78

著者 :
  • 小学館
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感想 : 42
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  • Amazon.co.jp ・本 (314ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093861557

感想・レビュー・書評

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  • 時間を超えて、場所を超えて。
    78回転のSPレコードが回ると物語が響き合う。
    ゆるやかに、寄せては返す波のように。

    ストーリーそのものよりも、断片的な情景が写真のように印象に残る物語でした。
    草むした廃線の線路をたどる2人の少年。
    青いギターの色がうつった白いシャツ。
    前に立って階段を登っていく小さな白い靴。
    目の前にバラバラに散らかしたそれらの写真を眺めていると、また物語が立ち上ってくる、そんな感じがするのです。

  • 吉田先生お得意のレコードを巡るおはなし

  • 時間と世界が78回転のレコードのように回るノスタルジックな感覚の作品です。個人的に吉田氏の作品は長編が苦手分野ですが今回は結構いけました。

  • 78回転のレコードを巡る短編…が俯瞰すると長編になる作りです。
    最初は一つの話に登場した人や物が次の話に中心となって
    現れてくる、と云う所がなかなか楽しかった。
    「世界は何らかの結晶でできている」あたりのアーサーとか
    自分としては盛り上がったのですが…
    7人姉妹が出て来る辺りからちょっとグダグダしてしまった気がします。惜しい。

  • 帯背
    世界なんて、まだ終わらないというのに
    帯裏
    アーサーのねじ回し
    ハイザラとバンシャク
    七つの夜の箱
    終点駅の駅長室
    ゆがんだ球体の上の小さな楽団
    クローディアと靴箱の都
    中庭の王様
    ツェツェとチェチェ
    二段ベッドの神様

    本作品は、『きらら』(小学館刊)04年6月号~05年9月号に掲載されたものに加筆改稿しました。

  • 人の生活もレコードのように繰り返され、過去として偲ばれ、思わぬところで存在しているのかもしれないなぁ。
    いくつもの人々の生活を、「個」として収束させていないところが、また連綿とつづいていくのだと感じさせられる。

  • 2013 10/4

  • 彼の文章はいつでもモノクロ映画やサイレントなイメージだけれども、この本は今までになくその印象が強かった。

    時間の流れは自由自在、されども人間たちの思いはままならず、といった感。

    女性に夢見てる癖に、その残酷さをもあっさりと書きこなしてしまうものだから、こちらはただ感情のうねりに巻き込まれて振り回される。

  •  ドーナツが作りたくなった。丸い穴のあいたドーナツ。サクッ、ふわっとしていて、粉砂糖がかかっているやつと、生地に重みがあってチョコレートがかかっているの。

  • 「恋に比べれば、友情はほんの少しだけ長持ちすることがある」

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著者プロフィール

1962年、東京生まれ。小説を執筆しつつ、「クラフト・エヴィング商會」名義による著作、装丁の仕事を続けている。2001年講談社出版文化賞・ブックデザイン賞受賞。『つむじ風食堂とぼく』『雲と鉛筆』 (いずれもちくまプリマー新書)、『つむじ風食堂の夜』(ちくま文庫)、『それからはスープのことばかり考えて暮らした』『レインコートを着た犬』『モナリザの背中』(中公文庫)など著書多数。

「2022年 『物語のあるところ 月舟町ダイアローグ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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