くちびるに歌を

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  • 小学館
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  • / ISBN・EAN: 9784093863179

作品紹介・あらすじ

拝啓、十五年後の私へ。中学合唱コンクールを目指す彼らの手紙には、誰にも話せない秘密が書かれていた-。読後、かつてない幸福感が訪れる切なくピュアな青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 乙一さん…中田永一さん…!!(笑)
    やっぱり 良かったー

    長崎県五島列島にある、中学合唱部の物語。
    家族の悩みや、思春期ならではの悩みをそれぞれが様々に抱えている中学生たちが、合唱を通して仲間や友だちと共に成長していく青春ストーリー。

    この本の表紙のように、
    澄みきった青い空やキラキラした海辺の五島の風景のなかで展開される物語は
    爽やかで甘酸っぱくちょっと切なく、あったかい!!

    印象的だったところの中のひとつ…。
    クラスの中で、自分の「ぼっち」具合をいろんな言葉でしかも淡々と表現している…桑原サトル。
    (ぼっち上級者の僕、ぼっち街道を爆走している僕……等々)その度に面白くてニヤッとさせられてしまった。

    「ぼっち」でありながらも彼は、一人で平気なのかな?それほど辛くないのかな~?心が強いタイプなのかな?などとどうしても私は気になりながら読んでいたのだが……
    合唱部の柏木先生から宿題として出されて書いた
    【15年後の自分に宛てた手紙】
    その彼の手紙を読んだとき、彼の胸のうちが、その訳などが、いろいろわかって…それは切なく私の心に残った。なるほどね…そんな風に考えていたんだね…と。

    読後すぐに、この作品の映画の中の合唱部分をYouTubeで見つけて観てみたら、小説の内容が浮かんで来て…やっぱり…涙が出てしまった~
    それは、女優のガッキーが、合唱部顧問の柏木先生役で、ビアノを弾いて、生徒達が合唱する場面!!
    『手紙~拝啓15の君へ~』
    ……
    今負けそうで 泣きそうで 消えてしまいそうな僕は
    誰の言葉を信じ 歩けばいいの?
    ひとつしかないこの胸が何度もばらばらに割れて
    苦しい中で
    今を生きている
    今を 生きている~ ♪……

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      えー、そーなんだ〰️!!
      気になる➰観てみよっかな今度。
      えー、そーなんだ〰️!!
      気になる➰観てみよっかな今度。
      2023/05/11
    • aoi-soraさん
      チーニャさん、こんばんは♪
      本当にキラキラと眩しくて、でもホロリと切なく温かい。
      青春ですね(⁠人⁠*⁠´⁠∀⁠`⁠)⁠。⁠*゚⁠+
      頭の中...
      チーニャさん、こんばんは♪
      本当にキラキラと眩しくて、でもホロリと切なく温かい。
      青春ですね(⁠人⁠*⁠´⁠∀⁠`⁠)⁠。⁠*゚⁠+
      頭の中でアンジェラ・アキがぐるぐるまわる……♪
      映画も観てみたいです!
      2023/05/11
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      aoiさ~ん、こんばんは(^^)
      そうなんです~(*´▽`*)
      同じですね~
      ラストが泣けるなんて知ってしまったら~☆彡
      映画も、気になりま...
      aoiさ~ん、こんばんは(^^)
      そうなんです~(*´▽`*)
      同じですね~
      ラストが泣けるなんて知ってしまったら~☆彡
      映画も、気になりますよね〰️!!

      アンジェラ・アキ…。
      今日はずっとぐるぐるまわっていて…。私は口ずさんでました~♪
      2023/05/11
  • 先日「百瀬〜」の代表作を読み、とても良かった。
    そこで、「メアリー〜」もおススメ頂き、本屋さん探したんですけど、、売ってなく(◞‸◟)
    朝日新聞社?朝日文庫?の棚が、すごい少なくて。これまた大型書店に足を踏み入れてしまうパターンか(((o(*゚▽゚*)o)))

    というわけで、コチラの作品もよく見るので読んでみましたー!
    学生時代に戻りたくなりますね。
    登場人物が複数いるけど、生い立ちや背景がしっかりしており、読みやすい!

