- Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093863278
作品紹介・あらすじ
幕末から明治へ-。風雲急を告げる江戸の町で、逞しく成長していく若き商人を描く。友情あり、恋あり、涙あり。熱い思いに満ちた幕末青春ビジネス小説。
感想・レビュー・書評
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御用商人の永岡屋の奉公人勘七は、その実直な人柄と仕事ぶりを認められ、主の善五郎亡き後は永岡屋当主となる
『商いは人に福を届けるのが勤め』という先代の教えを
頑なに守り、誠実な商いを続けようとするが、折悪しくも幕末期の混乱期、御用商人のみでは立ち行かなくなる
どこに商いの活路を見出すか、勘七の苦悶の日々が続く
時代は江戸から明治へ、時代の変化についていけない人々の混乱、辻斬りや放火、打ち壊しなどが横行
こういう時代だったのかと再確認
幼馴染の直次郎、勘七、新三郎、紀之介の生き方も興味深い
商い好転のきっかけとなった『旅立ち寿ぎ申し候』
なるほど、それでこのタイトルかと納得
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時代小説として面白くなくはないが、永井作品としては評価が今二つぐらいの作品。主人公にあまり魅力がなく、それが最後まで尾を引いた感じ。まわりの人はかなり魅力的なんだけどね。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/57829
第169回直木賞を受賞された永井紗耶子さん。
現在当館で読める作品です。
情勢が不穏な江戸の町。
若き商人が友情・恋・涙!を通して成長する、幕末青春ビジネス小説。 -
自分の中での、ドラマ化してほしい作品第一位です。幕末という激動の時代に翻弄される青年たちが必死に生きる様を描いた青春小説。「商いとは、福を届けること」
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永井紗耶子さん、初読みです。
20年も書評系HPを続けられている信兵衛さんが、最新作の『大奥づとめ』を絶賛されていたので興味を持ったのですが最寄りの図書館には無くて、旧作のこの本を借りて読んでみることにしました。
紹介には「幕末青春ビジネス小説」とあり、ちょっとどうかなと思ったのですが杞憂でした。
確かに商売の心得的なものは出てきますが(著者は長くビジネス誌で様々な企業の経営者へのインタビューをしてきた人です)、それ以上に物語として良く出来ています。
温情溢れる紙問屋の主人に養子として迎えられた主人公と幼馴染の二人。男三人となると知性派、武闘派、癒し系に配置されるのが一般のパターン。この本もおもてづらはそうですが、三人の心底に一本表面とは異なる「筋」が見え隠れするのが面白い。女性陣も良いですね。生意気そうだが芯は優しいお京さんに気風の良い小糸さん。
やや荒っぽさを感じるところもありましたが、とても颯爽とした時代小説でした。
まだまだ無名な作家さんのようですが、追いかけてみようと思います。
ちなみに本作品は『福を届けよ』と改題されて文庫化されてます。 -
爽快な読後感だった。
他の既刊も読んでみたい。 -
このタイトルに惹かれて読みましたー。素敵な言葉。
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一気読みまではいかないけど、一定のペースで読み進み、続きが気になる本。
意外と面白かった。
読み返しはしないと思うけど。 -
愛媛新聞より。
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2012年4月5日読了。永井氏の第2作。幕末の混乱期、江戸で紙の御用問屋を商う永岡屋を病死した先代から引継いだ勘七。未熟さから二千両の借金を抱えてしまうが・・・。武士の時代が終わり町人の時代に行こうする折、落ちぶれる武士も困窮する百姓も、商いで成功する商人も失敗する商人も、それぞれの言い分や言い訳があり、ある時点で金があるかどうかは時代の潮流によってしまう。青臭いようだが「己の信じる道を進み」、かつ「時代の流れを読む」者が成功者足りうるということか・・・。「幕末青春ビジネス小説」という妙なアオリ文句が帯にはあるが、それも納得。アクションありロマンスあり、魅力的な登場人物も多く現れ、なかなか楽しく読めた。