- 本 ・本 (384ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093862844
作品紹介・あらすじ
もっと我慢せず、自分のために生きればいい。
君川小麦は、26歳のパティシエール。東京での修行を終え、ケーキショップを開くため故郷の北伊豆に帰ってきた。小麦の兄・代二郎と義理の姉・道恵の間には、叶夢(かなむ)という6歳の息子がいる。叶夢には、レイモンドという天使の友達がいるらしい。ケーキショップ開店のため小麦が見つけた店舗物件に対し、叶夢は「ここ、はやらないよ」「レイモンドがそう言ってる」と口にし、小麦、代二郎夫妻を戸惑わせる。しかし、結果は叶夢の言うとおりに…。さらに、帰京した小麦には家族にも明かせない秘密があった。君川家の人々は様々な困難を乗り越えながら、ケーキショップの再起を目指す。
【編集担当からのおすすめ情報】
大ヒット作『犯人に告ぐ』『クローズド・ノート』に続く
新たな代表作誕生!どうしても泣けてしまう、
光あふれる家族小説。
感想・レビュー・書評
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雫井脩介さんは
『火の粉』『望み』に続き3作目
『つばさものがたり』
今回は既読の2作と全く趣の違った作品だった。
【あらすじ】
亡き父との約束を果たすべく、パティシエを目指す26歳の小麦。だが夢を追いかける道半ばにして乳癌が見つかり、転移、再発と病魔が襲う。
一方、小麦の兄である代二郎の息子 叶夢は一風変わった子供で、彼にはレイという名の天使が見えるというのだが・・・
【感想】
雫井脩介さんは社会派ミステリーのイメージだったので、のっけから天使登場というまさかのファンタジー要素に驚愕・・・
きっとこれも重要な伏線なんだろうと展開を期待して読み進めたが、案外シンプルに纏まったお涙ホロリの感動小説だった。
あれ?とっても温かいお話なんだけど、
求めている感じと何かが違う。
雫井脩介さんの既読作品に比べインパクトが弱めで、なんだか物足りなさを感じる作品だった。
例えば、レイの存在が唯一見える叶夢くんだが、彼自身の心の内側が隠されたままで、あまり精神的な成長も感じられない。父代二郎が感じる目に見える成長ではなく、叶夢くん目線での展開や描写が欲しかった。それを期待し過ぎたからか、何度も出てくる叶夢くんとレイとのやり取りには、中弛み感を覚えた。
また、小麦が病状をひた隠しに孤軍奮闘する姿が見ていて痛々しく、独りよがりにも感じてしまった。家族に隠し通せる筈がないのに病状を打ち明けずにいることが、自分を追い込み、その結果が大切な家族にも辛い思いをさせるとは思い至らなかったのだろうか。
同情は出来るが、共感が難しかった。
余談だが、ラストは出来れば再出発した店舗に新たに迎えられたメンバーが活躍している姿で終えて欲しかった。レイが迎えに来たのは予想通り過ぎて、やはり物足りなさを感じた。
本作は雫井脩介さんの初読みには、素直に感動する心温かい作品だと思う。ただ、他作品とのテイストが違い過ぎて、期待値をあげ過ぎたからか、私にはやや消化不良だった。
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パティシエールの小麦は、母と一緒に自身のケーキ屋さんを開くという夢を叶えるため東京で頑張ってきたが、癌に冒されさらに再発の宣告を受けたことで、「このままでは終われない」と一念発起し、故郷でケーキ屋をオープンさせることになる…。経営はうまくいかずまた病魔も確実に小麦の身体を蝕んでいく…また甥の叶夢は、天使になるために頑張っているレイが見えると言いだし…。
ひたむきに頑張る小麦の姿とそれを支える家族や従業員の様子に心打たれました。また天使になりたいと頑張っているとレイのことを話す叶夢…そんなことはないと打ち消さずに一緒に応援するようになる家族の姿にも、あったかい気持ちにさせられました。ラストはなんとも切ない気持ちになりましたが、すごくキレイな情景を思い描くことができました。読めてよかった作品です。-
チーニャさん、こちらにコメントまで
ありがとうございます(^^)
チーニャさんが途中読むのが
つらくなってしまった気持ちも分かりま...チーニャさん、こちらにコメントまで
ありがとうございます(^^)
チーニャさんが途中読むのが
つらくなってしまった気持ちも分かります。
私の父も癌で他界しているから…もうかなり前だし
だから、時間が経つとさみしさも癒やされます…。
それにそう、父もこうして天国に旅立ったのかな…
今はそんな風にも思えるんですよ。
あぁ…しんみりしちゃいましたね(汗)
チーニャさんも辛くとも、時間が悲しみを癒やしてくれます。
だから、元気を出していきましょうね!
