トラオ: 徳田虎雄不随の病院王

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093798280

作品紹介・あらすじ

男の名は、徳田虎雄。1938年生まれ。元自由連合代表。衆院議員を計4期務めた医療法人・徳洲会の理事長。「年中無休、24時間オープン」を旗印とし、一代にして全国66病院を含む280余の医療施設を擁する病院帝国を築き上げた。しかし2002年春-。徳田は、ALS(筋委縮性側索硬化症)を発病し、現在、文字通りの死闘を続けている。ALSとは身体を動かす神経系が壊れ、全身の筋力が失われていく難病である。

感想・レビュー・書評

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  • 家人が読んでいたためしばらくうちに置いてあったのだが、何しろ表紙の顔が怖い。「不随の病院王」というタイトルも怖い。〇〇の△△王なんて昭和の巌窟王くらいしか思いつかないし、いったいこれ何の本だろうと思っていたら、読み終わった家人が「面白かったよ」と勧めてきたので読むことにした。徳洲会病院の創設者で現在はALS患者でありながら未だ最高権力者の話というではないか。なるほど、それで不随の病院王ね。
    読んでみたら内容には興味を惹かれたのだけど、伝記的でも評伝的でもなくゴシップ記事的な作りで露悪的な惹句が多くだんだん食傷気味になってきた。そんなに煽らなくてもこっちは読む気があるんだけどなあとだんだん辟易してくる。特に、選挙関係に随分と紙幅を割いており、それはある意味では確かに本質かもしれないが、やはり病院あっての選挙だと感じたので、描き方としてフェアではないと思う。
    釈然としないまま最後まで読んで、この本の元連載が週刊ポスト誌上であったと知った。そういうのは巻末のわかりやすいところに書いておいてほしいもので、エピローグの途中にそっと書いておくのは反則である。週刊誌連載とあっては刺激的なトピックを多く取り上げて興味を引くような作りにしなければいけないのはわかった。病院をいっぱい作った苦労人というのでは提灯持ち記事と言われるのだろうし。でも、もう少し対象への愛も感じたかったというのが正直なところではある。また、全体的に田舎を下に見る(『田舎者』の徳田を下に見る、ではなく)言説が多くて心穏やかに読めないので、どんな都会出身かと思ったら著者プロフィールには長野県出身とある。クリスタル族か。
    ともかく徳田虎雄には大変興味を惹かれたので、Wikipediaでちょっと復習をした。フラットな文章を読んでも尚、たいへん毀誉褒貶の多そうな人物である。近くにいる人は本当に大変だろうが、影響を受けた人、恩恵を受けた人も数え切れないであろう。そして何より、こんな挑発的な記事を読んでも「よかった」「しかたない」と言うというのは、やはり上に立つ器のある人と思えるエピソードであった。

  • いろいろな謎が解けるような感じで読める。

  • ものすごくキワモノ的なものとものすごく純粋なものが混沌としながらも一人の中に存在している。それをASLという病が際立たせている。今、人生の最後に向けて、なおも激しく走ろうとするその意志の強さがこの人の魅力を象徴していると思った。

  • 徳田虎雄の人間性を書かれている。常軌を逸した奇人の模様を。
     少し日本の医療面を掘り下げて徳洲会と医師会の確執を書いてもらえたらなあと思った。

  • 徳洲会という民間で最大の医療グループを一代で築き上げた徳田虎雄の話。インタビュー形式。

    奄美諸島の歴史的背景の説明が丁寧に描かれており、法律や規則といった誰かが作ったルールに縛られない徳田虎雄の特異な考え方を理解する一助となった。

    ALSでありながら徳洲会のトップに君臨している

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  • 元が週刊誌の連載なので深みはないが,読み物として楽しめた。徳之島の雰囲気が良く出ていると思う。

  • 徳田虎雄は、34歳のときに大阪で病院を創立させてから、全国に次々と病院創り、現在では徳洲会グループは、全国に66病院があり、クリニックや老人保健施設などもいれると280以上の施設を有しています。
    医師総数は、約2000人、全職員数は2万5000人ですから稀代の病院王といってよいでしょう。
    一代でこれだけのグループを創るのですから傑出した男にちがいありません。
    現在、ALSのために人工呼吸器をつけ声もでない状態で寝たきりの生活をしています。

    http://ameblo.jp/nancli/entry-11967492483.html

  • 善と悪が色濃く同居している男のように思う。

  •  ひとことで言うと、子供のころに志を立て、突っ走った人。
     
     本書ではいろいろな事件の舞台裏が見えた。

     本書の終盤で出てくる万波氏の臓器売買についての意見「わしゃ、悪いことじゃないと思うよ」という一節はちょっと考えさせられた。

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著者プロフィール

1966年長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクション作家。慶應義塾大学卒業後、共同通信に入社。社会部、外信部、ソウル特派員などを経て、2006年に退社しフリーに。テレビ・ラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『日本の公安警察』(講談社現代新書)、『絞首刑』(講談社文庫)、『トラオ―徳田虎雄 不随の病院王―』(小学館文庫)、『増補版 国策捜査―暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』(角川文庫)、『誘蛾灯―鳥取連続不審死事件―』『抵抗の拠点から 朝日新聞「慰安婦報道」の核心』(講談社)、『青木理の抵抗の視線』(トランスビュー)などがある。

「2015年 『ルポ 国家権力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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