- Amazon.co.jp ・本 (363ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093863766
作品紹介・あらすじ
「悪の爽快感」が心を蕩かす血涙必至の物語
時は戦国、下剋上の世。京都・相国寺近くある三好家の屋敷に、その男松永久秀はいた。得体の知れぬ出自でありながら、茶の湯に通じ、右筆として仕える野心家である。気に食わぬ者は容赦なく首を刎ね、殺害した女を姦通し、権謀術数を駆使して戦国大名へと成り上がっていく。さらには将軍足利義輝を斃し、東大寺大仏殿を焼き討ちにしてしまう。信長ですら畏れた稀代の怪人・松永弾正を突き動かすものは、野望かそれとも……!?
戦国時代を彗星のように駆け抜けた武将の生きざま・死にざまを、「弟」として仕えた丹野蘭十郎の眼を通して活写する。
芥川賞作家・花村萬月氏が小学館の月刊小説誌「STORY BOX」に連載した本作品は、戦国時代を舞台にした「悪とは何か」を問う新感覚時代小説。
皮膚感覚を狂わせる暴力に戦慄を覚え、匂い立つようなエロスに耽溺する物語世界はますます磨かれ、かつまた、悪業の限りを尽くす主人公を愛嬌たっぷりに描き、読了後に寂寥感すら抱かせる筆運びは圧巻です。「突き抜ける悪の爽快感」はまさに花村文学の真骨頂といえます。
【編集担当からのおすすめ情報】
直木賞作家・桜木紫乃さんも感涙絶賛!!
以下の推薦コメントを寄せていただきました。
「とんがって、とんがって、まだ尖り続ける
花村萬月美学の最先端――。
悪とエロス、すべての男と女におくる魂の物語。
理解を超えて突き刺さる、
この愛と情を全身で受け止めろ!
できぬなら、愚かしく惨めに生きるしかない!」
また本作品には、「熱いうちは二流」「信じることは、怖いこと」「案ずるな。死ぬまで生きる」「沈黙は罪なのだ」「いちばん大切なのは抑えることや。待つことや」「死ぬ瞬間こそがすべて」等など、会話の中に散りばめられた“人生訓”も読みどころです。
感想・レビュー・書評
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松永久秀とその弟の話。面白かった。
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表紙に描かれた躍動する美男子からは、勇猛果敢な久秀がイメージされる。破天荒であり知将ではあるが、私の当初の期待とはズレていた。全体的にはやや退屈だった。
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松永弾正久秀のお話。織田信長が一目置くようなとんでもない人物です。大仏を焼き払い、将軍を殺し、最後は爆死。この本を読むまでは、実は私は全く知らなかった人物でした。性格は好きになれないけど、戦国の世を見通す先見の明は尊敬に値するところあり。
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日本三大梟雄の一人である松永弾正久秀について書いた本です。
松永久秀は織田信長をして、人がやらない3つの悪事(主君である三好長慶への謀反、将軍足利義輝の弑逆、そして東大寺大仏殿を焼いた)をやった人物と称しています。
この本ではそういう悪人ぷりがいっぱい登場するものの、どこか人間くさい松永弾正が多く語られているのが特徴的と思いました。
↓ ブログも書いています。
http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-6061.html -
花村萬月の時代小説。
松永久秀という人物に興味が湧いた。 -
戦国の梟雄・松永久秀を花村満月が魅力的に描く。
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『悪童』という言葉が思い浮かんだ。とはいえ30近い青年ではあったのだけど。松永久秀と聞くと何やら胡散臭いイメージしかなかったけど、こちらの久秀もそのイメージに違わず。悪いこともやってる、いいこともやってる(はず)。相手の数歩先をよみ、巧妙な罠を仕掛ける。それが全て吉として返ってくるかというとそうでもなく、たまに裏切られたりもする。戦国の世、吉も凶も引き寄せるのは己の力量。久秀の最期、あっぱれ!
正直女性視点で読むと、その好色さにイラッとさせられるけど、同時代同性かれ見れば、彼の生きざまは己が人生を満喫しているように見えて憧れるのかもしれないね。 -
松永弾正久秀の生きざまを義弟となった蘭十郎の目を通して描く!というか、蘭十郎の生涯!みたいな感じ(--;)今まで松永弾正のイメージって、あの信長もビックリな破天荒な奴だったけれど、これを読んで、無茶苦茶だけど頼れる兄貴に変わった(^^)この時代にこんな兄貴がいたら、二人で面白おかしく生きていけそう♪
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戦国の梟雄松永久秀を花村萬月が描くって事でそれなりに期待して読んだんだけどなるほどね萬月節全開(特に久秀と蘭十郎の奇妙な絆)で普通に面白かったです。
ただ時代小説な分花村萬月ならではの破天荒さがスポイルされたきらいはあって花村萬月小説としても時代小説としても中途半端な感は無くはないなあと。 -
随所随所の記述は迫力があったが、全体としては退屈してしまうストーリーだった。
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自分には将軍襲撃、爆死のイメージぐらいしかなかったが、本書では実に人間的な魅力溢れる人物として描かれている。
書や茶道にも通じており政治に活かしていく様は有力な家臣に恵まれなかったとはいえ逆に武力だけでなく財力や知略、更には情報戦において先んじる異色の人物に映る。
更に欠落していた武力までも手にした信長の先を行く姿は筆者が著すように信長も参考にし模倣したと理解する方が説得力あるように感じる。
官位とかよく知らないけど信長も弾正忠じゃなかったっけ?奇妙な縁を感じるけど考え過ぎ? -
P142で中断
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戦国時代物って初めて読んだけど面白かった。
クセになりそう。 -
歴史の脇役も大したものだ。
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歴史小説では常に悪役の松永久秀が主人公.だからピカレスク独特の鋭さが存分に味わえる.ほとんどが関西弁での弾正と義弟の会話で進行する.でもこの人こんなにすごかったんだね.
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そもそも従来の価値観なんか欠如してた。
常識見識類の定義すら疑っていた。
疑いつつも迎合し、己の流儀に照らしては収めていく。
その手段をして、人が悪と呼んだのが松永久秀。
将軍殺して、主家筋も謀略弑逆の末に枯らした。最後には大仏殿に火を放った。
他人からすると権謀術数巡らす悪党でも、久秀本人にとってみれば何気もない事の繰り返し。
ただ信長登場でそれが通用しなくなった。
自分と同類の登場に我慢ならん(笑)。
ならば最後まで"己の流儀"≒“粋”を貫きたかっただけの事。
松永久秀と、その稀代の悪党と共に生きた弟・蘭十郎の物語。
異色"戦国ピカレスク"はピカレスクの王道"花村萬月ピカレスク"に染まってた。
暴力とエロスはこうでないとね。(暴力薄めだけど)
そっちは好きだけど時代小説知らない。
そういう人にこそ読んで欲しい。 -
武将としてより趣味人、変人としての松永弾正の面目躍如。視点が変わればこういう人物観もあるのだと感心した。