感染列島 パンデミック・イブ

著者 :
  • 小学館
2.73
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本棚登録 : 159
感想 : 31
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093862356

作品紹介・あらすじ

約10年前にその脅威が確認されたH5N1鳥インフルエンザ-かつてない強毒性のウイルスが変異を遂げて人を宿主としたとき、人々は多臓器不全を起こして死に至る恐怖のパンデミック(地球規模の爆発的感染)に襲われる!映画「感染列島」につながる第一のパニックは、決して近未来のフィクションではない。まもなく起こる現実だ。

感想・レビュー・書評

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  • 図書館でタイトルと作者の名前が目をひいて、なんとなく手に取りました。学生の頃、推理小説でお世話になった作家でした。

    ウィルスを主題にしたパニック小説はいくつもありますが、この小説はウィルスの出自がちょっと変わっている。正直そこにこだわらなくてもなーという感じです。危機に対して、人がどのように立ち向かうのか、というところが面白いのですから。異常に意識が高い医者がでてきたりと、すこし興ざめです。

    また、新型コロナを経た我々は、あまりに知識がつきすぎていて、いろいろな細かいところで違和感を感じてしまって没入できないのもマイナス点。作者のせいにするのは可愛そうだけど。

    ムンクの叫びの絵がいくつも存在するという豆知識を得られたというのが一番の収穫かな。

  • 73かなり前の12年前に書かれた作品。感染症との戦いは収束どころか拡大しつつあり天変地異も連続して発生する今、絶望感だけのお話より少しでも立ち向かう小説を読みたいという気持ちに沿ったお話でした。

  • 2018.1.30

  • 読了日2009/11
    かなり残念。
    読んでて、医学書か教科書を読んでるような感じ。
    小説とは程遠い・・・
    医学や美術の専門的なことはかなり詳しく書いてあるのに、肝心のストーリーがかなり雑で、何のために登場したのか意味不明の登場人物がいたり、何のために死んじゃったのかわからない人がいたり・・・
    後半の、最初にどうして小説家が感染したのかという山場の部分も、かなりお粗末・・・付け足したような理由づけで、メインは専門知識?
    知識のほうに力を入れ過ぎた???って感じの本デシタ。
    う~ん残念。

    でも、新型インフルエンザの脅威はとっても理解できました!
    今年は、新型どころか季節性のインフル予防接種も乗り遅れて出来なかった我が家・・・
    無事、冬をこせますように。。。

  • 未知のウィルスが日本を襲うというパニックサスペンス。
    ウィルスの潜んでいた場所に意外性があったが、ラストに向けての展開が急ぎすぎな印象だった。

  • もう少しパニックものかと思っていたけど、少し違った。
    サクサクは読めたけど、小説の方向性が決まらないまま書き出したんではないかと思える内容。
    もったいない。

  • 細菌のアイデアはいいが、個々の人物の関連が非常に弱い。心の動きの掘り下げも少なく引き込まれることは無かった。冒頭のシーンの活用もすくなく、恐怖もあまり感じなかった。また人物の心情描写も表面的な感じが強かった。

  • 話の中心的人物の水村理沙と神埼の印象が全体的に薄かった感じがするが、後半から話が大きく展開し、最後まで一気に読めた。
    内之倉洋次郎・創太郎兄弟の個性とエピソードが強く印象に残った。

  • 2008年の作品

     絵画からのウィルスって考えられないうえに、遺伝子を選んで感染っちゅうのは素人的にもハズレてる気がする。あまりに、滑稽。

     だから、テーマとしてはおもしろくない。しかしながら、あちこちの場面と人物を使って進めるストーリーなんかは、なかなかに読み応えがある。冒頭の炭化死体の謎はけっこうあとまで引っ張るし、主要人物の連続死も後半一気に進む。ただ、畳み込むって感じではなく、なんか手抜き感が漂うのが残念だ。

     イチオシではないが、新しい感じのパンデミックノベルかな。つぎに期待!

  • 新型鳥インフルエンザが流行しはじめた日本に
    一部の人にだけ感染をおこす恐ろしいウイルスがしのびこんできた。

    出版社で美術関係の書籍の編集を手掛ける水村里沙は、ひょんなことから、若手作家の神埼慧一の書いている小説『モナリザの涙』の主人公のモデルとなった。
    『モナリザの涙』は絵画のモナリザに新型のウイルスが潜んでいて、やがて世界中にその感染症が広がっていくというパニック小説だった。
    実は神埼慧一は政界の大物人物の隠し子であった。自分を見捨てた実父に対して深い恨みをもっていた神埼慧一はあるたくらみを企てるが、それを実行する前に自分が本当に感染症にかかってしまう。その感染症にかかると、まず目から涙のように出血がはじまり、身体中の粘膜から出血して、短時間で死に至ってしまうのだ。助かるすべはない悪魔のような病気。しかも悪魔のウイルスを採り入れる遺伝子構造のDNAをもった人だけが感染するというのだ。

    絵画がネタの恐怖小説だった。
    モナリザが神埼慧一の作品で使われているが、
    実際におこった感染源は、ムンクの「叫び」だった。
    絵画にこのようなウイルスが忍びこむチャンスがあるとは・・・
    先日原田マハさんの作品で、芸術作品を読んで楽しい気分を味わったが、この作品では、芸術作品が病気の感染源となっていた。
    芸術作品もいろいろな使用例があるなあと、感心した。

    この作品中での病気は、一部の人のみの感染にとどまっていたが、
    やがてウイルスは進化して、おそるべき感染力を持つことになるのかもしれない。
    そう、決して近未来のフィクションではない。
    まもなく本当に起こるだろうという恐怖感を体験した。

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著者プロフィール

東京生まれ。一橋大学卒業後、ニッポン放送ディレクター、編成プロデューサー、 扶桑社書籍編集長を経て1990年より専業作家。
1986年扶桑社在籍中に執筆した『Kの悲劇』でデビュー。2009年10月発売の『蛍坂』が200冊目の著作。
2011年9月ライフワークの『魔界百物語』がスタート。100本の書き下ろしミステリーに挑む。

「2012年 『幻影城の奇術師』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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