神様のカルテ

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 8694
レビュー : 1596
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093862592

感想・レビュー・書評

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  • 病院が舞台の本は苦手なのだが、これはスラスラ読めたし、気持ち良く読めた。

    読み終わったあとに心が温かくなるお話。

    田舎の小さな病院に勤める一止がいろんな患者さんに寄り添ってあげて〜といったような話。
    一止の古風な喋り方や、奥さんのハルの無邪気な性格、一止を取り囲む友人など登場人物みんなが可愛らしく愛される要素を持っていてほんわかする作品。

    一止と発する言葉がとても素敵でぐっと来た。

    前に前に、高く高く進むことも大事かもしれないけど、今いる場所で努力することも大事なことだと気づかせてくれる本

  • キーワードは、地方の医療崩壊・クオリティオブライフ

    ですけど、重苦しい雰囲気はそんなにありません。

    学童期に夏目漱石の草枕を愛読し、全文ことごとく暗唱するほど反読している内科医・栗原一止の主観で語られるお話なのだが、所々古風な言い回しが散見されつつも、リズム感と茶目っ気のある文章で飽きさせません。
    バッハをポップスアレンジで聴いている感じ。

    医療にまじめに取り組む一止をはじめとして、登場人物がみんな一癖ありつつも、思いやりの心を忘れず、まじめに生きていて魅力的です。まじめな人々の言葉だから、心に響く。納得する。

    苦しい現実にも、腐らず向き合っていきたい、そう思わせる作品。

  • 夏目漱石を敬愛する主人公 一止、しゃべり方はまさに漱石風。
    妻 榛名との会話のやりとりは、ほんわかしていて、なんか春風
    のように心地よい気持ちにさせられた。

    同じ御嶽荘に住む学士殿が地元に帰る際に、一止が伝えた言葉
    は、学士殿にとってかけがえのない言葉になり、読んでいて
    なんだか熱くさせられた。

    がん患者 安曇さんとも患者というよりは、一人の人間として
    接する一止の行動は、安曇さんとの信頼関係を築いた。そして
    死の恐怖を感じさせず、幸せいっぱいで死を迎えることができる
    ストーリーにはまさに感動。

    感動あり、ちょっぴり笑いあり、そして癒し系。
    全体的に心温まるストーリーであった。

  • 草枕に影響を受けたという一止の語り口が、私好みでした。
    文庫化、そして映画化ということで、帯にも写真がついていたから、余計に立体的に場面を想像しながら読みました。翔くん、あおいちゃんが一止でありハルでした、完全に。


    学士殿の門出の場面で描かれている桜の絵の描写が素敵すぎて、その表現が、鮮やか過ぎて、大分お気に入り。身震いしました。

    それにしても、色の名前ってほんとに趣がありますなあ。


    安曇さんのくだりは泣きました。ポロポロ涙が落ちてきて寂しいし悲しいけど温かい気持ちになった。

    本は、自分で体験していないことを、読むことで体験できるっていうけど、その通りで、私は安曇さんの死をもって感情が大きく揺れる体験をしました。凄いことだなぁ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「読むことで体験できる」
      それだけ世界に入り込むコトが出来たんだ、良かったですね。
      この話は、私も結構好きです(残念なコトに映画は観逃しまし...
      「読むことで体験できる」
      それだけ世界に入り込むコトが出来たんだ、良かったですね。
      この話は、私も結構好きです(残念なコトに映画は観逃しました)、そんな訳で早く2・3が文庫化されると嬉しいナ。。。
      2012/09/18
  • ありがちなお涙頂戴の類かなと思っていたのですが、
    妙にシュールな場面が多く、思わず笑ってしまう場面が多かったです。
    第1話はこれといった見せ場もなく、淡々と進んでいきます。
    第2話からはぐっと魅せる場面が多かったです。
    やはり安曇さんのところでは泣けました。

    ただ、愛しき細君のクセのある口調がどうしても受け入れられませんでした・・・
    (主人公の漱石調は全然気にならなかったのですが)

  • 【再読】続編を読んだら振り返りたくなる症候群。こうやって読むと、みんな若い。
    病院の存在や、医療に従事される方の凄さがしみてくる。
    2019/5/21読了 2019年の31冊目

  •  かなり以前に話題になっていたのに、まだ読んでなかったので、手に取りました。
     栗原一止は、地方都市の一般病院としては、相当大きい本庄病院に勤務する5年目の内科医。
     とにかく、毎日食事や睡眠が出来ないくらい忙しい毎日を送っている。
     それでも、暖かい患者さん達の笑顔や看護婦さん達とのやり取りに励まされながら、頑張っている。
     大学病院から、もっと高度な医療を学ばないか?とのお誘いが来ても、やっぱり忙しすぎるこの病院が好きな一止。
     そしてなにより、最愛の細君のハルさんの笑顔が素敵。
    その笑顔を見るだけで、元気になるのは納得。
     そんな素敵な笑顔が出来る自分になれたらいいなo(^∀^*)oと憧れます。
     この本の中で、PTCD(経皮経肝胆管ドレナージ)が出てきて、先日黄疸になった父のした手術だったので、びっくりしました(゚ノ∀`゚)゚。
    内視鏡手術で、膵臓が邪魔をしてやりにくい手術だという事で、しっかり成功して下さった先生に感謝しました。

  • 一止の前向きな性格、患者や周りの人に対する心遣いは心地よく感じられたけど、
    言葉づかいだけがどうも気になって仕方がなかったです。
    重い医療問題を散りばめながらも軽いタッチで読みやすく、
    読書が苦手な人にも多く読んでもらえ、医療問題を知ってもらうには良かったんじゃないかな。
    読後はじんわりと心が温かくなりました。

    【栗原一止(いちと)は信州にある「24時間、365対応」の病院で働く、29歳の内科医である。ここでは常に医師が不足している。専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を3日取れないことも日常茶飯事だ。妻・ハルに献身的に支えられ、経験豊富な看護師と、変わり者だが優秀な外科医の友人と助け合いながら、日々の診療をなんとかこなしている。
     そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。最先端の医療を学ぶこともできる。だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。悩む一止の背中を押してくれたのは、死を目前に控えた高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった】

  • 2011.2

  •  美しい物語だ。厳しい地域医療の現実を書きながらも、主人公の古めかしい口調など、どことなくゆるやかで穏やかな空気感を醸し出している。
     なによりも美しいのは、主人公が患者に対して誠実である事、それが感じられるので涙腺を刺激されてしまう。
     ほどよくユーモアが織り交ぜられた文章も読みやすく、登場人物も個性豊かでいい読後感。

著者プロフィール

夏川草介(なつかわ そうすけ)
1978年、大阪府生まれの医師・小説家。信州大学医学部卒業後、医師として勤務。そのかたわら2009年に『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同作は第7回本屋大賞2位となり、2011年、2014年に深川栄洋監督、櫻井翔主演で映画化される代表作となった。

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