- 本 ・本 (490ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093861328
作品紹介・あらすじ
お待たせしました。飯嶋和一の新作です。今回もまた傑作です。
お待たせしました! 飯嶋和一の新作です。あの『始祖鳥記』から3年。数々の賞を辞退し、文壇では知る人ぞ知る歴史小説の巨人が、遂に新刊を出します。今回は、飯嶋作品中最大の長編、原稿枚数一千枚超の大作です。久々の飯嶋ワールドをどうぞご堪能ください! いつの世も、希望は人に宿る―江戸寛永年間、海外貿易都市・長崎に2人の大馬鹿者が生まれた。その「金屋町の放蕩息子」「平戸町の悪童」と並び称された2人の問題児こそ、後に史上最強の朱印船貿易家と呼ばれることになる末次平左衛門(二代目末次平蔵)とその親友、内町火消組惣頭・平尾才介である。卓越した外交政治感覚と骨太の正義感で内外の脅威から長崎を守護し、人々に希望を与え続けた傑物たちの、熱き奔流のような生涯!
感想・レビュー・書評
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江戸時代初期に生きた長崎代官•末次平左衛門を中心に据えた物語。長崎奉行•竹中重義のフィリピン侵略計画を阻止しようとする平左衛門が竹中重義を追い詰めていく過程が物語の肝になっている。キリシタン弾圧を強烈に押し進めた竹中重義は、秀吉の軍師として名高い竹中半兵衛重治一族の後裔。この事件を契機に廃絶となる。
平左衛門は、飯嶋和一さんの描く主人公の典型で私利私欲の無い叡智の人。民衆の中にあり、長崎の町と人々を愛している。
平左衛門が直接暴き出したのは長崎奉行竹中重義の悪行だが、フィリピン侵略未遂事件の実行役だったのは島原藩主•松倉重政。重政の急死等もあって計画自体は頓挫する。しかし、跡を継いだ松倉勝家は幕府内での栄達を目論み、島原藩内で苛烈な収奪を続け、後の"島原天草一揆"を引き起こす。従って、この後の物語は「出星前夜」に詳しい。
…およそ三か月かけて飯嶋和一さんの歴史小説を読破した。(「汝ふたたび故郷へ帰れず」という現代物短編集は手に入っていない)
どの作品も、歴史的事実を丹念に調べて書いてあり、素晴らしい経験ができた。歴史を題材に創作した作品は世間に溢れているが、ここまで事実という素材を膨らませて、あたかも『見てきたように描かれた作品』は稀有だ。
全作に通底するのは"名も無き民衆の魂の声"である。ぜひ多くの人に読んでほしい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
平左衛門の生き様が格好いい。
他の登場人物も味があって素敵だった。
少しずつ、でも確実に悪を追い詰めていく様子が心地いいなと思います。
無駄なセリフがなく、淡々と進んでいるようで、ちゃんと心情が伝わるのが不思議です。
時代小説は苦手なジャンルだけれど
テンポよく読むことができました。 -
鎖国される前 徳川家光が実権を握ろうかという江戸時代初期
キリシタン弾圧がされる長崎で民を守ろうとする末次平蔵の息子、平左右衛門をメインに描いた時代小説。
いや~大長編。一度途中まで読んでモチベがなかった為積んであったんだけど、やっぱり一気に読んだ方が面白い。
金や名誉に囚われず、南蛮人も物ともしない内町火消組惣頭 平尾才介が豪傑でかっこいい!浪漫だわ~
史実と創作織り交ぜて書かれてるんですね。平尾才介も実在するのかと思った。南蛮人に喧嘩を仕掛けていくくだりを読んで、この作家さんで豪傑の武士の小説とか読んでみたいと思いました。 -
■08/02/08 黄金旅風 評価A
今年は、飯嶋氏の作品は全て読もうと思っている。
少しかったるいとの批評も聞くが、時代小説の好きな私としては、時代考証がしっかりしている氏の作品は好きだ。
江戸時代 秀忠から家光の頃、長崎に生きた町役?の物語である。
朱印船やポルトガル、オランダとの交易、キリスト教をめぐる歴史の流れが上手く描かれている。意外とあっさり脇役たちが死んでいってしまうのが、読者としては残念だが、やむをえないのであろう。
文庫を手元に取っておきたいAもしくはB+の作品である。 -
勝手に題名から想像したもののと違い、少しがっかりした。話も冗漫で、人物は魅力的ではあるのだが、今一生き生きとはしてない感じがした。
取り上げた時代が渋いところではあるのだが、地味な時代であるのは間違いないし、作者の意図が空回りしてる気もした。 -
いい話だったのですが、量が多くて登場人物が多くてちょっとしんどかったです。
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おもしろい!長崎
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名作の一歩手前か
好き好きだけど…
4.4点 -
相変わらず圧倒的な密度だ。江戸時代の長崎という舞台設定も魅力的。主人公の一人が早々に退場するのは残念だが、男の矜持を語らせたらこの人は最高だね。
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2010.12.末次平蔵の船は高山国のオランダを攻めた.その後、日本とオランダとの関係は悪くなる.その平蔵が誰かに殺され、不肖の息子と言われていた平左衛門が跡を継ぐ.長崎の町は奉行に竹中重義が来てから締め付けがきつくなる.ルソンを制圧するため多くの不正を働いていたのだ.平左衛門は、竹中の不正を幕府に訴え、竹中は死罪となる.なにしろ、長ーい.
著者プロフィール
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