下妻物語・完 ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件: ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (319ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093861533

作品紹介・あらすじ

ダメ親父のバッタもの商売が原因で尼崎を追われ、茨城県は下妻に越してきたロリータ少女・竜ヶ崎桃子は、絶滅寸前のヤンキー少女・白百合イチゴと出会い、ふたりは無二の親友となった(ここまで前作。ただし、親友については桃子は認めていない)。桃子は、大好きなブランドBABY、THE STARS SHINE BRIGHTでモデルをやるようになっていたイチゴと、連れだって代官山へ行くようになっていたが、ある日いつものように高速バスに乗ると殺人事件に巻き込まれ、足止めを食らってしまう。殺されたのは歌舞伎町のヤクザの幹部。アリバイがないのと疑惑たっぷりの見た目で、イチゴに容疑がかけられる。桃子探偵は真犯人捜しを始めるが…。

感想・レビュー・書評

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  • 前作から引き続いてのロリータ桃子とヤンキーイチゴの一風変わった友情物語。
    こちらも10年以上前に読んだ再読。

    殺人事件が中心となるのでそのトリック(トックリbyイチゴ)や顛末の描写が多く、退屈を感じる時もありましたが、桃子のシビアな目線がおもしろいのは変わらず。
    イチゴも素直でいい子だなぁ。あのバカさ加減が愛嬌あっていい。

    最後の桃子が東京にデッパツするシーンは泣いたなぁ。
    ほんのりと読者が気づいていたことに桃子自身が気づく独白は、桃子特有の毒舌にまみれてるけど優しくて。
    イチゴが当たり前の生活を下妻で送ることになるであろうこと、その当たり前が何よりイチゴにとって幸せなことだと桃子はわかってて、ある意味願いのようなものなんだよね。

    愛しい、可愛い、桃子とイチゴの物語。
    パリコレ上等。

  • 桃子がお洋服やロリータについて語る言葉、かなり好きです。
    1作目ほど衝撃(笑)はなかったけれど、やっぱり面白い。『完』なのかなあ…“目指せパリコレ”編、読みたいんですけど。

  • 殺人事件なんてこのふたりにどう関わってくるんだろう?と思ったらそういうことか〜とちょっと切なくなりました。事件がストーリーを圧迫してるように感じられ、もっとふたりの友情を見せつけられたかったなという気がしてしまいました。しかしあのふたりはいい意味であれ以上のことはないんだなと。桃子が最後自分の気持ちを認めて独白するところは泣けました。友情と恋愛感情は紙一重ですからね。違う場所に行ってしまってもお互いがお互いのことを思っているし、しあわせになってくれるんでしょうね…

  • 最高の友情小説!
    全くタイプも性格も見た目も違う2人なのに、こんなに親友になれるなんて、これが本当の友情だなーって思う。
    イチコも、捻くれてるように見える桃子も実はめちゃめちゃ素直な子なんだろうなー。
    どっちも自分に素直に生きているからこそ、心から信頼し合える人に出会えたんだろうな。

    わたしもたくさん友達はいるけど、本当の友達っているのかな?

  • ただ性悪になった桃子、ただバカになったイチゴ、粋な姉御だったのに殺人犯に成り下がった亜樹美(子どもどうするん…)人物にことごとく魅力がなくなった。セイジも邪魔。ていうかなんで殺人事件なの…こんな悲しい話を下妻物語でやらなくても…前作が大好きなだけに残念で、この本は私の中で無かった事になった。笑 2人の物語がまた読めて嬉しかったのと、ラストはちょっとグッと来たので+1点。

  • キスしたいとか結婚したいではないけれど、恋愛感情で動いてしまうんじゃないかなっていうところは、少し分かる気がするな。

  • 意外な犯人でしたが、イチコと桃子が、並んで歩いている事が、とても嬉しいです。さらにその後を期待しちゃう、かも(笑)

  •  続編は賛否両論ですね。ふたりにまた会えたのはうれしいんです。でも、いつまでも貴族の森でおしゃべりしているふたりであってほしかったなあと思わずにはいられません。

     ミステリ部分はスパイスです。細かいことはいいんです。本格なわけないじゃないですか。ただ、あのキャラをこういうふうには使ってほしくなかったです。

     桃子ちゃんのロココな精神、イチゴちゃんの真面目さなどなど、登場人物の絡みや会話(たまに薀蓄)を楽しむ作品です。ロココやお洋服、純正ヤンキーについて全く無駄な知識がつきます。

     逆に30代になったふたりの物語は読んでみたいと思います。でもやっぱり少女は永遠であってほしい…。
     

  • ロココを愛するロリータの桃子と、時代錯誤なヤンキーのイチゴ、ふたりの女子高生の下妻を舞台にした友情物語。
    映画化されて一躍有名になった前作から引き続き、桃子とイチゴのかみ合わないようでかみ合っている不思議な関係は絶好調。
    ふたりが東京から下妻に帰るために乗った高速バスのトイレで、殺人事件が起きる・・・・というストーリーなのだけれど、その謎解きはあくまで物語のエピソードのひとつでしかなく、この作品の面白さはやっぱり絶妙なキャラクターとコミカルな描写だと思う。
    桃子やイチゴは言うに及ばず、駄目親父から桃子の祖母、今回から登場したジャスコの警備員セイジまで、なんとも笑えて愛らしい。

  • この続編は、個人的には蛇足だったかな…と云う気がしてならないです。
    桃子といちごの2人のやり取りをまた見られるのは楽しいのですが、
    何と云うか、どの点においても中途半端未満な印象を受けました。
    まぁミステリーじゃないので、本格的な推理は必要ないとはいえ、
    殺人事件に巻き込まれて、あの結末は一寸…。
    お洋服の描写に胸がときめいた位はありますが、
    だったらロリィタ雑誌を見たら良い事ですし…。
    桃子の恋というのも、もう一寸慎重に書いて欲しいなと思いました。
    特に何かする訳でも無く、潔く身を引くのは良いと思いますが。

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著者プロフィール

文 嶽本 野ばら
京都府宇治市出身。作家。
1998 年エッセイ集『それいぬ̶ 正しい乙女になるために』(国書刊行会)を上梓。
2000 年『ミシン』(小学館)で小説家デビュー。
2003 年発表の『下妻物語』が翌年、中島哲也監督で映画化され世界的にヒット。
『エミリー』(集英社)『ロリヰタ。』(新潮社)は三島由紀夫賞候補作。
他の作品に『鱗姫』、『ハピネス』(共に小学館)、『十四歳の遠距離恋愛』(集英社)
『純潔』(新潮社)など。『吉屋信子乙女小説コレクション』(国書刊行会)の監修、
高橋真琴と共書絵本『うろこひめ』(主婦と生活社)を出版するなど少女小説、お姫様をテーマとした作品も多数。

「2021年 『お姫様と名建築』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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