「利他」 人は人のために生きる

  • 小学館
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レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093798273

作品紹介・あらすじ

震災後の苦悩をどう乗り越えるか-作家として、経営者として、尽力し続ける二人の初の対談集。

感想・レビュー・書評

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  • 著者二人の対談形式の本。
    寂聴さんのユーモラスな語り口、稲盛氏が再建までに
    苦労して来た道のり、どちらも
    これまでのさまざまな試練を乗り越えられて来てこその言葉が詰まっている。

    「代受苦」と言う言葉に触れると、私は生きているのではなく
    生かされていると言う思いが、強くなる。

    人の喜ぶこと、人のためになることを出来る限りして行きたいと思う、私なりに。
    良いことを行えば、自分に返ってくるのではない。
    見返りなんて求めない只々、施すと言う心になるのは
    とても難しいけれど。

    善行をした人が報われなず、あくどいことをしていても運が良い、お金が入ると言ったような不条理なことはどこでも見かけること。
    それが、諸行無常だと言いきっておられる。
    だからこそ、人間なのかな?

    住職にこの本を少し読んでもらったところ、
    地獄と極楽でのうどんの話は、かなり昔言われていた話だと
    おっしゃっていた。

  • 与える事と与えられる事、どちらが嬉しいだろうか?
    普通に考えれば与えられる事、もらう事の方が嬉しいと答えるかもしれない。
    でもよく考えると、プレゼントをあげて喜ばれる事は嬉しい。
    親切な事をして感謝されると嬉しい。
    応援した人が、良い成果を得られると嬉しい。

    他人の為に良い事をする事は、自分を幸せにする。

    稲盛氏が「無給」でJALを再建しているのに、この国の政治屋ったら… 政治屋必読の書である。

  • 著者が伝えたいことは?
    人間に本当に必要なことは、【目に見えないもの。】人は歳をとるごとに利己にとらわれ、私欲に溺れやすくなる。目に見えないものは、神様や仏様、人の心というもの…そのようなものが大切なのに、大切さを教えない。
    目に見えないものというのは、恐ろしいものでもあると同時に尊いもの。

    【忘己利他】自分のことは、置いておいて、とにかく人の為になるようなことをしよう。

    利他の心が大切である。

    思いやりの大切さ…思いやりというのは、結局は、想像力である。
    想像力で、相手を思いやり、
    想像力で、相手のつらさを理解して、想像力で、相手を助けようとする。
    【想像力=思いやり=愛】

    想像力が育つ方法は、本を読むことである。

    忙しいとら、心を亡くすという。
    忙しい、忙しいといって、心を亡くしていないか、自戒する。

  • ☆☆「利他」人は人のために生きる 稲盛和夫 瀬戸内寂聴 2014.2.18

    ・ 寂聴・・・被災地に行って何ができるわけでもありません。とにかく現場を訪ねて、そこにいる人たちの手を握って、背中をさすってあげて、みんなの話に耳を傾ける。私にできるのはその程度のことですが、いつも必ずそうやっていたのです。
    ・ 稲盛・・・再建の経験からすれば、やっぱり最後は、「なんとしてでも自力で立とう」「自分たちで会社を変えていこう」という気力、気持ちの問題が大事なんではないかと、今は思っているんです。
    ・ 寂聴・・・私は、法話ではいつも一つのことしか言っていない。「思いやりの大切さ」ということです。思いやりというのは結局、「想像力」なんです。想像力で相手を思いやり、想像力で相手のつらさを理解して、想像力で相手を助けようとする。つまり、想像力イコール思いやりイコール愛、だと思うんですね。
    ・ 寂聴・・・「相手のつらさを全部、想像力で理解することなんてできない」と自戒しながら、それでも、ちょっとずつ、そのつらさを理解しようと思うことが大事なんです。
    ・ 寂聴・・・私達にできることは、話を聞いて、一緒に泣いてあげることぐらいですよ。
    ・ 寂聴・・・親や子どもが亡くなったり、大切な伴侶が死んだりすれば、人は誰しも身も世もなく嘆き悲しみます。そういう時は、いくらでも泣いたらいんです。悲しみもつらさも、全部、涙で流してしまえればいいんですよ。
    ・ 稲盛・・・私も若い時にはほんとうに世間知らずで、きちんとした経営の勉強もしていなかったものですから、結局、両親やら先生に教わった、「人間としてやっていいことと悪いこと」という素朴な基準で、経営上の判断もしていこうと考えました。最近は、「損得という判断基準ではなく、善悪という判断基準でやっていきます」と言うようになりました。思うに、政治や経済の問題でもなんでも、すべて善悪で、つまり人間としていいことなのか悪いことなのかという判断をすれば、それほど大きな間違いはしないと思うんです。
    ・ 稲盛・・・会社が大きくなったのも、株価が上がったのも、私一人の成果ではなくて、社員全員の努力の賜物なんです。また、社会から支援を受けた恩恵なんです。ですから、その利益を私物化するのではなく、それを原資にして財団をつくることにしたわけです。
    ・ 稲盛・・・心の手入れはどういうふうにやればいいのか。これは「反省」しかないんだろうと思うんですね。毎日せめて寝る前ぐらいは一日の反省をして、「今日はいいことをしたか、悪いことをしたか」「なぜ悪いことをしてしまったのか」「今度、同じようなことがあった場合にはどうしたらいいのか」と反省することによって、多少なりとも心の手入れができるのではないか。
    ・ 寂聴・・・天台宗には「忘己利他」という言葉があります。日本天台宗の宗祖、伝教大師最澄の「山家学生式」という論文の中に「好事は他に与え、悪事は己に迎え、己を忘れ他を利するは慈悲の極みなり」という教えがあります。
    ・ 寂聴・・・笑うことはとても大事です。もう絶対に不幸は悲しい顔が好きなのね。それで幸福は笑顔が好きなの。とにかく笑顔になったら病気も耐えられるし、貧乏でも頑張れるし、やっぱり笑顔が大事なんですよ。
    ・ 寂聴・・・自分の仕事を愛せない人はやっぱり駄目ですよね。嫌々やることでいいことなんて、何もないですから。だから、自分の仕事を、もう今はこれしかないと思ったら、それを愛することですよね。その仕事の良さを見つけること。
    ・ 稲盛・・・とくに経営者の場合は、自分の会社を本気でよくしようと思ったら、まず自分の心を高めないといけないんです。「盛和塾」に集まってくる中小企業の経営者に、私が一番力を入れて、懇懇と言い続けるのもそこなんです。「一族の会社をよくするために」とか「社長である自分が儲けるために」といった目的では、どれだけたくさん給料を払うと言っても、社員は一生懸命に働いてくれませんよ。せっかく、縁があって自分の会社に来てくれた社員なんですから、その人達みんなを幸せにしてあげたいと経営者が本気で思わなかったら、社員は頑張ってくれません。つまり、経営者の心が高まり、その心の中に、従業員を大事にしたいという「利他」の精神、「愛」というものが目覚めてこなかったら、拝金主義でお金だけ儲かればいいという考えだけでは、どんな組織でもうまくいきませんよ。「あなたの心が立派になっていけば、それにつれて経営もよくなっていきます。」と一生懸命に言っている。
    ・ 稲盛・・・会社がどんどんよくなってきて、会社がどんどん儲かっていきますね。そうすると今度は、その儲かったお金をたくさん税金にとられたりするので、だんだん惜しくなってきて、なんとかして税金を払わないようにするにはどうしようかと考え始めるもんだから、またそれで、おかしくなってくるんです。そのうえ、儲かってくると余裕がでてくるものだから、適当に遊びもしたくなる。それで、せっかく頑張ってよくなってきた会社が、またしても傾いていくんです。

