- Amazon.co.jp ・本 (223ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093864046
作品紹介・あらすじ
新たな『神様のカルテ』はここから始まる。
シリーズ300万部突破のベストセラー『神様のカルテ』にまつわる人々の前日譚であり、かつ珠玉の短編集です。栗原一止は、信州にある24時間365日営業の本庄病院で働く内科医です。本作では、医師国家試験直前の一止とその仲間たちの友情、本庄病院の内科部長・板垣(大狸)先生と敵対する事務長・金山弁二の不思議な交流、研修医となり本庄病院で働くことになった一止の医師としての葛藤と、山岳写真家である一止の妻・榛名の信念が描かれます。ますます深度を増す「神カル」ワールドをお楽しみください。
【編集担当からのおすすめ情報】
二度映画化され、日本中を温かい心に包み込んだ
大ベストセラー、待望の続編!
感想・レビュー・書評
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著者、夏川草介さんの作品、ブクログ登録は4冊目になります。
夏川草介さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。
夏川 草介(なつかわ そうすけ、1978年 - )は、日本の医師、小説家。大阪府出身。信州大学医学部医学科卒業。医師として勤務するかたわら、2009年に『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビューした。同作は第7回本屋大賞候補作にも選ばれている(最終的には2位)。「夏川草介」はペンネームである。
で、本作の内容は、次のとおり。(コピペです)
新たな『神様のカルテ』はここから始まる。
シリーズ300万部突破のベストセラー『神様のカルテ』にまつわる人々の前日譚であり、かつ珠玉の短編集です。栗原一止は、信州にある24時間365日営業の本庄病院で働く内科医です。本作では、医師国家試験直前の一止とその仲間たちの友情、本庄病院の内科部長・板垣(大狸)先生と敵対する事務長・金山弁二の不思議な交流、研修医となり本庄病院で働くことになった一止の医師としての葛藤と、山岳写真家である一止の妻・榛名の信念が描かれます。ますます深度を増す「神カル」ワールドをお楽しみください。
いやあ、良かったですねえ。
「神カル1,2,3」は、2015年に読みました。
それ以来、7年が経って本年(2022年)、ようやく「0」を読みました。
登場人物も内容も忘れていましたが、本作を読み進めるうちに、おぼろげながら思い出すという楽しみもありました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
10年ぶりに読む神様のカルテ。前日譚的な本作で神様のカルテの感動が蘇りました。前日譚なので、時系列的にはこちらから読んでもおかしくはないですが、後に読んだ方が感慨深いものが大きいと思います。榛名と事務長がMVPです。
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過去エピソードの一冊。
シリーズ4巻目はタイトル通り、主人公たちの出発点とも言えるゼロ地点。
こういう登場人物たちの過去エピソードを知れるのはすごく好きだ。
今の彼らたちをより深く知れて、より深く思い入れが強くなるから。
4編どの章もやっぱり泣かせてくれた。
ちょいと昔の大狸先生、古狐先生にはほっこりにっこり。
中でも大狸先生と研修医時代の一止先生との出会い、二人の研修医と指導医としての関係、患者さんを通しての関係は涙なしには読めない。
この時間があっての彼らの"今"があるんだなと温かい読後感。
タイトルの意味にも感涙。 -
シリーズ中で一番良かった。
もちろんそれはこれまでにシリーズ3作品を読んだから言える感想だが。
大学時代の一止たちがキラキラしている。進路に悩む姿も初々しい。
大狸先生たちが本庄病院で「24時間365日」の看板を掲げた当初の苦労や、駆け出しの一止の奮闘も面白い。
何よりハルさんのファンとしては冬山でのハルさんの活躍にシビレた。が、欲を言えばハルさんと一止の馴れ初め的な話にもう少し踏み込んでほしかったけれども、それは作者が出し惜しみしているのか(笑)
タイトルになっている「神様のカルテ」について、3シリーズ終了した後の本作で初めて言及されたのも感慨深いというか、最初から作者はこのシリーズゼロも描きたかったのだろうと思う。
このシリーズはどれを読んでも、読後に清々しい気持ちになれる良作だ。 -
今回の作品もとても良かったです。
栗原一止や進藤辰也の大学時代から、大狸先生と古狐先生こと板垣先生と内藤先生の関係、写真家の榛名の雪山でのエピソードなど、一人ひとりにスポットライトを当てて描かれています。
私は1~3.新章神様のカルテを読んで0を読みました。もちろん、0から読んでも楽しめる作品です!
