震える牛

著者 :
  • 小学館
3.69
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本棚登録 : 1482
レビュー : 329
  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863193

作品紹介・あらすじ

消費者を欺く企業。安全より経済効率を優先する社会。命を軽視する風土が、悲劇を生んだ。超弩級、一気読みエンターテイメント。

感想・レビュー・書評

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  • 田川信一が勤務するのは警視庁捜査一課継続捜査班。
    未解決事件「中野駅前 居酒屋強盗殺人事件」を担当する。
    外国人による強盗事件と思われていたこの事件。
    殺害された二人の繋がりを追ううち、真実へと近づく。

    タイトルの「震える牛」から想像されるように、BSE問題が絡んでいる。
    当時、あんなに問題になっていたのに、日常生活の中では頭から消えていた。
    食の安全性。
    改めて考えさせられた。

  • ネタがてんこ盛りだった。そしてこの本、本棚で見かけて借りて積んだし、読むのも時間がかかって…つらかった。…やっぱり私はミステリーとか刑事ものとか合わないのかもしれない。

    と言いつつも、それなりに面白くって中盤はぐいぐい引かれてしまった。食の安全、偽装事件など非常に深くって興味深かった。地方の経済状態やチェーン店の進出などで、懐かしの味が店がどんどん消えてゆく悲しさは、よくわかります。見渡すとどこもかしこも、コンビニ、チェーン店。個人商店が懐かしいです。

    加工食品…こわいね。改めて手作りが一番だと思った。読んでいてゾッとしたし、実際にあった事件を考えてしまったりしました。安いハンバーグとか口に入れるのを躊躇してしまいます。きちんと形がわかるものを買って自分で手間暇かけて作るのが理想だよね…。

    そしてタイトル。最後の最後で「あ、そっかー…」と気がついた。これでやられたーっと思う、私ミステリー読むセンスないなぁ…と凹んだ。ますます遠のきそうだ。


    最後が中途半端で…「うーむ、これで終わりかい!」とツッコんでしまいました。そして何よりシスコン責めにちょっと引いた。警察の内部事情とか縦社会とか闇で複雑でした(-_-;)安全とか正義って何だろ?と思ったりした。

  • なるほど こんなエンディングにしましたか。未解決事件の掘り起こし部署で新たな事案を与えられた田川が地道な捜査と推理で真相に迫って行き、ついに悪に鉄槌を下す結末を迎えた かと思ったら奥歯にモノの詰まったエンディングでした 笑。でも追伸あり の終わり方で その追伸は皆さんで書いて下さいね って言うことです♪

  • 2年前に発生して迷宮入りしそうになった殺人事件が、粘り強い刑事の地道な捜査によって、意外な真相が明らかになっていくという展開で、すらすら読み進める。

    それを前提にしての感想だけれど、この題名が既にネタバレなので、被害者二人の職業が初期に出た時点で、先が読めてしまうのが難点。

    そのため、しだいに繋がりが明るみに出てきて、真実にたどりつく過程に、ミステリーとしてのカタルシスが感じられない。

    女性記者の妹の死、犯人の姉の死が簡単に書かれているが、たいした掘り下げもなく蛇足の感あり。

    また、最後にちょっとしてどんでん返しが仕掛けられているが、これも予想の範囲だし、かえってカタルシスを感じられなかった。

    描かれている食肉業界の内情、スーパーなどでの格安品の裏側などの情報はなかなか面白い(怖いけれど)。
    格安品には裏があるから、なるべく食べない方がいいのか??

    • ヒョードルさん
      この中の安物食肉の描き方は、リアルでしたね。
      ファミレスかどこかで、これは雑巾だから私は絶対に食べません、という元従業員の話とか、何気にリ...
      この中の安物食肉の描き方は、リアルでしたね。
      ファミレスかどこかで、これは雑巾だから私は絶対に食べません、という元従業員の話とか、何気にリアル!
      2013/12/12
  • とりあえず、ミステリー好きは読んだ方がいい。。
    と言いたくなるほど、正直レビューに書きたい事が多すぎてまとまらない。。

