インバウンド

著者 :
  • 小学館
3.26
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本棚登録 : 212
感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863353

作品紹介・あらすじ

リストラ女子が"電話応対コンクール日本一"を目指す!クレーマーにも負けないコールセンター小説登場。

感想・レビュー・書評

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  • k

  • リーミーのひたむきさに感動。

    コールセンターの仕事についてもわかった。

  • お仕事小説系を久しぶりに読んだが、結構共感できることが多くて面白かった。
    リーミーみたいに怖気付かず物事をはっきり言える人はコールセンターも続けられるのだろうな、と思う。

  • 東京の会社をリストラされ故郷の沖縄に戻った『里美』は、親に知らせずゲストハウスに住み仕事を探していた。そこで紹介された「コールセンター」の、まるで東京のオフィスビルのような設備に心惹かれ入社することにする。

    インバウンドとは、例えば通信販売の申し込み受け付けのように電話を受ける仕事だ。逆に電話をかけて営業をしたりするのを「アウトバウンド」と言うそうだ。申し込みはおろか、クレームの対応までもが外部の会社でやっていることもあるなんて知らかった。
    オペレーターにしろ電話対応コンテストにしても、演技なんだということがなるほどと思った。特にクレームは、自分に言われているのではないと割り切れなければやっていけないだろう。お客の要望も応えるように努力するのではなく、通話を終えた時いかに満足させられるかが大事なのだそうだ。
    ストーリーとしては予定調和。新しい仕事も割とすんなりこなせて、失敗したりする姿がなかったのが盛り上がりに欠けたか。そこそこ爽やかな読後感。

  • さくさく読める。伏線がよく回収されていて、読み終わった後ハテナという事もないので、読了感も良い。

    「コールセンターだけはやめておけ」と人に言われる職業であるにも関わらず、主人公に降りかかる酷い所辛い所はそれ程ピックアップされていないので、ライトな気持ちで読める分、リアリティがないと言うか、キレイにまとまり過ぎているという気は少しした。

    クレーマーの対応の仕方はなるほどと思った。

  • けっこうなおっさんが書いた本にしては、軽くて薄い話。

  • 沖縄のコールセンターの話ということで読んでみました。
    表面をなぞったにしてはまあまあかと思わないでもないです。

    風景描写がどこのことを言っているのか想像しながら読んだので、その点は面白かった。

    深みは感じられない。

    払ってもいい金額:150円

  • 作者の阿川大樹氏は、野田秀樹氏らといっしょに劇団「夢の遊眠社」を創設した作曲家だったそうですが、後年は随筆や小説を創作する作家活動にウエイトを置かれています。

    その阿川氏が沖縄はコザに通うようになって、コザの人たちとの交流を通して作品化したのが、この『インバウンド』です。

    インバウンドとは、コールセンターで顧客からかかってきた電話に対応する業務区分のこと。

    沖縄は、本土企業の誘致を図るために「経済特区」として法人税や地方税を安くするなどの特別措置が取られています。

    また、東京・大阪から沖縄まで専用回線を引いて、料金を国と県が負担することで企業が安定して事業を行えるようになっています。

    このことが沖縄にコールセンターが増えている一番の理由なんですが、人件費が本土と比べて安いこと、それからテナント賃料などの不動産が安いことも本土のコールセンターがこぞって沖縄に事業所を構える理由となっています。

    この『インバウンド』は、夢を持って東京の短大に進学し、東京のOLになった沖縄コザ出身の女の子が、東京でのOL生活に挫折して、両親にも伝えずにひっそりと沖縄に戻ってきてからの物語です。

    コザのゲストハウスから那覇のおもろまちにあるコールセンターまで通う主人公の動線上に出てくる地域名は、那覇の国際通りや本島西海岸を走る58号線、北谷のアメリカンビレッジといったメジャーな所から、沖縄市の園田や諸見里といったマイナーな所まで。

    かみさんが沖縄市に住んでいた頃に訪ねていなかったら、てんでイメージのつかない地名も、生き生きとして情景が浮かび上がってきて、その意味で楽しく読むことができました。

    ストーリー自体は、主人公の女の子がコールセンターのインバウンド業務を通して成長していく教養小説Bildungsroman(ビルドゥングスロマーン)となっています。

    するすると読めて今の沖縄の一面を共感することができる一冊になっています。

  • コールセンターの裏側。そこそこ楽しめました。

  • コールセンターで働くことになったある女性の物語。
    序盤、コールセンターという職業のつらさに触れられるので、鬱な展開になってしまわないかとちょっとハラハラした。クレームで心身をやられることもなく、物語もハッピーエンドでよかった。

    昔の彼氏、疎遠な両親、前職の解雇原因、やめていった先輩社員、新しい異質な上司、迷惑電話等、いろいろな登場要素のほとんどが無駄なく伏線となり回収されている。無駄が無さ過ぎてご都合主義展開にも見える。

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著者プロフィール

1954年東京都生まれ。東京大学在学中に野田秀樹らと劇団「夢の遊眠社」を設立。企業のエンジニアを経て、シリコンバレーのベンチャー設立に参加。99年「天使の漂流」で第16回サントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞。2005年『覇権の標的』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞優秀賞を受賞し、デビュー。主な著書に『D列車でいこう』『インバウンド』『横浜黄金町パフィー通り』など。『終電の神様』で第9回エキナカ書店大賞受賞。

「2022年 『終電の神様 殺し屋の夜』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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