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H31.4.25 読了。
栗原一止の医学生時代、本庄病院の24時間救急の受け入れ開始の経緯、栗原一止の研修医時代と「神様のカルテとは?」、片島榛名の山岳写真家としての生き方など前作までの神様のカルテにつながる話。今回も読み終わった後に元気をもらいました。大狸先生や古狐先生や金山事務長も生真面目で不器用な生き方が、カッコよく見えました。
新章神カルも早く読みたい。
・「指導医の声には不思議な温かさがある。応援するわけではない。かといって突き放すこともない。その独特の距離感の中で、しかし確かに見守られているという安心感がある。…。何も考えていないようでいて、よく見ている。」
・「全部を自分でしょい込むなよ。研修医と指導医は一蓮托生なんだ。栗ちゃんの判断が間違っているって思ったときは、遠慮なくぶっ飛ばしてやるからよ。」
・「ヒトは、一生のうちで1個の人生しか生きられない。しかし本は、また別の人生があることを我々に教えてくれる。たくさんの小説を読めばたくさんの人生を体験できる。そうするとたくさんの人の気持ちもわかるようになる。」
・「優しいということと、弱いということを混同しているからです。優しさは弱さではない。相手が何を考えているのか、考える力を『優しさ』というのです。」
・「神様がそれぞれの人間に書いたカルテってもんがある。俺たち医者はその神様のカルテをなぞっているだけの存在なんだ。」
・「大切なことはな、命に対して傲慢にならねえことだ。命の形を作りかえることはできねえ。限られた命の中で何ができるかを真剣に考えるってことだ。」
・「生きる理由なんてものは、しっかり生きてから考えればいいんだよ。」 -
4.3
一止たちの学生時代のお話です。
とても面白かった。
きっと最後は榛名姫の話なんだろうな、出会いの場面かな?と予想しながら読み進めていきましたが、榛名姫の話ではあるものの全然違う内容でした。
でも、これがとても良かった。ハルがとてもカッコよく、素敵な人物だと言うのが伝わってきました。
シリーズ通してですが、終わりかたがいつも綺麗というか、読後感が爽やかです。
いい本を読んだな〜という気持ちがほんわかと残ります。
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出来すぎなくらい素敵なハルは、
作者の理想だろうか。
雪山で滑落した登山者に
歩くよう促したときにハルがかけた言葉は、
自分に言われているように届いた。
前日譚をもっと読みたい。
登場人物ひとりひとりの物語を、
おそらく作者は書き留めるだろうなと思う。
2人いたら2人、10人いたら10人の物語を。
おそらく医師としても、
患者ひとりひとりに必ずある人生の背景を、
時間と体力、気力の許す限り
丁寧に読み取ろうとしているのだろうなと思う。 -
どんなに辛いことがあっても、自分には「自分」という味方が常にいることを教えてくれた。
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「神様のカルテ」の原点
それで0なんだと納得
栗原一止や進藤辰也、砂山次郎の学生時代
ここからそれぞれの道へ飛び立っていったのか
本庄病院での面接シーンや研修医として板垣先生( 大狸先生) に直々に教えを請い、鍛えられている姿が初々しい
胃癌の転移から腎不全となった國枝さんに医師としてどうするべきだったのか悩む姿に人間栗原一止の誠実さ真摯さを見、感動する
このシリーズでは、医師と対決する悪役的扱いの大蔵省こと金山事務長の愛犬絹子を散歩する寂しげな背中
妻を胃癌で亡くした辛い過去が、余計な経費は削って、少しでも医師が思う存分力を発揮できる機器や設備を整えているのだと分かり、今までと彼の見方が変わった
国語教師だった國枝さんの膨大な蔵書を前に『本』の魅力を語り合うシーンが好きだ
本が教えてくれるのは、たくさんの人の気持ち
人々の気持ちがわかると優しい人間になれる
相手が何を考えているのか、考える力を「優しさ」という
優しさというのは想像力のこと
大狸先生が言う「神様のカルテ」にも、納得
人というのは、生きるときは生きる。死ぬときは死ぬ
神様のカルテを書き換えることは人間にはできない
命に対して傲慢にならず、限られた命の中で何ができるかを真剣に考えることが人間のすべきこと
それを我々は「運命」という言い方をしたりもする
精一杯その中で自分の人生を生きていくことが大切なのだろう