共震

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 515
感想 : 83
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863582

感想・レビュー・書評

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  • 震災物は数冊読んだけどこれは秀逸!3人の視点から物語を進めるミステリーだけど、震災の今を描いていてミステリーの枠に収まってない。
    スピード感も進むにつれてアップしてだれることなく読める作品でした。

  • 2015.3 飛行機の中で読んでいたら何度も涙が出てきて恥ずかしかった。あの日、そしてその後に起きた様々なことがリアルにフラッシュバック。自分が見聞きしたことと重ねてしまいました。サスペンスという面ではうまくまとまっているストーリー運びと感じました。

  •  東日本大震災の傷がまだ癒えない被災地の現状を伝えるミステリー。著者の相場英雄が書きたかったのは被災地の現状の方で、ミステリーではない。本来ならノンフィクションとして書いた方が良かった題材だろう。なぜノンフィクションにしなかったのか。著者はビジネスジャーナルのインタビューでその理由について「ノンフィクションの本は本当に売れないです。どんなに大事なメッセージを込めても、ノンフィクションというだけで、世間はそれほど注目してくれない」と話している。

     より多くの人に被災地の現状を伝えるには読者の多い小説にした方が良いという理由は一面でうなずけるが、読んでいて、やはりこれはノンフィクションで読みたかったと思わずにはいられない。作品の説得力が弱いのだ。どこまでが被災地の現状か、読者には分からない。それが著しく説得力を欠いている。

     被災地の復興に力を尽くした県職員が殺されるというミステリー部分には特に評価すべき点がない。しかもこれが終盤、物語の中心に居座ってくると、どうも居心地が悪くなってくる。300ページ余りで被災地の現状が伝えられたとも思えない。微に入り細にわたった描写でこの倍ぐらいの分量で書いた方が良かったと思う。

     すぐに読めるページ数で収めたのは、ページ数が多くなると、本の価格が高くなり、より多くの人に手にとってもらえなくなるからだろうか。著者の真意はそんなところにはないだろうし、被災地に何度も足を運んだことには頭が下がるが、この本の分量では被災地を舞台にしたお手軽な本と受け取られかねない。小説の長さはその質とは関係ないが、長さが必要な小説もあるのだ。

  • 2013年10月に実施した学生選書企画で学生の皆さんによって選ばれ購入した本です。
    通常の配架場所: 開架図書(2階)
    請求記号: 913.6//A22

    【選書理由・おすすめコメント】
    震災をテーマにした作品で興味を持った
    震災を忘れないためにも読んでおくべきだ
    (経済学科 2年)

  • 東日本大震災から二年。被災地の仮設住宅で被災者のために奔走していた県庁職員が他殺体として発見される。事件の真相を追うキャリア警察官の田名部と新聞記者の宮沢が復興とは名ばかりの被災地の現状、そこにつけ込む義捐金詐欺の問題にたどり着く。
    事件解決、犯人探しのミステリーの形式は取っているが、被災地の現状をありのまま伝えていることがこの作品の素晴らしいところだと思った。タイトルの共震の意味がラストで明かされるが、その意味がまた心に染みた。

  • #読了。みちのく麺食い記者シリーズ。震災後の復興に力を注いでいた宮城県職員が何者かに毒殺される。彼は生前、復興予算をかすめ取る詐欺集団を見つけていた。シリーズものだが、最後から読んでしまった。

  • 時間軸が前後するため、わかりにくい。その分、感情移入しずらかった。
    毒殺のトリックもあとから、とってつけたような気が…。震災の傷跡そのものの描写は真に迫るものがあっただけに残念かな。

  • 東日本大震災とその震災復興に絡む殺人事件解明に挑む刑事と記者という物語でしたが、震災の爪痕の大きさ(復興はまだまだ)や震災被害者にどう寄り添っていくべきかというメッセージ性は強く訴えかけてくるものがありましたが、殺人事件解明部分(ミステリーとして)はやや強引かな?とも思ってしまいました。でもこのような作品を通して改めて震災を風化させてはいけないという思いは強く持ちました。

  • ミステリーの舞台が、東日本大震災のあった東北地方で、警察の捜査や記者の取材が全て、震災のドキュメンタリーのようだ。
    馴染み深い地名が次々に出てきて、読みながら涙が止まらなかった。

  • タイトルがタイトルだけに、悩んで読んだ本。TVで実況ニュースを見ただけで、トラウマになりそう、といっては被災者、というか当事者やその関係者の方たちに失礼なのだが、実際震えた。当分TVは見れなかった。怖いな、と思いつつ読み進める。早坂さんのくだり、わかる人にはわかるはず。年数を出さなくても。こんないい人がもっと増えて欲しい。火事場泥棒、ではないが、ひどいときにひどいことをする人たちが実際にいる。ラスト、共震、の意味が明らかに。記者にとっても記者冥利に尽きたのではないか。このような震え方もあるのか。

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著者プロフィール

1967年、新潟県生まれ。専門学校卒業後、時事通信社へ。経済部記者を務める。2005年『デフォルト 債務不履行』で第2回ダイヤモンド経済小説大賞を受賞しデビュー。『震える牛』がベストセラーに。『血の轍』『ガラパゴス(上・下)』『不発弾』『トップリーグ』他、映像化作品多数。主な著書に『ファンクション7』『偽金 フェイクマネー』『復讐の血』『共震』『アンダークラス』『Exit イグジット』『レッドネック』『マンモスの抜け殻』『覇王の轍』がある。

「2023年 『心眼』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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