    合宿部のお話。
    懐かしいなあー、
    翼をくださいとか
    大地讃頌とか
    合宿コンクール、クラス毎にあったけど、カリブのなんとかとか歌ったー

    15年後に向けた手紙の内容も泣けるー
    夜空の下での、おんぶする?のシーンなんなのー!!!普段控えめなのにー╰(*´︶`*)╯♡


    みんなの未来を応援したくなる本でした。
    あの頃に戻りたい〜〜でももう勉強は勘弁。笑

    レビューではなく、ただの自分の感情メモになってしまいました、すみません。。。

    • 土瓶さん
      なんなんさん、こんばんは~^^
      「メアリー・スーを殺して」は、本屋さんよりもブックオフか図書館のほうが容易に見つかるかもです。時間が経って...
      なんなんさん、こんばんは~^^
      「メアリー・スーを殺して」は、本屋さんよりもブックオフか図書館のほうが容易に見つかるかもです。時間が経っているので。
      中田永一名義の作品は私も「百瀬、こっちを向いて」と「くちびるに歌を」しか読んでませんが、比較的に青春物が多いのかな。
      2023/04/18
    • なんなんさん
      土瓶さん、こんばんは!
      メアリー、めっちゃ探したんです笑 ブックオフ近くにないので、どうにか手に入れます⭐︎
      普段ダークなミステリー読んでる...
      土瓶さん、こんばんは!
      メアリー、めっちゃ探したんです笑 ブックオフ近くにないので、どうにか手に入れます⭐︎
      普段ダークなミステリー読んでるので、青春系は新鮮ですね。中田永一さん制覇したくなります!!
      2023/04/18
  • 中田永一と書いておついちと読む…ってそんなわけあるか!どんな難読漢字だよ!

    実はおついちをローマ字表記にして並べ替えるとNAKA…って文字数が全然足りんわ!

    遂に乙一さんです

    土瓶さんのお勧め本は(自分にとっては)当たり外れが大きいので、読みたいリストがパンパンの今はなるべく避けてるんですが、そこにみんみんのお勧めが加わると信頼度が跳ね上がって読んでみようって気になります

    分かりやすく言うと、泡で②のサンゴ礁リーチだったんで期待してなかったらサム出てきたみたいなことです(珍しくわかりやすいが対象が絞られる)

    そして実は乙一さん初読なんですよね

    そして実は実はデビュー当時から注目してた作家さんだったんです
    でも2023年に初読
    乗り遅れて意固地になる症候群が発症しちゃってたんですね
    もったいない

    ほんとにね凄かったんですよ
    デビュー当時から天才と称され、文學界に彗星のように現れた乙一さん
    ほんとに「彗星のように」って言葉は乙一さんためにあるような言葉でした
    もしくはシャア・アズナブルか

    あ、そういえばシャアも複数のペンネームを使いこなしてましたね
    シャア・アズナブル
    キャスバル・レム・ダイクン
    クワトロ・バジーナ

    乙一さんは文學界の赤い彗星や〜


    あ、一応中身にも触れると、とってもいいお話だったんですが「ひらがな」の使い方が気になっちゃいました
    対象年齢が15歳と考えても解せない
    何かしらの効果を狙ってのことなのかな
    他にも読んでみないと分からんな〜

    • ひまわりめろんさん
      エンブリヲさっき図書館に予約しましたが取り消しましたw
      とんだトラップだわ!
      エンブリヲさっき図書館に予約しましたが取り消しましたw
      とんだトラップだわ!
      2023/04/30
    • 1Q84O1さん
      ひまわり師匠、取り消しを取り消しましょう!
      読まないとw
      ひまわり師匠、取り消しを取り消しましょう!
      読まないとw
      2023/04/30
    • みんみんさん
      ダンデライオンはタイムリープだよ〜♪
      ダンデライオンはタイムリープだよ〜♪
      2023/04/30
  • ザ・青春!

