仁義なき宅配: ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン

著者 :
  • 小学館
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感想 : 78
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093798747

感想・レビュー・書評

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  • 佐川がアマゾンとの契約を打ち切っていたことを初めて知った。
    私の荷物も昔誤配されたもんなぁ…
    筆者のバイト潜入レポは面白い。

  • 文字通り、ヤマトと佐川急便と日本郵便の流通業の宅配戦争を扱った一冊。

    潜入ルポは前回のアマゾンほどの迫力はないものの、それぞれの企業の歴史を知ることができて面白かった。

  • 今最もホットなルポライター横田氏の本職である物流宅配便の現状のルポルタージュ。
    通販全盛の現代社会を支える物流の現場が如何に疲弊しながらも、安価にシステムを支えているか。送料無料がいつまで続くかは分かりませんが、日本のサービス低生産性はサービスレベルが低いのではなく、サービスに対価を支払われないことで起こってるのだというのがよく分かります。

  • 160803読了

  • 大下英治著『小説佐川疑獄』を読んで23年が過ぎた。佐川清が裸一貫で創業し、同郷・田中角栄への裏金で事業を拡大する。そして東京佐川の渡辺広康との内部抗争、さらには渡辺の政治家にとどまらず暴力団、右翼への青天井ともいえるカネのばらまきへ。竹下登ほめ殺しにまで通じる佐川の歴史を振り返る。さらに、ヤマトの覇者への道のり、日本郵便の猛追、そしてアマゾン急成長の裏にある運送業の犠牲をここに知る。特に、ヤマトに関しては、第2代社長・小倉昌男が国と正面切って堂々と対決し、会社を牽引していった光と、現在は過酷な低賃金労働を強い、ブラック企業と形容せざるを得ない影との両面を伝える。ただ、佐川にせよヤマトにせよ、他社の考えが及ばぬほどの徹底した顧客サービス提供が創業理念にあり、発展を遂げたことだけは間違えない。最後に、ネット通販利用者として今後は再配達していただくことのないよう心がけたい。

  • 個人と個人の間の荷物を運ぶところからスタートしたヤマト、企業間の荷物を運ぶところからスタートした佐川、いまいずれもその荷物のほとんどがアマゾンを初めとした通販企業から個人へ向けてのものとなっている。しかしそのことで本来かかるべき運賃が「送料無料」「低運賃」という足かせの下、宅急便ビジネスの仕組みが制度として成り立たなくなりつつある。本書は、それがひたすら「低賃金の人力」によってなんとか支えられている状況をあぶり出す。

  • この本に書いてあることが事実なら、どこの会社も利用したくなくなります。ブラック企業そのもの。

  • どこかに歪があるのだろうとは思っていたが…。

  • 潜入も含めて、関係者に話を聞いたりすることで
    経営者や広報が言うお話とは違う実態を
    明らかにしようとする本。
    夏場に野菜を送ってもらったらトマトがつぶれてグチャグチャになっていたこと思い出した。
    きっと上にいろいろ積まれたんだろう。
    仕方ないとはいえ、いろいろ難しい気持ちになる。
    少なくとも仕分けくらいはロボットなんかを戦力にして人件費に還元してほしいけど、
    きっと送料値下げや広告料に消えちゃうんだろうな。
    届けてくれるお兄さんたちには感謝の気持ちばかりです。

  • 物流専門誌の記者をやったこともあるという著者が、宅配会社に潜入取材してまとめた、異色のルポ。
    社会で重要なインフラを担いながらも、サービスで差別化できず、価格競争に陥る。そのしわ寄せが、下請け、非正規労働者へと及ぶ。
    宅配業界は日本の産業の縮図だ。

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著者プロフィール

横田増生

一九六五年、福岡県生まれ。関西学院大学を卒業後、予備校講師を経て、アメリカ・アイオワ大学ジャーナリズム学部で修士号を取得。九三年に帰国後、物流業界紙『輸送経済』の記者、編集長を務める。九九年よりフリーランスとして活躍。二〇二〇年、『潜入ルポ amazon帝国』で第一九回新潮ドキュメント賞を受賞。著書に『ユニクロ潜入一年』『「トランプ信者」潜入一年』など。

「2022年 『評伝 ナンシー関』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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