民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論

著者 :
  • 小学館
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感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093798129

作品紹介・あらすじ

急増する「単身世帯」「新興国需要」そして「真の埋蔵金」…「増税」せずとも経済は活性化できる。

感想・レビュー・書評

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  • マクロ経済とかもはや意味がな薄れてきている。個人の行動が経済に与える影響が大きくなってきている。

    定年後の生き方も計画しておくこと。

  • マッキンゼーを経て作家(?)になった筆者。名前はよく聞くが、この人の本は初めて読んだ。コンサル会社で活躍していただけあって、海外のビジネス、教育などに精通し、「日本のぬるま湯に浸かっていないで、世界に出て戦え。日本人と日本のシステムは外国に相当置いていかれている」という論調だ。

    さすが、世界でガツガツ仕事をしてきた人はエネルギッシュで知識も幅広く深いと感心する。と同時に、どこか評論家めいた感じを受けてしまうのは偏見だろうか。「その生き方を人に勧めるのは結構だが」などと考えてしまう。

    歯に衣着せぬ物言いで日本の仕組みや思想の硬直性を批判し、それを脱却する提言をするのは、冨山和彦氏と似ているが、冨山氏とどこか違って、評論家感が拭えなかった。

  • 1

  • 国債まみれの日本の改善案
    海外市場に出たいが、さて、どこ行こう?くらいのテンションの経営者にもオススメ

  • 大前節全開!てな感じですが、読むと元気になれます。
    けちけち節約するばかりじゃなくって、人生楽しむために消費もしなきゃいかんなという気になってきます。

    ビジネス論からキャリア論、政策論まで、内容は幅広いですが、今更ながらこの人はいろんなことをよく知ってますね。
    「中国よりインドネシア」とか、「ロシアお客様論」とか、とても新鮮に感じました。

    日本人は”いざ鬱病”で縮こまっているという指摘は言い得て妙。
    「最小不幸社会」という発想の貧乏臭さを喝破した件りは痛快であります。
    やはり目指すべきは「最大多数の最大幸福」。

    世論調査なんかでも、政府に「景気対策」を望む声は多いけど、政府が何とかするべきだと思ってる時点で根本的に間違ってる。
    将来に備えてコツコツ貯蓄しても、結局国債を通じて国にお金が吸い上げられ、非効率に遣われるだけ。
    思考停止に陥らず、人生をいかに楽しむかをしっかり考え、遣うべきところはちゃんと遣う。
    そして楽しく暮らす。

    金融資産を貯めることが美徳ではない、ということに気付いた人から少しずつ貯蓄を取り崩そう、でも、皆が一遍にやると国債が暴落するので徐々にやるよう気をつけよう、ってところが、夢を語りまくった全体の中で妙に現実的で、微笑ましい。

    ここに書いてあることを実現するのはなかなか難しいとは思うけど、この本を読んで前向きな気分になる人がひとりでも多く出てくれば、それだけで日本経済は上向くんじゃないか。
    そう思いました。

  • これまでの著書に比べ、同じ提言でも表現方法を変えている感じがした。現在の政府の状況や発言を考慮に入れた提言となっているためより広く受け入れられると思われる。しかし政府に期待しても残念な気持ちになることが多いので自分自身のモノの見方・考え方を学び実行していくしかない。

  • 日本の政治・経済がいかに危機的状況なのか、ということが手に取るようにわかります。

    また著者は、この危機を乗り越えるには『官』に頼っていてはダメで、我々『民』が動かない限り打開はありえないと説かれています。

    著書では『民』、つまり国民が行うべき打ち手について、詳細に、理論的に、ワールドワイドに描かれています。
    また、私自身、ビジネスチャンスとしてのASEANに興味があったのですが、著者はそのASEAN(他多数の新興国・途上国)の潜在力について見事に論破しています。

    話の内容は非常に濃く、多方面に広がりますが、理路整然としており、とても読みやすいです。

  • 気になっていた大前研一氏の著書。2年以上前の本だが、今起きている株価の上昇を予見した心理経済に関して触れている。単身世帯の需要や新興国シフト、地方分権などは目新しくなかったが、容積率の緩和などお金を投入することなく規制を変えることで経済を活性化させる提言はなるほどと思った。政権が変わっただけで株価が上昇する状況をみて、経済は神でなく民が動かすということをリアルに感じた。

  • 会社というものは顧客に奉仕すること以外お目的を持ってはいけない。
    楽天が成長しているのはポイント。
    これは電子的へそくり
    サッチャーは一切のエクスキューズを認めなかった。
    弱いものは救わない。むしろつぶれる自由を与える。強いものは生き残るし、時にはもっとも力のある資本家が買収する。
    サッチャーがいなかったら、イギリスは今頃は三流国家。

  • タイトルにある通りに、デフレ不況が叫ばれる日本においての経済解説本(というジャンルがあるのかは、不明ですが。)。
    この著者は基本的に好きなので、読み続けています。
    『ボーダーレス経済』『道州制』というこれまでのコンセプトに基づいた考察が述べられています。
    Windowsが普及して、インターネットが世界の経済の形を変えてしまった。経済という枠での国境は無くなり、資金は国家間を容易に飛び越えていく。
    サッチャー改革や、中国の発展に見られるように外国資本を誘引し、増税に頼らない資金の確保が新しい国富論の一つの軸である。同時にこの仕組みは、新興国が先進国を追い越す事も容易にしてしまった。最適なモノを最適な所から最適な価格で調達出来るようになったからである。蓄積でしか得られない経験は、資金で時間を買う事によって代替えが可能になったのである。もはや大量生産という従来の経済モデルでは、日本に勝ち目は無い。質重視で活路を見出す為には、優秀な人材確保が鍵となるが、この部分においてはアジア内においても遅れを取っている現状が記載されている。
    中央集権の意思決定の遅い統治スタイルではなく、各地域に即した意思決定が出来るように統治スタイルを変える重要性が説かれている。これが『道州制』のコンセプトから発せられる提言である。
    著者の特徴となる激励口調が満載で、非常に国としての危機感が煽られる内容です。中国、韓国、ロシアといった領土問題では四面楚歌の現状では尚更、そう思わされます。
    企業参謀で紹介された思考ノウハウ『戦略的自由度』の実例として第四章を読む事も出来ます。

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著者プロフィール

1943年、福岡県生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、東京工業大学大学院原子核工学科で修士号を、マサチューセッツ工科大学大学院原子力工学科で博士号を取得。(株)日立製作所原子力開発部技師を経て、1972年、マッキンゼー・アンド・カンパニー・インク入社。 以来ディレクター、日本支社長、アジア太平洋地区会長を務める。現在はビジネス・ブレークスルー大学学長を務めるとともに、世界の大企業やアジア・太平洋における国家レベルのアドバイザーとして活躍のかたわら、グローバルな視点と大胆な発想で、活発な提言を行っている。

「2018年 『勝ち組企業の「ビジネスモデル」大全 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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