軟な姿勢で 仕事をするかにある。

    名匠 マエストロ が作り出す。
    「人類初、世界最大、原子レベルの極小加工」
    日本が 職人芸で 品質を作り上げていく。
    「経験と感」

    マニュアルについて
    マニュアルがないので 
    質的な転換が できないのかもしれない。
    マニュアルの設定条件こそ
    重要な位置を占めている
    発想方法の問題に 発展しない。

    農業が 質的に変わっていくためには、
    情報をきちんととらえて いくことが どうしても必要。
    アメリカの農業と日本の農業の違いは
    そのところが 遅れている。
    農家が 5000坪くらいまで 経営することが
    できるが・・・それ以上になるとできないのは
    1 マネージャーを育てることができない。
    2 栽培マニュアルができない
    3 販売戦略を立てることができない
    いずれも 情報が 整理されていないことから 起こる。

    中小企業は まだまだ可能性がある。
    大企業でなければ できないことで
    大企業でなくてもできることがあるはず
    問題は マニュアル不足だと思っている。
    経験と勘ですべてを語り
    名匠 という個人芸で許容していることに
    日本の職人芸があると同時に
    質的な発展もないのだと思う。

    アメリカの独創性は 常に 違うことを
    かんがえているから強さがある。
    それを マニュアル化していくところに もっと
    強さがある。

    ディズニーランドのマニュアルが 
    優れているといわれているが
    仕事は マニュアル化されて 初めて 合理的になる。

    日本人は働きすぎだといわれるが
    マニュアルがないので ヒトに受け継ぐことができない。

    この中にいる メタルカラーの人たちは
    実に生き生きとしている。
    顔が 個性的である。
    こんな風に、顔を作ることができたら・・・
    個人の発想や 知恵の大切さを
    十分に感じさせるないようだった。
    小さなことに 人類初になったりする。

  • 蓬原(日本信号)さんの回で原発のフェールセーフという話が出てくる。水力発電のダムの下に炉を置いて、何かあったらダムを壊して、緊急炉心冷却するというアイデア。

    http://d.hatena.ne.jp/oraccha/20121231/1356946686

  • やっと読み終えました。今はなきカセットテープやフロッピーディスク、私はどちらにもお世話になった世代なので、開発や規格化の苦労を読めてよかったです。続編が文庫で出ていますが、これはどうするかなあ。

  • 工学系の好きな人には応えられない本。 ワクワク ドキドキ 新鮮な驚きに満ちている。

  • おもしろい。スポットが当りづらい各種製造産業を中心に、企業のベテランへのインタビュー集。企業間の駆け引きはあえて意識せず、シンプルに技術の苦労や進歩のエピソードを聴き取る。一つのエピソードが短く概略で、全体に流れを意識した再構成のため、分厚いけれどさっくり読めた。機密は開示せず対談形式で薄味なため、深堀欲しいもどかしさも。あくまで概論やきっかけとして読むべきか。語られる内容そのものは、とても面白い。著者は合いの手中心だが、ところどころで鋭い意見を挿入。本書が刊行続くことは、とても良いことだと思う。

  • 日本の技術者たちの偉業を対談形式でいくつもまとめた本。メタルカラー(金属の襟)とは造語で、ホワイトカラー(白の襟=Yシャツ=サラリーマン)、ブルーカラー(青の襟=作業着=労働者)に対して作られた言葉。工学部必見。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。1947年東京都生まれ。獨協大学経済学部特任教授、宇宙航空研究開発機構(JAXA)嘱託、理化学研究所相談役、福井県文化顧問、月探査に関する懇談会委員(内閣府)、生物多様性戦略検討会委員(農林水産省)、日本生態系協会理事、NPO子ども・宇宙・未来の会(KU-MA)理事などを務める。日本の科学者・技術者を取材した20冊を超える『メタルカラーの時代』シリーズ(小学館)、『環業革命』(講談社)など著書多数。山根一眞オフィシャルホームページ http://www.yamane-office.co.jp/

「2017年 『理化学研究所 100年目の巨大研究機関』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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