卒業するわたしたち

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 190
レビュー : 42
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863490

作品紹介・あらすじ

理由もなく、当たり前のように会えていた日々や、無条件に一番近い場所にいて、気軽に誘い合っていた日々は、何をどうしたって戻らない。卒業は学校だけのものじゃない。様々な「その瞬間」を描きとる13ストーリーズ。

感想・レビュー・書評

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  • 13の「卒業」を描いた短編ストーリーは、苦さや痛さ、切なさが滲みながらも若さゆえのキラキラした懐かしさが感じられて、その瞬間瞬間で切り取られた甘酸っぱい感情が心に沁みた。
    3月に読めば気持ちが盛り上がるのかなと当初は思っていたけれど、決して卒業は3月だけのものじゃなく、生きていく節目節目で出会うもの。そんな当たり前のことに気付く。寂しいけど、前へ進まなくちゃっていう次へのステップ。自分自身いくつも経てきたはずなのに、何となく流してきちゃったというか、時には敢えて寂しさに蓋をしてきたというか。そんなこんなを少し思い出しちゃったかな、読みながら。
    本書で何より嬉しかったのは、小説の初めに加藤さんの短歌がプロローグ的に添えられていたこと。これがとてもいい!歌人としての本領発揮ですね。
    どの歌も好きだけれど、その中でもお気に入りなのは
    「お互いに笑って両手を振るような未来に向かうような別れを」
    かな。
    昨日の自分との訣別。明日に広がる新しい風景に戸惑いつつも、わくわくしながら飛び込めるように。そんなふうに、背中を押してもらった感じがするな。勿論、寂しさの方が勝ってしまうときもあるけれど。(そんなときの方が多いかもしれないけどね。)
    淡々とした加藤さん独特の文体は、読みやすい反面印象に残りにくい気がしていたのだが、不思議と余韻が心地よいのだ。

  • 学校を卒業して、もうずいぶん経つけれど、それでもまだわたしたちはいろんなものから卒業していくのだな。
    13の「卒業」。ここにはいくつもの涙と笑顔がある。
    自分が巣立つ卒業も、誰かが自分から去っていく卒業も、それは一つの終わりではあるけれど、でも確かにそこからまた何かが始まるわけで。
    このままがいい、ずっとこのままでいたいと思っても、その「今」はすぐに過去になるんだ、ということをいくつもの卒業を経た今ならわかる。
    いつか、この人生を卒業するその日まで、わたしもまだまだいくつも卒業していこう。新しい一歩のために。新しい出会いのために。
    この一冊が誰かの元気につながりますように

  • 卒業は学校だけのものじゃない。様々な「その瞬間」を描きとる13ストーリーズ。
    何かをやめる時、違う道へ進む時。その決意表明に、確かに卒業という言葉を使いますね。
    子離れ親離れ、アイドルのグループ脱退、自動車学校の卒業、卒業シーズンの思い出など
    たくさんの卒業がつまった一冊です。まず冒頭に短歌。歌人の加藤さんならではですね。

  • 卒業をテーマにした短編集。それぞれ読み終わると副題でついている気持ちが分かる。今日を何かの卒業にすればいいんだよ。っていう感覚好きだなぁ。

  • 短歌+短編小説。
    加藤千恵の話は、ほんのり甘ずっぱかったり、キラキラしていたり、そういうのが多いから、
    なんというか、まっすぐで透き通った頃を思い出したい時に最適。
    すべてがハッピーエンドじゃなくても。

  • 図書館で「卒業」をテーマに集められていた中の一冊。

    どれも覚えがあるような、記憶の片隅に自分の記憶として存在しているような、そんな話ばかり。

    胸に赤い花。
    周りのいつもよりも整った出で立ちや雰囲気にソワソワしながら、泣きたいような嬉しいような寂しいようなドキドキするような、誇らしいような気持ちでいたこと。
    そんな感情までもリアルに思い出させてくれました。

    胸についた薔薇がダサいなと思いながらも、嬉しかったこと。先生が最後に何を伝えてくれるのだろうと泣きそうになりながら聞いていたこと。
    まるでタイムスリップしたみたいに思い出しました。

    未知の思い出。
    私も通っていた教習所を思い出せば当時の彼氏を思いだすところまでもとてもリアル。笑

    あとは、「全て」と「流れる川」が好きでした。
    加藤千恵さん、ラジオもおもしろくて興味あり。

  • 20161019
    卒業がテーマの短編集。
    何かから卒業してするの、最近ないな。

  • いろんな物、かたちからの卒業。ゆっくり優しい話し。 2016.2.16

  • もう何に惹かれて借りたのかも忘れてしまった。卒業がテーマの短編集。恋愛が絡まない話もあればよかった

  • 卒業と一口に言っても様々。学校、バイト、恋、アイドルグループなどからの卒業をすくい取っている。遠い昔にそんなこともあったっけなと思い出す。カトチエさんならでは、各短編の冒頭に短歌が添えられています。

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