いろんな本を読んで気分転換しながら、
時々コメントを通してこれからもお話ししましょうね(^^)2023/01/08 -
かなさん、ありがとうございます。
かなさんも…そうだったんですね。
辛いことコメントさせてしまいましたね、ごめんなさい。
わかりました。ま...かなさん、ありがとうございます。
かなさんも…そうだったんですね。
辛いことコメントさせてしまいましたね、ごめんなさい。
わかりました。また…どうぞよろしくお願いします!!
「人生は、ニャンとかなる!!」も読みましたよ。元気が出ました。
ありがとうございます~(^ー^)2023/01/08 -
チーニャさん、かえってごめんなさいね…
本当にもう何年も前のことだから…
そんなにお返事するのも辛くないんですよ!
だからこそ、時間が...チーニャさん、かえってごめんなさいね…
本当にもう何年も前のことだから…
そんなにお返事するのも辛くないんですよ!
だからこそ、時間が必ずチーニャさんを癒やしてくれるはず、
そう思ったらつい話してしまいましたが、
だから気になさらずに、ね(^^)
チーニャさん、「人生は、ニャンとかある!!」読まれたんですね!!
嬉しいなぁ~また、伺いますっ(^^)
2023/01/08
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これまで読んだことのない世界観のお話でした。
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大切な人を失う事は、
哀しみ以外の何でもない
と、信じていた頃は
『フランダースの犬』の主人公ネロは
(かわいそう…)な子でしか無かった。
あの時、流した涙は
単純に不幸な死に対する抗議の様なものであった、と思う。
『つばさものがたり』の主人公小麦ちゃんは若くして不治の病に侵されてしまった。
パティシエとして懸命に働く彼女ではあったが、その命は風前の灯。息も絶え絶えで体は限界なはずなのに、何故か眩しいほどの強い光を放っている。
彼女が放つ柔らかい光は、
どこまでもどこまでも拡散してゆき、彼女を見守る人だけじゃなく、異世界のもの、果ては私が手にしているこの本までも、を包み込み、
私は何故か
ネロが死の間際に見たルーベンスの絵を照らした光の本当の正体を見た様な気がした。
あの光は、
死に打ち勝つ光。
いや、勝ち負けじゃないか。
読後感じたこの満ち足りた気持は、勝利して得た満足感とは、全く違うものだったから。 -
よかったです。すごく良かった。
病に侵されながらも、最後までパティシエとして限界まで働く小麦ちゃん。
小麦ちゃんのお話もよかったけど、それよりも私は天使を見ることができる叶夢くんと、天使と妖精のハーフである「レイ」とのお話が好き。
天使が見える叶夢くん、父、代二郎はなかなか受け入れられなかったけど、「レイ」のエンジェルテストのコーチをすることで、叶夢との絆を深めていく。
エンジェルテストのとき、叶夢にしか「レイ」は見れないのだけど、代二郎、小麦が必死になって応援してるのがよかった。
最後、「レイ」が小麦ちゃんを迎えに来た時、涙がとまらなかった。
叶夢くん、純粋で心のきれいな優しい子。
この本を読んで、叶夢くんに私の心まできれいにしてもらった、そんな気分にさせてくれる素敵な本でした。-
noboさ~ん!うれしいです、noboさんもこの本を好きになってくれて♪
絵に描いたようなハッピーエンドじゃないし
天使が出てきても、小麦...noboさ~ん!うれしいです、noboさんもこの本を好きになってくれて♪
絵に描いたようなハッピーエンドじゃないし
天使が出てきても、小麦の病気が治るというような劇的な奇跡は起こらないけれど
奇跡なんか起こせないレイが、小さな翼で懸命に飛ぶ練習をしたり
それを叶夢が大人たちまで巻き込んで必死に応援したり
そういうエピソードがとても素敵で、大好きでした!
