図鑑少年

  • 小学館 (1999年2月17日発売)
3.21
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Amazon.co.jp ・本 (258ページ) / ISBN・EAN: 9784093860352

みんなの感想まとめ

不思議な世界観に引き込まれる作品で、読者はさまざまな人との交流や出来事を通じて、思わぬ発見を楽しむことができます。特に「なくしたピアス」という短編は、駅前での一瞬の出会いを美しく描写しており、何度も読...

感想・レビュー・書評

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  • なんとも不思議な世界に連れて行ってくれる本。
    書き出しからぐんぐん引き込まれていく。

  • なくしたピアス、だけは、特に、何年かごとに読み返したくなってしまう。駅前でウードを演奏する旅行者の美しい女性とわたしの一瞬の交流を描いた短編。

  • 913.6

  • 日常を少し異なった視点から切り取った短編24編。文章とか切り口は悪くないなと思うけど、文学的で読んでて疲れた。

  • 不思議な短編集だった、ということだけ覚えている。静謐、透明、という単語が似合いそうな。

  • たえず表情を変える都市。
    そこで暮らす著者が、日々の生活の中から切り出した24編の物語です。
    エッセイのようにも感じられるのは、語り手が著者自身らしいことと、舞台が東京のどこかの風景であることによるのでしょう。

    ひとつの場面が写真のように残っています。
    1匹のはぐれ犬が、無人の国立競技場でライトに照らされながら、スタジアムの芝の上を歩いている場面。

    起伏に富んだ物語ではありませんが、波が寄せては引くように、さわさわとした揺れを残していきます。
    少し、不安になってしまうような。
    見てはいけないものを見てしまったような。

  • 装丁に惹かれました。
    写真もよかった。特に、スーパーボール掬いのと、その次の森の中の。丸くぼやけた輪郭とその次のすっとした線のものがきれい
    どれも不思議な感じで、どこから読んでも、例えば寝る前にひとつだけとかでも良いなあと思いました。

  • 読後感、ふわふわ。さびしいような、あたたかいような、不思議な気持ち。

  • 超短編がわさーと入ってた

  • 『大竹昭子』さんの足跡をたどる読書の旅、その3。前作『旅ではよく眠り』が海外での体験が主なテーマだとすると、こちらは国内、それも著者の住む東京・四谷近辺を中心としたものだ。エッセイのようでいてフィクションのようでもある。その後書かれる小説に結実していくエッセンスや観察記録が、あちらこちらに散りばめられていて興味深い。住んでいるアパートの前の雑木林が一夜にして伐採される話(「空飛ぶシーツ)やなど、まるで『ソキョートーキョー』の一節そのものだ。

  • ブッカーリトル「Life's a Little Blue」。若くして死んだトランペッターの数少ないアルバムの中に入っている一曲。

    「私の国では物書きは本を持たないの、よく旅をするから本を持って来られないの。読んだことは頭に入れておくんですって」
    たしかに本に書いてあることが頭に入っていれば本はいらない。

  • 日常生活の中で、ふっと湧き立つような、人と人との出会いや別れを描いた、短編集である。
    各々の作品に大きなドラマはないが、不意に何かに心を奪われ、シャンパンの泡に酔うように思いもよらぬ言動に及んでしまう、そんな、すぐに儚く忘れ去られてしまうような一瞬が、じっくりと描かれている。
    厳かなほど静かな空間の中で五感を研ぎ澄ませている主人公の心の揺れる様は、リアリティがある。

    収録されている24作のうち、最初の2作、「引っ越し」と「ポルトガルのナイフ」に特に魅了された。
    どちらの作品も、ありふれた一言がキイワードとなっている。
    考えれば考えるほど、どんどんと深みを増していくコンテクストの中で、この言葉は一体どのような意味を持つのだろうと考え始めるときりがない。
    学校の教科書に掲載されてもおかしくないほどの名作だ。