    ある老師によると、地獄と極楽は、見た目ではそれほど違いはないという。どちらにも、大きな釜に美味しそうな「うどん」が煮えており、みんなが一メートルもある長い箸を持っている。地獄の住人は、われ先にと食べようとするが、箸が長すぎて自分の口にうまく運べず、他人の箸の先のうどんを奪い合うようになり、結局、みんなが飢えて、痩せ衰えていく。一方、極楽では、誰もが箸で摑んだうどんを、向かい側の人に先に食べさせてあげている。だから全員が満ち足りているのだ。

    感想
    人間として正しい生き方をしたい。そして患者さんのこと、スタッフのことを本気で幸せにしたいと思い、行動していきたい。

  • 稲盛和夫さんと瀬戸内寂聴さんの、「人間として、いかに生きるべきか」をテーマとした対談。その着地点は「『利他』人は人のために生きる」であった。もともと利己的な人間が利他の精神を持つことは難しい、しかしその先には希望がある。誰かのために生き、誰かのために働くことこそ、心を鍛え、人間性を高めると説く。

  • 忘己利他
    思いやりイコール想像力イコール愛
    損得ではなく、善悪で判断する経営

    震災後の対談。

    心をリセットしたい時に。

  • 二人の行き方を通して、今を生きている私たちがどうやって生きていったらいいのか導いてくれる一冊です。

  • 稲盛さんの考え方に非常に共鳴しました。また瀬戸内さんとの対談で見えてくる現在の世相の問題、心の問題
    これからのあり方、考えさせられますね。

  • 瀬戸内 寂聴と 稲盛 和夫の対談集。共に仏教に深くかかわり、尚且つ個人としての経験があふれるほど豊かな方達なので、他の人では突っ込めない内容も飛び出しとても面白く読めた。特に稲盛さんがJALの復興を助けるために火中の栗を拾い、どう乗り切ったのか。その辺りが大変興味深かった。厳しくも愛と優しさに満ちたお二人の経験談はとても貴重で面白いです。

  • 詳細なレビューはこちら↓
    http://maemuki-blog.com/?p=9928

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著者プロフィール

せとうち・じゃくちょう 1922年、徳島生まれ。東京女子大学卒。1957年に「女子大生・曲愛玲」で新潮社同人雑誌賞、1961年『田村俊子』で田村俊子賞、1963年『夏の終り』で女流文学賞を受賞。1973年に平泉中尊寺で得度、法名寂聴となる(旧名晴美)。1992年『花に問え』で谷崎潤一郎賞、1996年『白道』で芸術選奨、2001年『場所』で野間文芸賞、2011年『風景』で泉鏡花文学賞受賞。1998年『源氏物語』現代語訳を完訳。2006年に文化勲章を受章。他の著書に『釈迦』『死に支度』『わかれ』『求愛』『いのち』など多数。

「2018年 『花のいのち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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