- Amazon.co.jp ・本 (550ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093863643
作品紹介・あらすじ
水中遺跡の発掘は、旨みのある投資対象だ。
大航海時代、スペインの軍艦を指揮する日本人がいた。
太平洋のど真ん中に沈む、マニラ・ガレオン船を引き揚げろ!
水中考古学を専攻する興田真佐人は、四百年前、祖先・正五郎とともに沈んだスペイン船「アンヘル・デ・アレグリア」号を、太平洋のど真ん中の海底で発見した。スペイン人実業家アントニオと引き揚げの計画を練る真佐人の前に、世界一のトレジャーハンティング会社「ネプチューン」のCEOジェイク・ハドソンが立ちはだかる。
恩師の田野倉教授、同期の片岡亞希の協力を得て、真佐人の“魂の遺産”獲得のための闘いが始まった。
「もう逃げないことに決めたんだ。夢も希望もこの手で掴みとる」
【編集担当からのおすすめ情報】
魂の数だけ夢があり、夢の数だけ道がある。
2013年一番の大作!
555ページ一気読み必至!
感想・レビュー・書評
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まあ、面白かったし、盛り上がる部分もあったけど、全体に長く、時間の流れも緩やかなので、読むペースは上がらなかった。題材としては、珍しく、貴重な小説だとは思う。
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この作者は好きで、だいぶ読んでいる。この本も夢があって
スケールも大きく面白かった。一時、その夢が消えかかって
残念に感じたが、最後はハッピーエンド。このたぐいの作品は、終わりはこうでなければ、つまらない。この所多忙で、読書が進まず、これも10日位掛ってしまった。これでは駄目!! -
ふむ
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スペインのマニラ・ガレオン船の海中遺産に関わる大きい設定.テーマは面白いが,小説としてはちょっと間延びする感じ.最後は惰性で読んだ.
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絶えず湧いてくる不安を自らの意志でねじ伏せ、リスクを背負って一歩踏み出す。生き死にについて腹が据わり、突き抜けた人生をおく。そんな戦略的楽観主義を体現し、過去と未来を繋いで行く彼らはあまりにもマッチョだ。堪能した。
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やるべき仕事も沢山あったが、今日はもういいかと18時で仕事を終え、喫茶店に行き、海老のマリネとビールを注文し、本の続きを読む。
店内の席の感覚が狭く、多少隣が気になる。右は若い男女、サークルのイベントの打ち合わせの様だが、端々で男が女性を暗に口説いている。
左は若い女性お一人様。パスタを美味しそうにパクパク食べている。私もつられて、サーモンといくらのクリームパスタとビールを追加で頼む。
祖父が外国船の船乗りとの伝えや、父も船の事故で亡くした、海洋学者の主人公。祖父と共に沈んだ船の情報を手に入れ、サルベージに挑む話。
トレジャーハンターの世界が垣間見れて、興奮する。最近外国もののサスペンス物をよく読んでいたので、この本の最敵の強くなさに、最初は拍子抜けしたが、敵でも、善悪の明確な違いではなく、共感部分出来る話もあり、これが日本感覚の和文化の良いところか等とも思う。興奮も出来、楽しく読める一冊。
この本を読みながら食べた、サーモンといくらのクリームパスタは胡椒が効きすぎてあまり美味しくなかった。 -
面白かった。夢と冒険とロマン。海洋考古学はよくわからないけど、この本を読んですごく興味を持った。400年前に沈んだスペインのガレオン船を引き揚げるなんて、本当に出来たらすごいだろうな。
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400年前の沈没船を引き上げたいという、人々の物語。
お金と時間と根気のいる、水中考古学の難しさと現実を知る。
先祖の話は冒険小説のようだし、ライバル会社との駆け引きは企業小説のようだし、主人公の成長物語でもある。
ボリュームのある1冊に、さまざまな要素が詰め込まれている。
最後はぐっときた。 -
8
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なかなか時間が取れず、ようやく読み終わりました^ ^ この方の物語はいつもロマンがあり、大好きです。今回の話はスペインの沈没船を巡る海洋小説ですが、期待通り、夢、オトコのロマンが溢れた、最後の疾走感が素晴らしいお話でした(^ν^)
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400年前に沈んだガレオン船の引き上げを巡り、アカデミズムとビジネスが戦う海洋冒険活劇…というより冒険ロマン。そのガレオン船と主人公の因縁や人生の転機、みたいな伏線を絡めて盛り上げる…のは、相変わらずの笹本節です。
水中考古学とトレジャーハンティングの立場にわかれ、それぞれの思惑を書き分けながら、発掘、引き上げ権を争う陸での戦いも読みどころ。
確かに若干、マンガめいた設定、心理描写の浅さみたいなところは散見されるものの、登山と違ってナチュラルなピンチ、ヤマ場を作りにくい舞台。映像的に、ストーリー的に盛り上げる要素として、笑って許してしまえましょうや?