    その他の作品も、今までに自分も体験したことがあったような、あるいはこれから外に出かければ体験することになりそうな、興味深いはずなのによくよく注意していなければ見落としてしまいそうな、そんなシーンで溢れている。
    今の自分も、気がつけば過ぎ去っている今という時間を、距離を置いて鳥瞰的に眺めてみれば、そこかしこにこんなドラマや、ドラマの萌芽を、発見することができるのかもしれない。

    24作の中には、どことなく類似したシーンがいくつか登場しており、少し残念ではあるのだけれど、考えようによってはそれもまた一興である。

  • 読んだ本を好きになるかどうかという基準は
    人によって違うと思うのですが、私の一つの判断基準に、
    作品の空気を共有することができるかどうかがあります。
    言い換えるならば、描写によって自分の記憶、過去の感覚が
    呼び起こされる作品かどうかとでもいいましょうか
    (むずかしいですね)
    この作品は、描写されている感覚が私にとって共鳴する
    部分が多くあって、とても好きなんです。
    たとえば、「最終バス」という一編。
    話の冒頭で、目の前に止まっている、行ったこともない方面の
    最終バスにふと思い立って乗り込む。
    そんな静かな衝動に惹かれます。
    淡々とした作品が好きな方におすすめです。

    興味を持たれましたなら、どうぞ。

  • 題名に惹かれてかりました。まさかエッセイだったとは!(笑)
    読んでいて30ページくらい気がつかなかったかも
    これは思い出したときにふと一章節読みたいな。

    他の人のレビュー見ていると、やはり物語のようですね。

  • 公園や散歩や雨や引越し。近くなのに遠くに行ったような気持ちに。

  • すぐに読めてしまって値段的には不満が残るけれど、なにやら心に静かに残っていく話が多く、お気に入り。随所に入れられた写真が巧く雰囲気を出している。

  • 日常生活に少しのスパイス。好みだ。

  •  <B>予期せぬめぐり会いに始まる24の物語

     ・・・ふと、このバスに乗ってみようかと思った。
     …別に行きたいところがあるのではないが、夜のバスに乗って
     知らないところをまわってみたかった。
     財布に小銭があるのを確かめてステップを上がった。
     途中で知っている駅を通ったら、バスを降りて
     電車で引き返してもいいし、どこも通らなければ
     そのまま乗りつづけたって構わない。</B>
                             (帯より)


    実際にある場所なのか想像上の場所なのかはわからないし、そんなことはどちらでも構わない。ふと、いつもの道から逸れてみたくなることがある。大抵はチラリとそちらに目をやって、結局はいつもの道を歩いている。けれど、ぐぃんと袖を曳かれるように逸れてしまったのが この小さな24の物語たちなのだろう。
    なんということもない、とりたてて語るほどでもないことや場面が描かれているのだが、そこはかとなく常ならぬ場所を彷徨っているような心地にさせられる<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4093860351/yorimichikan-22" target="_blank">図鑑少年</a>

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著者プロフィール

1950年東京生まれ。小説、エッセイ、ノンフィクション、批評など、ジャンルを横断して執筆。短編小説集としては、本書は『図鑑少年』『随時見学可』『間取りと妄想』に続く4冊目。人間の内面や自我は固定されたものではなく、外部世界との関係によって様々に変化しうることを乾いた筆致で描き出し、幅広いファンを生んでいる。
写真関係の著書に『彼らが写真を手にした切実さを』『ニューヨーク1980』『出来事と写真』(畠山直哉との共著)『この写真がすごい』など。他にも『須賀敦子の旅路』『個人美術館の旅』『東京凸凹散歩』など著書多数。
部類の散歩好き。自ら写真も撮る。朗読イベント「カタリココ」を主宰、それを元に書籍レーベル「カタリココ文庫」をスタートし、年三冊のペースで刊行している。

「2022年 『いつもだれかが見ている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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