    長崎県五島列島のある中学合唱部が物語の舞台
    合唱部に所属する生徒たちの部活にかける想い、友情、恋愛、悩み…、思春期のすべてを詰め込んだような作品

    心にグッとくる場面がいくつかありましたが特にこの2つはたまらない…

    ひとつは、生徒たちがNコンの課題曲「手紙~拝啓 十五の君へ~」にちなみ、十五年後の自分に向けて手紙を書く
    その中で、桑原サトルが誰にも言うつもりのなかった自閉症の兄と自分のこと、そして将来のことを綴った手紙


    もうひとつは、Nコン大会のホールに入れなかった桑原サトルの兄のために、サトルを含む三人の部員が歌う
    少し離れたところから他の学校の部員の歌声が加わる
    また別の所から帰りかけの女子生徒二人組が駆け寄り合唱に参加してくれる
    記念撮影をしていた生徒の集団が近づいてきて歌声を重ねてくれる
    最高に感動の場面です!


    あの頃の青春を思い出したい!
    あの頃の青春を感じたい!
    そんなあなたは読んでみませんか?

    • 1Q84O1さん
      やっぱり合唱シーンは映画ですか
      ちょっと観てみたいですね♪
      やっぱり合唱シーンは映画ですか
      ちょっと観てみたいですね♪
      2023/06/28
    • mihiroさん
      1Qさ〜ん、ちょうど今読見終わったとこです٩(ˊᗜˋ*)و♪
      青春ですね〜!!
      私も会場に入れなかったお兄ちゃんのために歌うとこ好きだった...
      1Qさ〜ん、ちょうど今読見終わったとこです٩(ˊᗜˋ*)و♪
      青春ですね〜!!
      私も会場に入れなかったお兄ちゃんのために歌うとこ好きだったな〜♡♡
      あと揉めてるのかと思いきや、男子部員達がひそかに練習してたとこも好きでした♡
      さわやか中田永一さんでしたね\♡︎/
      2023/06/29
    • 1Q84O1さん
      おっ!?mihiroさんも青春してきましたか(о´∀`о)
      本作はほんと良いシーンがたくさんでしたね♪
      男子部員のひそかに練習、これも良かっ...
      おっ!?mihiroさんも青春してきましたか(о´∀`о)
      本作はほんと良いシーンがたくさんでしたね♪
      男子部員のひそかに練習、これも良かったですね〜(^^)
      2023/06/29
  • アンジェラ・アキの「手紙〜拝啓十五の君へ〜」
    あるドキュメンタリーを元に書かれた小説らしい。
    ジュニア向けという事ですが映画にもなり、何より
    中田永一ならと読んでみました〜♪

    長崎・五島列島のとある島の中学校が物語の舞台。
    合宿部顧問のハルコ先生が産休となり、代わりやって来たのは東京の音大出・自称ニートのユリだった。
    2人はこの島で同じ中学校に通った幼馴染でした。

    部員の中には家庭の事情を抱えた子がいて、彼らの話を軸に合唱部がコンクール予選に参加するまでが
    喧嘩あり恋ありで微笑ましい(^^)

    主人公サトルは自らをボッチの求道者とよび、気配を消して学校生活をやり過ごしています。
    サトルには自閉症の兄がいて、登校前に兄が働く蒲鉾工場に送って行き、下校では迎えに行く…そんな毎日が合唱部にある事がきっかけで入部。

    もう私サトルに泣かされっぱなしですよ。
    作中タイトル同様「十五の君へ」の手紙を書くんですけど、後半サトルの手紙から号泣(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
    読めなくなるほど泣いたの久しぶりだわ。

    たしか作者の中田(乙一)は子供の頃まさにボッチの求道者だったと何かで読んだ記憶が…
    ありとあらゆる年代の心の内をリアルに書き分ける
    乙一はやはり凄い‼︎

    ユリ先生は映画ではガッキーだけど、わたしの中では戸田恵梨香でした笑
    DVDも図書館予約したので楽しみです\(//∇//)


    乙一ブーメラン投げたよ〜誰に当たるかしら笑笑


    追記…なんかみんな読んでるみたいだ…
       土瓶&1Q君ブーメラン行ったよ( ̄▽ ̄)