個人的には、水中考古学とガレオン船というテーマ自体がツボすぎて、楽しく世界観に浸れる☆4つのエンタメ小説です。 -
400年前に沈没したスペイン船の引き揚げに挑戦する海洋冒険小説。
水中考古学の大変さがよく分かる。
ライバル企業との駆け引きにやきもきしながら、ライバル以外の困難にもハラハラドキドキしながら読んだ。欲を言えば、サルベージのところをもっと読みたかった。
でも、ロマンが詰まった一冊で、ワクワクが止まらない一冊でした。 -
2014/5 笹本さんの山岳小説と海洋小説は本当に面白い。
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面白かった。クライブ・カッスラーのダークピットシリーズを読んでいるようで、海の冒険あり、ライバルとの戦いあり、陸上での駆け引きあり。そして、遺産にまつわる昔の海の男の物語あり。
日本にこんなに面白い海洋小説があったとは。
特に、終盤1/3は途中でページを閉じることができないほどの面白さ。
最後は.... -
祖先が乗船していた沈没船を探すため、水中考古学という金にならない学問を選んだ青年を主人公とする、海底の沈没船引上げをめぐる男たちの冒険ロマン小説。この争う男たちが、現場作業員じゃなくて金持ち同士というのが、ちょっと異色だ。
対立するのは、沈没船に考古学的価値を見出すアントニオと船内の財宝の価値しか認めないハドソンの両富豪。主人公の日本人学者が応援するのは当然、前者。アントニオとハドソンが金に糸目をつけず、沈没船の所有権を得ようとするブルジョアジーな行動は凄まじい。逆に言えば、これほどの私財を持っていなければ、海底のお宝探しは難しいということか。
一方で金も権力もない主人公は自身を「しがない一個人」と嘆きながらも、全力で行動を起こす。その信念はアントニオ、ハドソンの億万長者の感情ですら揺さぶってしまう。ハドソンは意外に良い奴だった。
札束の舞う大げんかに、沈没船の歴史的エピソードと海底火山噴火がからみ、停滞しないストーリーだ。 -
著者の面目躍如とも言うべき海洋冒険小説。「太平洋の薔薇」にはいささか及びませんが、沈没船引き揚げを巡る海洋考古学者と企業の競争という視点はなかなか斬新で楽しめました。
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ロマンあるストーリーです。水中考古学って興味深いです。ただ、スピード感に欠け、ハラハラドキドキが少ないです。
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400年前にフィリピンからアカプルコへ向かったガレリオ船が太平洋の海底で見つかった。そのサルベージをめぐる戦いと、400年前の航海が交互に語られて行く。壮大な物語。楽しめる。
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17世紀始めに沈んだスペインのマニラ・ガレオンを引き上げるという一大スペクタクル!先祖の乗っていた船を探す水中考古学者マサトの強い想いがアンヘル・デ・アレグリアに巡り会わせる。さまざまな困難も物語のアクセントといった感じで、あまりにもうまく行き過ぎた感があるが、水中考古学という視点は面白かった。
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400年前に財貨を積んだまま沈没した船の引き揚げをめぐる、水中考古学者たちとトレジャーハンターの駆け引きに最後まではらはら。さらに、地震や火山活動による新島出現か?という経済的排他水域をめぐる国際問題も絡み、目が離せないまま一気に読んでしまった。
時を越える壮大なロマン、海の男の生きざまも爽快で魅力的。
復元された「アンヘル・デ・アレグリア」に出会ってみたい! -
海にはまだまだ多くの遺産が眠っているだろうなぁと思うと
こういった考古学はとても面白そうだと感じます。
興味深く、楽しく読めました。 -
日本では珍しい水中考古学者VSトレジャー・ハンターを題材にした冒険小説!ダイバーとしては見逃せない!!
と、期待して読んだものの・・・う~ん、やっぱり海(というか海中)って題材としては難しいのかな。400年前に難破したガレオン船を見つけ出して引き上げようとする設定で、ドキドキするはずなんですけど。描写と文章が陳腐というか、やっぱり作者はダイバーじゃないというか、軽いというか。
謎のUボートを見つけるドキュメンタリーの「シャドー・ダイバー」の方が1万倍面白いです。
残念 -
400年前に沈んだスペイン船。
当時の物語と現在それを引き揚げようとする人々の話。
超大作。
ちと長過ぎた感はあるし
都合よく事が運びすぎる気はするが
冒険エンターテイメント小説として十分堪能。
【図書館・初読・12/17読了】 -
少々、微妙な設定があった感じですが
それを、飛び越えて笹本ワールドに浸りました。
この本の装画・装帳、物語への導入に凄く良いです。
読み終えてから、改めて眺めると 一層この物語への愛着が増しました。 -
400年前に祖先とともに太平洋に沈んだスペインのマニラ・ガレオン船を引き揚げようとする真佐人の前に、世界的なトレジャー・ハンティング会社や海中遺産を巡る国々の思惑が立ちはだかる。
海洋サルベージものなので『タイタニックを引き揚げろ』のクライブ・カッスラーの一連の作品と比較してしまったが、どうも消化不良だった。
本書は取材と時代考証に相当な時間を費やしていると窺えるが、それがかえって物語を型にはめてしまっているように感じる。
これだけの素材を用意しながら、沈没船はあっけなく発見され出資者がタイミングよく現れて、物事が極めてスムーズに流れていく。なぜか登場人物は皆かっこいいセリフを口にしたがり、なんだかテレビドラマの脚本を読んでいるよう印象だったのが残念。
もっと破天荒な展開にすれば、手に汗握る極上のエンターテイメント作品になったと思う。 -
#読了。400年前に祖先とともに沈んだスペイン船を探し出し、真佐人は引き揚げを計画するが、財宝を切り売りするトレジャーハンティング会社が立ちはだかる。熱い冒険小説。笹本さんの冒険小説というと、山を思い浮かべるが、今回の海も面白かった。JAMSTECの方に直接聞いた話では、宇宙より深海の方が未知の領域が多いとのこと。