脱・限界集落株式会社

著者 :
  • 小学館
3.55
  • (24)
  • (68)
  • (72)
  • (13)
  • (2)
本棚登録 : 513
感想 : 67
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093863988

作品紹介・あらすじ

TVドラマ化原作、待望の続編!!

多岐川優が過疎高齢化に悩む故郷を、村ごと株式会社化することで救ってから四年の歳月が経った。止村は、麓にある幕悦町の国道沿いに完成したショッピングモールとも業務提携するほど安定的に発展していっている。
そんな中、かつて栄えていた駅前商店街は、シャッター通りになって久しかったが、コミュニティ・カフェの開店や、東京からやってきた若者たちで、にわかに活況を呈していた。しかし、モールの成功に気をよくした優のかつての盟友・佐藤の主導で、幕悦町の駅前商店街の開発計画が持ち上がる。コミュニティ・カフェを運営する又従兄弟を手伝っている優の妻・美穂は、商店街の保存に奮闘するが、再開発派の切り崩しにあい、孤立していく。
開発か、現状維持か? 日本のそこかしこで起こっている問題に切り込む、地域活性エンタテインメント! 信州、東北で大ヒット、17万部突破シリーズ待望の続編です。


【編集担当からのおすすめ情報】
TVドラマ化決定! NHK土曜ドラマ 2015年1/31~全5回 放送予定

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 予想通りの結末。でも老人が生き生きしていて存在感あった。

  • 今度は止村ではなく、幕悦の商店街が舞台。
    前作がかかわってくるので、『限界集落株式会社』は読んでおいたほうがいい内容。
    商店街の活性化は、正直あまりイメージできないが、こういう形ならありかも、と思わせてくれる。
    少々うまく行き過ぎ感もあるが、楽しく経済について考えられる一冊。

  • 限界集落株式会社の続編ですが…、
    舞台は、前作の隣町に移っており、
    田舎の駅前のシャッター商店街の、
    再生vs再開発が主軸となります。

    前作では、うまくいき過ぎるご都合主義に、
    多少しらけ気味な面も散見されましたが…、
    本作では、再生側、再開発側ともに、
    無理のなぃ展開で、面白みを満喫できました。

    作者さんの意図はわかりませんが、
    作中で、再開発側の計画の骨子が、
    コンパクトシティ構想といぅのは、
    結構、いぃとこ突いてるな~と…。

    地方都市のコンパクトシティ構想は、
    軒並み、うまくいっていませんが…、
    それは、ある意味当然のことでして、
    本来のターゲットは「限界集落」…。

    日本の金融資産1500兆円の80%を、
    老齢世帯が保有しており、特に…、

    限界集落の老齢世帯が保有する、
    休耕地(ストック)を買い上げてキャッシュ化し、
    これを、市場でフローさせるといぅのが、
    コンパクトシティ構想の裏にある財政政策ですが、

    さらに、老齢世帯が保有する土地を買い上げた後、
    コンパクトシティに押し込み、その使用料として、
    あの手この手で買い上げたキャッシュを回収する、
    その仕組みが、偶然にも?うまく描けていたかな。

    一方で、再生側の頑張りは、とても清々しく、
    カウンターパート(悪役)である再開発側が、
    とてもよく活きており、とても読了感のよぃ、
    エンターテインメント小説でした!!

  • スローライフに憧れてましたが、
    進化を求めない生き方になると
    途端 退屈になり衰退するのだろう...

    とても勉強になりました。

  •  前作を受ける形を取っているが、まったく違った問題を取り上げ、そこに新しい登場人物を噛ませることで、十分に楽しめる内容になっている。

     しかも、1作目で見せた「主人公側が苦戦しつつも最後は成功を収める」という基本線は予想できるため、ハラハラする展開ながら半ば安心して読み進められた。

  • 郊外には大型ショッピングモールのある駅前シャッター通り商店街。ここを第二のショッピングモールとしようとする業者と市を相手に、商店街を活性化させることで闘おうとする人たち。都会で疲れて移住してきた無気力の若者の再生も絡めて、頑張る彼らを気持ちよく応援しながら読みました。今回も上手く行きすぎと思える部分もありますが読後感もいいですし、軽く読みやすくても商店街やショッピングモールの意味やからくり、盛衰についてとても勉強になりました。前作の彼らも登場し、前作のあれこれや人物のその後がわかる所もとても良かったです。

  • モール街建設の陰謀。テナントとして入っても、結局は地元商店街は結局はさびれていくという仕組み。町おこし、コンパクトシティー構想に一考の余地あり。

  • 止村を飛び出してきた美穂さんに温かく接する優さん、地域のためのビジネスにまい進する駅前商店街の人たちを信じられる気持ちが素敵だなと思った。
    血の通ったビジネス、気持ちの感じられる投資が、優さんがビジネスに感じる魅力なのかな。
    他と競い合うのではなく、自分の土俵と自分の尺度で結果を求めていくことの良さも感じた。
    なんといっても、おじいちゃん、おばあちゃんがかっこ良くって素敵でした。

  • 日本の田舎って、難しい部分もあるだろうけど、良いところいっぱいあると思う。心温まる地域創生物語。

  • 現段階で高齢者が多い。人口減が始まったらどうなっていくのか?若者が増えるのか、そこのところが心配になりました。

全67件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

黒野伸一(くろの・しんいち)
一九五九年、神奈川県生まれ。『ア・ハッピーファミリー』(小学館文庫化にあたり『坂本ミキ、14歳。』に改題)で第一回きらら文学賞を受賞し、小説家デビュー。過疎・高齢化した農村の再生を描いた『限界集落株式会社』(小学館文庫)がベストセラーとなり、二○一五年一月にNHKテレビドラマ化。『脱・限界集落株式会社』(小学館)、『となりの革命農家』(廣済堂出版)、『長生き競争! 』(廣済堂文庫)、『国会議員基礎テスト』(小学館)、『AIのある家族計画』(早川書房)、『グリーズランド1 消された記憶』(静山社)、『お会式の夜に』(廣済堂出版)など著書多数。

「2021年 『あした、この国は崩壊する ポストコロナとMMT』 で使われていた紹介文から引用しています。」

黒野伸一の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×