       メロリンもぜひ読んで‼︎

    • みんみんさん
      ほんとだ!タイムリーな小説だった〜♪
      子供が大人になると卒業式より桜気にしてた笑
      ほんとだ!タイムリーな小説だった〜♪
      子供が大人になると卒業式より桜気にしてた笑
      2023/03/22
    • ゆーき本さん
      サトルの手紙で泣いた。・゚(´□`)゚・。
      ってコメントしようとしたら、みなさん泣いてた!! 映画もラストが良かったですよ〜
      (๑⃙⃘̥̅_...
      サトルの手紙で泣いた。・゚(´□`)゚・。
      ってコメントしようとしたら、みなさん泣いてた!! 映画もラストが良かったですよ〜
      (๑⃙⃘̥̅_ ๑⃙⃘̥̅)
      ガッキー先生もキャワイかったっす!
      2023/03/23
    • みんみんさん
      おばちゃん涙腺が弱くて(ノ_<)

      おばちゃん涙腺が弱くて(ノ_<)

      2023/03/23
  • 中学の合唱部の話。
    入っていけるかな?という大人のためらいを吹き飛ばす~ほどほどに可愛くてリアルで、さわやかで切ない、いい感じの作品世界でした。

    長崎県五島列島の中学にある合唱部。
    顧問の先生が産休をとり、その友人の柏木先生が赴任してきます。
    神童だったと紹介されますが、自称はニートというややだるそうな性格。
    すらりとした美人なので男子は興味津々、男子がいなかった合唱部は、いきなり混声合唱で合唱コンクールに出ることに。
    練習を真面目にしない男子に、女子は不満を抱きます。
    今年の課題曲はアンジェラ・アキの「手紙 拝啓十五の君へ」
    柏木先生は部員に、十五年後の自分に手紙を書くことを提案します。提出はしなくていいからと。

    部長のエリは真面目なしっかり者で、ちょっと無理をしてしまう。
    その友達の仲村ナズナは、母親が闘病中に父親が家を出て行ったことから男性不信になり、男子にも心を開けないでいた。
    コトミは可愛くて優しくて人気があるが、性格のとがった部分は隠している。
    衝突もしながら、少しずつ変わっていく中学生達。
    成長期なんだなあ。
    顧問の先生を素直に慕い、出産が無事にできるか心配したり、遠くから歌を聞かせるくだりも、いいですね。

    桑原サトルは、発達障害の兄の面倒を見るべく運命づけられていて、兄とは仲がいいので不満というのでもないが、気力の出ない日々を送っていた。
    友達もいなかったが、ふと接近する機会があったコトミにはひそかな好意を抱いている。
    合唱部に入りたいと初めて親に主張し、何気なく友達も出来ていく。男子もなんだか面白い。
    内気なサトルがかわいくて、応援したくなりましたね~。
    男子の中では練習を真面目にしているほうだったので、男子の自主練を指導することに。
    存在感がないため、所々で皆にえらい言われようしてるんだけど。

    五島列島ののどかな空気と狭い人間関係、知っているようで知らない微妙な距離感をなんとなく想像しながら、心地よく読みました。
    サトルの兄を合唱コンクールに連れてくるエピソードも無理のない流れで、子供達の歌声がしみわたるようなシーンに。
    素直な気持ちがまぶしい。
    そういうことが、幼い日の大事な思い出にもリンクしてくるとは‥
    よかったねと遠くから思う気持ちになるのでした。

  • ブクログを始めたおかげで、趣味が合うなぁ♪と思っていたブクログ仲間さんと
    偶然同じ時期に同じ本を読んで、同じ部分に感動していたという
    うれしい奇跡を味わう機会も増えた今日この頃ですが、
    今回味わったのは、また別の奇蹟で。。。

    図書館に予約してから3ヶ月、
    ようやく届いて今日読み終えたこの本の作者、中田永一さんが
    昨日、感動のうちに読み終えた「失はれる物語」の作者の
    乙一さんと同一人物だったなんて!!
    本の神様が降臨した?!と思えるような奇跡です。

    育児休暇を取る親友のため、島の中学校の合唱部の顧問を引き受ける、
    元神童、今は自宅でWiiリモコンを振り続ける自称ニートの臨時教員柏木先生。

    その美貌に吸い寄せられて、合唱の経験もないのに下心満載で入部する男子生徒たちに
    慣れ親しんできた女声合唱の世界を踏みにじられた気になって敵愾心を燃やす女子部員。