    話は、過去の未解決事件を再調査する刑事の話と、巨大スーパーマーケットチェーン急成長の裏側を記事にする雑誌記者の話なんだが、一見繋がりようのないこの二つの話が交差した瞬間一気に物語りに引き込まれていく。

    帯やレビューに書いてある「どこまでがフィクションなんだ?」とか「ここまでリアルに書いて大丈夫!?」みたいなうたい文句はどれもうなずける内容。
    本を読んでいてリアルであることを拒否したいと思った事はあまりないが、自然とそう思いたくなっていく。
    そしてなにより、食品に対しての考え方を根こそぎ変えられてしまった。
    まだ読んでいない人は何の事かわからないだろうが。。。
    私は、作中に出てきた居酒屋でのシーンが一番印象的で不快だった。

    シーンごとに情景が浮かび描写もうまい。
    また、多くの登場人物が出てくるが、キャラ設定がしっかりしているため読みやすい。救われない話の中での主人公の奥さんには何度も和まされた。

    猟奇殺人や謎解きなど派手な演出がないが、否定したくなるようなリアリティで読者にを物語に引きずり込み、当事者意識を持たす。
    すばらしい作品でした。

  • ミステリーとして期待して読むよりも、純粋な
    経済小説として読んだので、中々楽しめました。

    強引な経営のスーパーが悪役として描かれているけど、
    そこに群がる面々、特にこのスーパーで総務対策として
    雇われている警官OBの見せ方が、こんな人間いるだろうな、という
    感じで楽しめました。

    こういう少し古いものを読むと、日本社会は過去の反省が全く今に
    活かされていないことも感じることができます。
    ミートホープ事件であれだけ騒いでいたのに、今回の一連の
    食品偽装は何だったんだとか、ね。

    あとは、やり手なのに何かかわいらしい女性経済ライターの
    鶴田さんが、結構好きでした。

  • お店で売っている加工食品。一体なにを食べさせられているのだか不安になるよね。この本読んだら。

  • 久々にミステリを楽しめた。
    丁寧にひとつひとつの鑑を追っていく田川の姿勢は刑事としてだけでなく、あらゆる仕事に通じるものがあり学ぶものがあった。
    また、上からの圧力で思うように仕事が進まないこと、強かに組織内を遊泳する上司の存在という設定も面白い。

  • 平成版「砂の器」と評される作品。

    警視庁捜査一課継続捜査班に配属された田川警部補は、未解決となっている中野の強盗殺人事件を担当する。
    捜査資料から分かることは、地取り、鑑取りが杜撰であり、捜査を進めていくと、当初の筋読みの間違いが判明し、殺害された二人の周囲からオックスマートの影が。

    またオックスマートの疑惑を追う記者・鶴田は、オックスマートの暴利な商売と、食品の安全を脅かす企みにメスを入れようとしていた。

    企業の腐敗と殺人事件が見事に絡み合う。


    まさに現代の地方都市の状況を示しているよう。
    世の中、裏と表があるのも現実か。
    ただ殺人事件の構造はもう一捻り欲しかったところ。

  • 警視庁捜査一課継続捜査班の田川警部補は実に執念深い優秀な刑事だ。体を壊してもなお、継続事件の捜査とはいえ捜一に在籍していることがその証である。その田川が担当することとなった中野居酒屋強盗殺人事件は、発生後2年が経過しているが、犯人の目星は全くついていない。そんな事件を田川は地取・鑑取を地道にこなし、徐々に事件の真相に迫っていく。この過程がとても面白い。そして遂に強盗殺人事件とは全く異なるこの事件の様相が浮かび上がってくる。畜産・巨大スーパー・加工肉などのキーワードに加え、それぞれの組織(企業や警察やマスコミ…)防衛に走るさまなど、展開がとても良い。今年の上位入りは確実か。

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著者プロフィール

相場 英雄(あいば ひでお)
1967年新潟県生まれ。89年に時事通信社に入社。2005年『デフォルト 債務不履行』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー。
12年『震える牛』が話題となりベストセラーに。13年『血の轍』で第26回山本周五郎賞候補、および第16回大藪春彦賞候補。16年『ガラパゴス』が、17年『不発弾』が山本周五郎賞候補となる。

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