鳩の撃退法 上

著者 :
  • 小学館
3.32
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本棚登録 : 699
レビュー : 91
  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863889

作品紹介・あらすじ

誰もが読みたかった著者5年ぶりの長編小説

かつての賞作家・津田伸一は、いまはとある地方都市で無店舗型性風俗店「女優倶楽部」の送迎ドライバーとして暮らしている。ある日、明け方のドーナツショップで顔見知りになった男が、その日の夜を境に妻と幼い娘ともども失踪するという事件が起きる。
家族三人の「神隠し」事件から一年と二ヶ月が過ぎた頃、以前から親しくしていた古書店の店主・房州老人の訃報とともに、津田伸一のもとへ形見のキャリーバッグが届けられた。老人が生前、持ち歩いていた愛用の鞄はしっかり鍵がかかっていて、重みもある。なんとか開錠した津田伸一の目に飛びこんできたのは、数冊の絵本と古本のピーターパン、それに三千枚を超える一万円札の山だった。
この老人からの遺産で、残りの人生を楽しく生きられると思ったのも束の間、行きつけの理髪店で使った最初の一枚が偽札であったことが判明する。女優倶楽部の社長によれば、偽札の出所を追っているのは警察ばかりでなく、一家三人が失踪した事件も含めて街で起きた事件には必ず関わっている裏社会の“あのひと”も目を光らせているという。まさか手もとの一万円も偽札なのか。白黒つけたい誘惑に勝てず、津田伸一は駅の券売機に紙幣を滑り込ませてみるが……。

【編集担当からのおすすめ情報】
家族の失踪をはじめ、謎が謎を呼ぶドキドキの展開にも惹きつけられますが、それとともに、著者ならではのユーモアと遊び心あふれる語り、思わず吹き出してしまうコミカルな会話のやりとりなどを存分に堪能できます。上下巻という(ある意味)仰々しい体裁に身構える必要もまったくありません。とりあえず物語をお愉しみいただきたい。読み進むうちに思いもかけない小説の世界に引き込まれます。ケタ違いのおもしろさにみちた、文字通り佐藤正午氏の最高傑作です。自信を持ってお薦めします。

感想・レビュー・書評

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  • 2015 6/12

  • 5年を掛けた1000枚に及ぶ著者会心の最高傑作…
    各メディアにも取り上げられらしくなく気合十分であるようだったのでファン?としては彼の老後の生活のために買ってやらにゃ!と思っていたのだが本屋より先に図書館で見つけてしまって借りてきちゃった…正午さんゴメン。
    さてその内容と言えば彼独特の瀟洒で(ふざけた)凝りに凝った(回りくどい)メタ要素(ひとつ間違えるとメタメタ)を内包する正統派(古臭い)ミステリー。
    そんなこなでやはりこれは正午さんにしか書けない貴重な物語であることは間違いないだろう。さて半分終わった!その結末やいかに?

  • 話がやっと読めてきた。

  • 20190204-14

  • 2回も読み返してしまった。中盤まで、話の軸が分からずに何度も断念しかけたけど中盤以降から、やっと作者の言い回しに慣れてきて、後半はスッキリ読めた。下巻は図書館待ちなので内容を忘れないようにしないと!伊坂サンが絶賛するのが何となく分かる。ここまで、くどくないけど……何だか似た言い回しかも。

  • 傑作。

    交錯する時間軸と登場人物、コミカルなセリフの応酬、魅力的な舞台設定と鍵を握るガジェット。
    内田けんじの映画(『運命じゃない人』『アフタースクール』『鍵泥棒のメソッド』)と似ている。
    個人的には、こういうのは映画よりも小説の方が向いているように感じる。

    いきなり最初の2章での人称のすり替え方の鮮やかさに度肝を抜かれる。
    そして虚構の中に虚構を構築するメタ構造。
    もちろんこの『鳩の撃退法』自体が虚構なのだが、その虚構の中に事実と虚構(与太話)が不連続に織り込まれるのだ。
    上下巻合わせて900ページを超える大作だが、構成力が素晴らしいのでまったくダレない。
    その上で構成力を支える筆力(文章力)の確かさ。

    1つ前に読んだミステリ小説が、構成力と筆力の点であまりに貧しかったので、この作品の秀逸さが際立つ。
    やはりこういう作品に出会えるから小説読みはやめられないのだ。

  • 重くて文庫本を入手しようと思った。

  • 小さな娘が、父親をヒデヨシと呼ぶ、で思い出した。
    これ、読んだことある。でも、ラストどうだったっけ?
    で、飛び飛びの読み直し。
    シーンが思い浮かぶ臨場感ある描写もあったけど、全体的に説明が言い訳がましくて、没頭できなかったんだった。

  • 続きを読みたくて電車から降りたくなくなる。
    エロい話の書き方と入れ方が巧いなぁと思う。

  • 津田は、直木賞を昔獲り、10冊程度の単行本も発行している作家。だが、今では落ちぶれて知り合った女のところに居候し、デリヘルの送迎をしている。そんな彼が、古本屋の房州老人から3,000万円以上のお金を譲り受ける。知り合いの幸地一家は神隠しにあったかのように失踪し、デリヘルの高峰秀子も消える。そして、房州老人からもらったお金は偽札だった。津田の周りに怪しい陰がちらつく。倉田ケンジロウとは何者か?何が書きたいのかよく分からないまま、瞑想を続ける前編。まどろっこしくて、イライラしながら読んだ。

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著者プロフィール

1955年長崎県佐世保市生まれ。『永遠の1/2』ですばる文学賞、『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。おもな著作に『リボルバー』『Y』『ジャンプ』など。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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