    昼休み、女子たちに内緒で海辺で発声を繰り返す、男子たちの自主練。

    命の危険に晒されながら、島の病院で陣痛と闘う先生の耳元に
    遠く離れた佐世保から携帯電話を通して届けられる、渾身の歌声、と

    乙一名義の作品とはひと味違った、衒いのない素朴な言葉で描かれる
    ちいさな合唱部の微笑ましくて愛おしい、エピソードの数々。

    自閉症の兄に寄り添って生きるために計画出産されて
    学校では限りなく透明に近い存在として、
    「ぼっち」(ひとりぼっち)の才能に磨きをかけ、
    兄の世話をしながら親戚の工場で兄弟共に働く将来を静かに受け入れているサトルが
    長崎までフェリーで2時間半という、海に囲まれた五島列島のイメージに重なって

    コンクールの課題曲、アンジェラ・アキの『手紙~拝啓 十五の君へ~』をなぞって
    章ごとに挿まれる、部員たちの15年後の自分への手紙もみずみずしく

    ホールに入場できず、弟の合唱を聴けなかったサトルの兄のために
    会場の外でたった三人で歌い始めた歌の輪が
    他校の生徒まで巻き込んでどんどんひろがっていく中に
    すぐにでも駆けつけて声を合わせたいと思わせてくれる、爽やかな感動作です!

    • jyunko6822さん
      中田永一さんの正体は、そう白乙一さんでした!
      私もそれを知った時衝撃を受けたのです。
      中田さんの名前で出している
      「こっち向いて百瀬」「朝比...
      中田永一さんの正体は、そう白乙一さんでした!
      私もそれを知った時衝撃を受けたのです。
      中田さんの名前で出している
      「こっち向いて百瀬」「朝比奈くん」も是非ご一読いただけたいです。
      もし、既読でしたら失礼しました・・・
      2012/09/10
    • まろんさん
      まっき~♪さん、ナカマがいてよかった~(ノ_・。)
      乙一=中田永一はひょっとしてブクログあたりでは常識だったのかと
      レビューを書いてからドキ...
      まっき~♪さん、ナカマがいてよかった~(ノ_・。)
      乙一=中田永一はひょっとしてブクログあたりでは常識だったのかと
      レビューを書いてからドキドキが募っていたのでした(笑)

      今回の奇跡もそうだし、そのちょっと前にも
      『コンビニたそがれ堂』の中で使われているお国訛りを
      その数日前に読んだ『雨ふる本屋』の作者さんがお手伝いしたということを知って
      私の中に別々にあったふたりの作家さんの名前が
      漫画の人物相関図のようにすうっと繋がったりして、ひとりで感動してました。
      ほんとに、本を読んでいると思ってもみなかった奇跡に出会えてワクワクしますね♪
      乙一さんは、なんでも、女性名義での作品もあるとかで
      まったくもう♪どれだけ作風を変えたいんだ、この人は~!
      と、追いかけるのが楽しくてたまらなくなってきました♪
      2012/09/11
    • まろんさん
      jyunkoさん、コメントありがとうございます!

      遅ればせながら、私も「乙一=中田永一という事実に衝撃を受けた会」に入会させてください!
      ...
      jyunkoさん、コメントありがとうございます!

      遅ればせながら、私も「乙一=中田永一という事実に衝撃を受けた会」に入会させてください!
      乙一さん&中田永一さん初心者なので
      「百瀬」も「朝比奈くん」も、もちろん読んでなくて
      急いで図書館で調べたら、うれしいことにどちらも置いてくれてました♪
      教えていただいてありがとうございます(*'-')フフ♪
      2012/09/11
  • 乙一さん、大変人気の作家さんですね。
    周りでは愛読者が大勢いるのですが、実は手に取ったことがありません。何やら、タイトルが怖そうで・・・。
    お仲間に、乙一さんの別のペンネームでの作品ということで勧めてもらい、読んでみることに。


    合唱部の顧問の先生が産休に入ることになり、代わりに東京からやってきた柏木先生。背もすらりと高い美人で、先生を目当てに入部してくる男子生徒たち。女子だけでおこなってきた合唱が混声に代わることに同意できない女子生徒もいて。