毒舌天使なのに、ちゃんと小麦との約束を守って
最後の瞬間に間に合わせて小麦を迎えにきたレイに、私も泣かされました。
同じ時期に、同じ本を、素敵と言ってくださって、
ほんとに感激です!ありがとうございます(*'-')フフ♪2012/10/02 -
まろんさんのお勧めもあったし、わくわくしながら時間も忘れて読みふけってました。おかげで寝不足になりましたが・・(笑)
でも眠たさを感じさせな...まろんさんのお勧めもあったし、わくわくしながら時間も忘れて読みふけってました。おかげで寝不足になりましたが・・(笑)
でも眠たさを感じさせないくらい素敵な本でした。
私も、自分が「レイ」を見れてるような幸せな気分をあじわえました。
ほんとに、同じ時期に、同じ本に感動できるっていいですね♪2012/10/02 -
2012/10/27
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闘病生活を送りながら夢を実現させたパティシエール話。
前半は苦しい事ばかりあり、人生そうそう上手い事進まない感じであった。後半は死へ向かいつつも夢を実現させる姿が描かれていた。最後は感度した。 -
浮世離れしていると言われようと、いい歳して甘すぎると言われようと
好きにならずにいられない、この物語。
古書店で買った本の中に挟まっていた栞に印刷された
書籍広告をきっかけに手に取った本なのですが、
栞をはさんだまま売りに出してくれた誰かに「ありがとう!!」と最敬礼したいほど♪
天使が見えるだけではなく、会話までできてしまうはにかみ屋の少年、叶夢(かなむ)。
人間のおいしいオーラを食べるくせに、叶夢以外の人間には毒舌をふるい
りっぱな天使になるために飛ぶ練習に余念のない、天使と妖精のハーフのレイ。
「オーラがくさい」とこきおろされながらも、自分の目には見えないレイに
小さな翼で遠くまで飛ぶための練習メニューを準備し、コーチする代二郎。
軒先で天使が羽を休めるパティスリー。
ヒロイン小麦が病をおして完成させる、ホワイトチョコレートの翼に
サイコロ状のシフォンケーキが詰められた、ファボリ・ダンジュ(天使のお気に入り)
森の中の野原で行われる、レイの「エンジェルテスト」につきあい
叶夢の実況中継を聞きながら、見えないレイを声を枯らして応援する大人たち。
「ファンタジーなんて」と見下す人にはけっして読んでほしくないし
ただの「泣ける話」と一括りにしてほしくない、
私の好きなものがいっぱい詰まった、
小麦の作るファボリ・ダンジュのような物語です。-
「クローズノート」を読んで、雫井さんが気になり、今までサスペンスしかないのかな??と思ってた自分が恥ずかしい・・・で、ふと古本屋で「つばさも...「クローズノート」を読んで、雫井さんが気になり、今までサスペンスしかないのかな??と思ってた自分が恥ずかしい・・・で、ふと古本屋で「つばさものがたり」の表紙が目にとまり買わずにいられずに即購入。
次の出番を待っていたところで、まろんさんのレビュー!!早速読みますね。
同時期にまろんさんと同じ本を手にしていたなんてうれしいな♪2012/09/28 -
おお!noboさんも今、この本が手元にあるだなんて、またまたうれしい奇跡です♪
レビューにもちょこっと書きましたが、この本とめぐり合わせてく...おお!noboさんも今、この本が手元にあるだなんて、またまたうれしい奇跡です♪
レビューにもちょこっと書きましたが、この本とめぐり合わせてくれたのは
古書店で105円で買った『ちょんまげぷりん2』にはさまっていた、小学館の栞だったのです。
この『つばさものがたり』、ヒロインは小麦で、もちろん小麦の物語も胸打たれるのだけれど
小麦の甥の叶夢と、天使をめざすレイのエピソードが、信じられないくらい私好みだったので
noboさんも気に入ってくださるといいなぁ♪
レビュー楽しみにしていますね(*'-')フフ♪2012/09/29
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登場人物がみんな優しさ溢れる人達で、悲しい状況でありながらも、心が温かくなった。
ただ、小麦が最初のお店を家族に詳しく相談もせずに始めたあたりが、どうにもしっくりこなくて、感情移入しづらかった。
著者プロフィール
雫井脩介の作品






良かったですよね〜\(^o^)/
地区センターで本が借りられたりするのとか、電子書籍とか…
いろいろ…………...
良かったですよね〜\(^o^)/
地区センターで本が借りられたりするのとか、電子書籍とか…
いろいろ……………w
こちらの地区には地区センターなど無くて…(๑•́ ₃ •̀๑)
田舎なので仕方ない…(笑)
なおなおさん、ヒボさん羨ましい、イーナ〜☆
機会があれば、
いつか、きっと、そのうちに...です(笑)
読んで損はさせない作品だと思いますよ~
機会があれば、
いつか、きっと、そのうちに...です(笑)
読んで損はさせない作品だと思いますよ~
単身赴任で一時的に大都会にいる恩恵です^^;
そして何よりなおなおさんのアドバイスとかなさん、チーニャさんの...
単身赴任で一時的に大都会にいる恩恵です^^;
そして何よりなおなおさんのアドバイスとかなさん、チーニャさんのおかげで本書と出会えました☆
感謝(ㅅ´꒳` )