ヒルクライマー

著者 :
  • 小学館
3.44
  • (16)
  • (45)
  • (50)
  • (4)
  • (9)
本棚登録 : 282
感想 : 54
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093862479

作品紹介・あらすじ

自転車で峠に登る…容赦のない疲労困憊…いったい何が楽しいのか?死ぬほど苦しくてもペダルを漕ぐのを止めない。その面白さに取り憑かれた人々は、自らを「坂バカ」と称する。彼らはプロのレーサーでも何でもない。メタボに悩む中年サラリーマンなど、ごく普通の人々だ。そして本書著者もまた、坂バカの一人。長い坂を登りつめた果てに何があるのか?その答えがここにある。本書はスポーツ冒険娯楽小説"日本初の本格ヒルクライムレース小説"であると同時に、愛すべき坂バカたちそれぞれの人生の疲れと傷みが、歓喜に満ち溢れて癒されていく魂と肉体の再生の物語でもある。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 弱虫ペダルを読んでからこれを読んだら、なんとなく、自転車のイメージが脳内に流れて、躍動感を感じながら読めた。

  •  自転車ロードバイクでのレース、それもヒルクライムを題材にした小説。最近になってロードバイクを始めたけど、実はやってみると才能があることがわかって、めきめきと実力を発揮していくという設定は、最近みた映画「弱虫ペダル」に似ている気がする。内容はとにかく自転車のトレーニングトレース、描写はなかなかリアルで臨場感がある。実際に一緒に自転車に乗っているような感じ、後になってこの作者が、昔中学生か高校生の頃によく読んでいたSF小説の作者だと知ってびっくりしたし、ならばこの躍動感のある描写にもちょっとうなずける気がした。自転車が好きな人には非常に面白い小説だと思うのだが、ただ東京近辺の地元の人ならば、あああそこかと思い描いて楽しめる描写が、関東から遠く離れたところで読む読者にとってはよくわからなくて、そこはすこし寂しい気がした。

  • いやあ、高千穂遙氏すげぇ。10年前に初版が出たこの「ヒルクライマー」、ど直球でヒルクライムのレースに取り組んでて、しっかり物語に鳴ってる。今読んでもまったく色褪せてないこの時間耐久力すごすぎる。都内、都下、神奈川のローディーなら、練習コースの勉強にもなる(てか、大垂水からヤビツ登って奥多摩行くって!)。これはローディーさんなら読んで損なし。坂が少しでも好きなら更に得することでしょう。

  • 自転車競技の面白さが伝わってきてワクワク、一気に読めた。チーム戦ではなく個人戦だったが、自転車に乗ることは生きることという思いは、自転車競技者ではない私にも共感できるところがあった。続編でないかなあ!

  • 登場人物が多く、皆にそれなりのエピソードを盛り込む為に逆に誰にも感情移入がし難い
    1冊で終わらせるなら大作か礼二のみの視点で書いた方が良かった気がする

  • 中学時代、夢中になったクラッシャージョーの作者。自転車に乗るようになって、オッさんデビューちゃりダーの先駆者として再発見。でもって、自転車、しかもヒルクライムで書いてる事に驚き、早速読んでの感想は、自転車乗り中年は大作の暮らしに憧れ、礼二の若さを懐かしむってとこで満足出来るでしょう。残念ながら自転車に馴染みが無い人は、スペースオペラ以上に無理でしょう。

  • しばらく映画ばっかり見てたので読書から遠ざかっていました。
    久々に読んだ本、
    面白かったです。
    私は自転車に詳しくないので細かい部分はわかりませんが、無性に坂を登りたくなりました。

    自転車好きじゃなくてもそれなりに王道のストーリーなので楽しめると思います。

    まぁ、ストレートな展開です。

  • 自分に重ねて読んだ。いくつか共通点があり身に詰まるような展開も(笑)
    ロードバイクに乗らない人には分からない苦しい楽しさは共感できる。

  • 高千穂遥といえば「クラッシャージョウ」や「ダーティーペア」などの数々のヒット作を手がけた作家ですが、まさか自転車の作品を描いているとは思えませんでした。
    どうやら、40代でメタボになり、その体質改善のために自転車を始め、それが高じてヒルクライム(坂上り)にはまった実体験をベースにフィクション小説を書いたのがこの本のようです。
    どうりで、かなり自転車の専門用語がポンポンと出てくると思いました。
    作品は私の好きな近藤史恵の「サクリファイス」シリーズを彷彿とさせますが、病死した親友に自転車を託された主人公が、いろいろな人と出会い、サポートされながらヒルクライムの世界にどっぷりはまっていき、最後にはトップヒルクライマーに成長する過程を描いている話です。
    登場人物がいろいろな経歴だが皆、ヒルクライムに熱い想いを持っているのが面白いのと、作者のヒルクライムへの思い入れを深く感じる話ですね。
    作者を投影したような登場人物も出てきて、自転車に対する作者の熱い想いが話しに臨場感を与え、ぐいぐい話しに惹きこまれますね!

  • ある青年が自転車に乗り始めて、ヒルクライマーとして大きくなっていく姿を中心に、でもそこには必ず自転車という無機質で無慈悲な相棒がいる、自転車乗りでなければわからない世界が広がってます。
    読み物としては良くも悪くも起伏が無いというか、ベーシックな流れだったと思う。自転車の話も知っていないとちょっとイメージできない内容が多かった気がする。でも、自転車知ってる人、乗っている人なら共感できる部分が多いんじゃないだろうか?
    坂を上る感覚、足が悲鳴を上げる、喉の奥が熱くなる、それでも歯を食いしばってペダルを踏む・・・。
    息遣いもそうだけど、走っている最中のもどかしい気持ちがよく伝わってきました。
    読み終わって自転車に乗りたくなる本です。

全54件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1951年、愛知県名古屋市生まれ。大学在学中から、アニメ、SFの企画に関わる。77年、日本初の本格的スペース・オペラ『クラッシャージョウ 連帯惑星ピザンの危機』で小説家デビュー。以後SF、格闘技、自転車など様々な分野でベストセラーを送り出している。代表作に『クラッシャージョウ』シリーズ、『ダーティペア』シリーズ、『神拳 李酔竜』シリーズ、『暗黒拳聖伝』シリーズ、『じてんしゃ日記』シリーズ(一本木蛮と共著)、『ヒルクライマー』など。07年から09年まで日本SF作家クラブ会長を務める。テニス、スキー、バイク、自転車など多彩な趣味でも知られる。40代で体重増加に伴う生活習慣病の症状に悩まされるが、齢50にして一念発起、ロードバイクに熱中する。その後、わずか2年で24キロもの減量に成功、体質改善にも成功した。その過程は『自転車で痩せた人』『ヒルクライマー宣言』などの著書に詳しい。今も週に200キロを越える距離を走り、レースに参戦する現役ヒルクライマーである。現在の愛車はスペシャライズドSワークス ルーべSL3 Di2仕様。

高千穂遙の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×