- Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093862585
作品紹介・あらすじ
一五五六年。戦国の大名がいまだ未成熟の時代。勢力図を拡大し続ける戸沢家、児玉家の両雄は、もはや開戦を避けられない状態にあった。後に両陣営の命運を握ることになるその少年・小太郎のことなど、知る由もなかった-。
感想・レビュー・書評
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「人並みになるとは、人並みの喜びだけではない、悲しみも苦しみも全て引き受けるということだ。」
良い作品だった。戦国に生きる男たちのそれぞれの正義がぶつかり合う。爽快さだけでなく、悲しさも漂う話だった。和田竜の他の作品はまだ読んだことはない。「のぼうの城」も読んでみようかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こういう天才的な才能を持った人に私もなりたい。でも、心が純粋ではないからなぁ。
反省。。。 -
いい。「のぼうの城」でも思ったが戦国時代の武士は、いい。男が男として単純に男に惚れる。
ところで小太郎が左構えの種子島を手にとるシーン、痺れた。僕も左利きなので随分右利き用の道具で手こずった経験があるけど、ふいに左利き用の道具に巡り合ったときの喜び、わかるわー。 -
「のぼうの城」の和田竜氏の作品。和田氏の作品は三冊読んだが、人生観≒死生観があるからこそ主人公は輝いているんでしょうね。今は、死が遠い分、みなぶれた生き方をしてしまうんだろうな、と感じました。自分自身がいちばんそうなのですが。
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こういう、名もなき、歴史上に居たかもという人物の物語に惹かれます。
小太郎の天才的射的にしびれました。 -
良い
史実も何も関係ない
創作物語だ
時代設定が戦国時代なのは著者が得意とするからなのか、単に好きなのか程度の理由だろう
雑賀衆の神の子が主人公
鉄砲撃ちの神技がこの子どもの想いを込めて炸裂する
物語には領地争いの戦も、伊賀忍者も登場して華を添えてくれている
描いているのは男らしい生き様と言える
父親が息子に伝えるものであったりする
子どもらしい優しさはかけがえのない美しさでもあり、悲しみも受け止めて人並みに強く生きることも子どもが人として成長する中で求めるものである
現実の世界はこうした小説の物語を凌ぐもので、例えば大谷翔平の国際的な活躍などは今回の主人公の神技を凌ぐだろう
なかなか小説を凌ぐことができないのは周りの大人達の男らしさなのかもしれない
現実では卑劣さや狡さやだらしなさばかりが目についてしまい、それを打ち破るきっかけを求めながら気持ちばかりもがいている人も多いだろう
そんな気持ちの整理を少しは助けてくれる物語になっていると思う -
和田竜の第3作。前2作ともサクサクと読み進めていけたが、今回も読みやすく、中身にも引き込まれた。
前2作の対して、多勢に対する少数の戦いという部分は一緒だが、逆転の肝となる人物がメインに置かず、使う側に視点を置くことで、これまでとは異なる雰囲気を出している。
過去2作も多勢を打ち負かす痛快さを持ちつつ、悲哀をかもし出していたが、今回はそれが更に前面に出て、痛快さは少ない。その分、それぞれの感情の動きをはっきり書いている部分があり、この点でもこれまでと違うよさがあった。 -
「のぼうの城」「村上海賊の娘」の作者 和田竜の時代小説。それだけで期待が高まります。
舞台は戦国時代。勢力争いをする戸沢家と児玉家の名将 林半右衛門と花房喜兵衛。
戸沢家の跡継ぎである図書の失策により、半右衛門は次々と窮地に追い込まれる。
絶体絶命の危機を救ったのは、阿呆と呼ばれていた11歳の少年 小太郎。
小太郎の左腕が持つ凄まじい能力、半右衛門と喜兵衛の名将ぶり、図書とその妻との秘密、喜兵衛が使う忍びとの戦いなど見どころ満載です。
村上海賊より先にこの本が映画化されるかもしれないなー。と思わせるほど各シーンが眼に浮かぶ本でした。 -
読みやすく、冒頭からすぐに物語の世界に入ることができた。やはりこの人の時代物は面白いね。
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半右衛門がかっこいいんだな~。
和田氏作品、今回も人物が立ってます。
胸をすくようなシーン続出です。
・・・小太郎が悲しいのです。