    真面目でしっかり者の部長、エリ。
    かわいくて、だれからも好かれるコトミだが、実はきつく尖った一面を隠し持っている。
    闘病していた母を顧みることもなく家を出て行った父親を許せず、ひいては男子に心を開けない、ナズナ。幼いときに出会った合唱の思い出とともに聞きそびれた母の言葉を今も探し続ける。
    自閉症の兄の世話をすることを家族から期待され、決して文句を言わずそれに従うが、まるで自分の感情を押し殺して生きているようなサトル。その彼が、初めてやってみたいと両親に願い出て、父親の反対にあいながらも決して後にひかず、自分の主張を貫いて始めた合唱。自分の出生の意味を思うと、自分自身の人生でありながら自分の意志で選択できないとあきらめていた。あきらめているとも気づかないまま・・・。


    自分を隠して振る舞うことへの違和感。
    友を、異性を、人を恋しいと思う気持ち。
    大人になっても、似たような思いを抱いて毎日を送っている。
    けれど、中学生は行事や出来事を通して、生き方をぐっと深める瞬間があるようだ。純粋な心や体は、何らかの働きかけに素直に反応し、より豊かに、よりたくましく、より思いやり深く変わっていく。

    同じ時間を一緒に過ごす合唱部の部員の目線と、課題曲『手紙』への理解を深めるために出された課題「15年後の自分にあてた手紙」を通して物語は進んでいく。
    彼らの心の変化や、心の奥に秘めていて本来は決して表に出すつもりのなかった本心を描いた本人とともに読者も味わうことになる。

    最後に散らばっていた星を結ぶ線が見いだされ、星座としてかたちや意味を成すように、彼らを繋ぐ見えない糸がちゃんと見えてくる。
    昨年と同じところに立っていても、必ず成長していると信じられるお話です。

  • 中田永一氏の「くちびるに歌を」を読みました。
    今年の本屋大賞のノミネート作品です。

    五島列島の中学校の合唱部が舞台。
    それぞれの人物背景がしっかりしているので、とてもよく仕上がっています。
    合唱の楽しさ、深さを通して、男女、親子の関係、自閉症の問題などが描かれています、
    とても爽やかな青春小説。
    学生時代に戻りたくなる作品でした。

  • 飾り気のないストレートな青春感動小説。
    舞台となるのは長崎県五島列島の中学校。
    合唱部に所属する生徒たちのNHK合唱コンクールに臨んでいく姿が、男勝りの活発な女生徒ナズナと気の弱い男子生徒サトルの視線から描かれる。
    課題曲は実際に使用されたアンジェラ・アキ“手紙~拝啓 十五の君へ~”。
    十五才の自分たちは、十五年後どうなっているのだろうか?
    歌詞の内容と同じような不安や悩みにシンクロしながら、話は展開していく。
    捻り部分は殆どない。
    島に住む純真な中学生たちの心の叫びが聞こえてくるようだ。
    イマドキの都会の中学では、こんな関係性は作れないだろう。
    田舎といっては語弊があるかもしれないが、島という閉鎖された場所の中学だからこそ現実感がある。
    彼らの話す方言の独特の柔らかさが、その現実感を際立たせる。
    最後のコンクールの場面、泣かせどころでは、思わず身が入ってしまう。
    爽やかな涙を流したあとのような読後感。
    中田永一氏はこういった素直な青春小説を書くのが上手い。
    とりたてて凄みは感じないが、琴線にストレートに響いてくる作品だ。

    この作品は昨年の本屋大賞ノミネート作品である。
    どちらかというと地味目のこの小説が大賞にノミネートされたのは驚きだ。
    この作品の素直な感性が書店員に伝わったのだろうか。
    書店員の方々の慧眼に感服せざるを得ない。

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著者プロフィール

1978年福岡県生まれ、2008年『百瀬、こっちを向いて。』でデビュー。他の著書に『吉祥寺の朝日奈くん』『くちびるに歌を』『私は存在が空気』。別名義での作品も多数。

「2017年 『僕は小説が書けない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中田永一の作品

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