こんなにも優しい、世界の終わりかた

著者 :
  • 小学館
3.54
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本棚登録 : 1325
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863513

作品紹介・あらすじ

小説を読んで最後に泣いたのはいつですか?

いまさらながらに、みんなようやく気付いたのかもしれない――もとより、ぼくらに残された時間なんてそんなになかったってことに。

放射線のような青い光――地上にそれが降り始めた日から、世界が終わり始めた。ひとも獣も、鳥も木も、土も水も、すべてが青く染まり、動きを止めた。
「ぼく」は世界が終わる前に「彼女」のもとへと旅立った。最後の電話で、彼女は怯えていた。「お母さんの具合がすごく悪い」そして「もう、町には誰もいない」。ぼくは、ならば「ぼくがそこに行くよ」と彼女に約束した。
彼女の住む町まで直線距離で500キロ。青い光を逃れ、ぼくは彼女に会うことができるだろうか。彼女の町はそれまで、青い光に染まらずにいられるだろうか。

『いま、会いにゆきます』『恋愛寫眞 もうひとつの物語』『そのときは彼によろしく』と、累計250万5500部に達するベストセラーを連発した著者による、久々の書き下ろし作品です。著者自身ホームグラウンドと語る小学館での市川作品、今回も期待を裏切らない仕上がりです。恋人への愛だけでなく、親子の愛、そして友への愛と、たくさんの愛が描かれた最高の愛の物語を、ぜひお読みください。

感想・レビュー・書評

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  • 年末というのは不思議なものです。
    毎年、こういう作品を偶然に引き寄せ、
    いつもなら斜に構えてしまう事柄を
    スポンジのように吸収し、素直に受け取らせてくれます。

    今年の年末も結構な大号泣となりました…。

    あるとき世界が灰色の雲に覆われ
    天からヤコブの梯子のような青い光線が降り注ぎ
    その光に覆われてしまうと、何もかもが動きを止め
    時間を止めてしまう。

    世界の終わりが迫ってきた時に、
    一番大切な人のために、命を懸けて会いに行く
    主人公の旅の物語。

    争いや略奪ではない、終末。

    優くんや雪乃さん、
    そして洋幸のような人々が多数派になれば、
    こんなにも優しい風景が広がるんですね。

    色々なことを気付かせてくれる青い光。
    私たちの星の時間が止まったとしても…
    不幸というより、かえって良いことのように
    思えるから不思議です。

    青い光でこの世界は終わりになるのかもしれないが、
    切羽詰まったところからではの私たちの誇りを、
    思う存分見せてもらえた一冊です。

    優くんとお父さんの会話が沁みます。
    素敵な親子を堪能しました。

  • 世界が終わる時、愛する人と一緒にいたい。そんな優しい物語。

  • 久しぶりの市川さん。

    最近はもうめっきり読んでなくて、感覚が鈍ってきたけどなんかうすーくなった。
    独特さというか、オリジナルな感じが鈍い。
    ライトノベルにさがったかんじ。

    それは自分のせいかもしれないし、違うかもしれない。
    フィクション。
    世の中のおわり。

    わたしは誰に会いに行くんだろう。

  • いまいちだな。ノスタルジーにひたりすぎだし、終わりも何なのかよく判らないし。

  • 泣けたね~死に別れた子供の下りで

  • 世界の終焉は青い光に包まれて・・・
    幻想的でひどく甘美な終末、光に包まれた凍る人々の表情も優しい。
    希望だろうか?作者の優しい姿勢が存分に伺える。
    10年以上もお互いに想い続けた恋人のもとへ・・・・ひたすら前へ前へと歩む青年の物語は、家族や様々な人たちの愛を描きながら、真っ直ぐで力強い。
    変わり者の父親、早くに亡くなった母の想い出、すべてが優しい。
    父が背負って走るシーンはただただ、静かに泣けた。

  • 何度でも読み返したい。お守りのような一冊

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 優しくてきゅっとなるお話。

    人と違ってる自分が可哀想だと言って、他を攻撃することが許されるのだと勘違いしてる人が多いなーと感じる今日この頃。(←自分こそそんな風に決めつけるのはよくないんだけどさ。)
    このお話の中ではそう言う「言い訳」がなくて、ただただ、優しさを軸に生きている人がいて、きゅっとなりました。
    人と違っててもいい、と言うには自分と違う人のことも優しく包みこめる強さが、優しさがあってこそだよなーとおもいました。

    映画になって欲しいけど、風景や心情の描写は各々の心の中、脳の中で、それぞれいろんな色で再現した方がいいのかも、と思って、映画化しないのもそれはそれでよしだよなーと思うのです。
    ファンタジーだからこそ。

  • これはすごく苦手でした。
    マザコンで女性に対しての幻想がすごい(ちょっと笑えるくらい)
    そしてファンタジーな設定。
    明日死ぬとしたら?(世界が終わるとしたら?)
    そういうつもりで1日1日全力で父親は母親を愛していたとあったのに、それに大きく影響受けたであろう本人は本当に世界が終わるってなってからじゃないと行動起こさないという面白さ。
    女の子も主人公も結局親の方が大事なんだよなぁ。
    自分の幸せより優先したつもりで、結局相手のことも親のことも幸せにしてないんだよなぁ。
    それは優しさじゃないから…
    自分にたちにすごく酔っている感じがしてなんだか笑えました。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。獨協大学卒業。'97年からインターネット上で小説を発表。2002年1月、「Separation」で出版デビュー、いきなり同作がTVドラマ化される。次作「いま、会いにゆきます」は映画化され、100万部を超えるベストセラーに。他の著書に「恋愛寫眞――もうひとつの物語」「そのときは彼によろしく」「弘海――息子が海に還る朝」「世界中が雨だったら」がある。

「2009年 『きみはぼくの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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