花とアリス殺人事件

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 684
感想 : 80
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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864053

作品紹介・あらすじ

乙一×岩井俊二、豪華コラボレーション!

石ノ森学園中学校に転校してきた有栖川徹子(通称:アリス)。
しかし、転校早々クラスメイトから嫌がらせを受けるようになる。彼女の席に呪われた噂があるようだ。そんなある日、アリスは、自分の隣の家が『花屋敷』と呼ばれ、怖れられていることを知る。
彼女は、ある目的をもって花屋敷に潜入するが、そこで待ち構えていたのは、不登校のクラスメイト・荒井花(通称:花)だった。

【編集担当からのおすすめ情報】
岩井俊二監督初の長編アニメーション映画「花とアリス殺人事件」(2015年2月20日公開予定)を、乙一さんがノベライズしています。

感想・レビュー・書評

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  • 映画『花とアリス』の前日譚。
    映画『花とアリス殺人事件』の小説版を乙一が執筆。
    面白かった。

    乙一の文章ってどこジュビナイル風だなと思った。
    ひらがなを効果的に多用していて印象が優しげ。
    そして登場人物達と読者の間に、節度ある距離を保させるように書いてあって、押し付けがましくない。

    お話は乙一らしく意外性に満ちた青春ミステリ。
    この’青春‘の部分がくすぐったくて思わず笑ってしまう。
    切なくてちょっと泣きそうにもなる。
    ’失われた‘ものだからかな。

  • 映画『花とアリス』の前日譚である同タイトルのアニメーション映画のノベライズ。
    『花とアリス』を観たことがなかったので一応あらすじを調べたところ、「殺人事件」という言葉が不似合いな内容で怪訝に思いつつ読みはじめました。

    隣同士に住む二人の女の子。
    片方は引っ越してきたばかり、母親と二人暮らし。アリス。
    もう片方は一年以上も引きこもっている。花。
    アリスが引っ越してくる前、その家に住んでいた男の子(とその姉)と花とは幼馴染み。
    好きだったその男の子を殺してしまったと思い込み、事実を知りたくないがために世界を遠ざける花。
    「殺人事件」がきっかけで教室に存在する「呪いの席」をあてがわれてクラスで浮いてしまうアリス。
    「呪い」を解くため、アリスは事件の真相を調べようとする中で花に近付く。
    男の子は生きており、花は学校へ復帰する。

    あとがきによると、小説版は原作者によるいくつかのパターンの脚本から設定が混ぜられており、また乙一による創作部分ももちろん含まれる。
    「名前」についての話である、という解説に納得。
    しかしこれを読んでから『花とアリス』を観るのは抵抗があります。もったいないことをした。
    やっぱり作品は世間に出た順に追うべきなのでしょう。

  • 乙一氏なので、ホラーかと思ったら、ライトノベルでした。登場人物たちもなかなか元気で良かったです。

  • 好きな作家さんの一人である乙一がノベライズ化したので、読んでみた。
    原作があるせいかな?それに合わせようとしているのか、少し物足りなさが残った。

  • 買ってから長いこと積読だった本。
    読まないしメルカリにでも出すかと思った時に、読み始めたら面白かった。
    映画「花とアリス」の花とアリスが小説の中にいた。こうやって2人は出会って仲良くなったのか、と納得できた。ノベライズ版は、がっかりすることが多かったけど、さすが乙一。アニメも見ようかな、という気になりました。

  • 乙一さんと岩井俊二さんのコラボレーション

    両親の離婚によって、母と共に郊外に引っ越して来た
    有栖川徹子(アリス)
    隣の家から同年代の少女が覗いているのに気付く。
    転校してきた石ノ森学園中学校では、
    新しいクラスメイト達から露骨に避けられる。
    徹子(アリス)の机の下には、何故か六芒星の様な落書きがある。
    何故魔法陣が自分の席の下に描かれているのだろうーー。


    アリスがあてがわれた席は呪われた席だった。
    だから、クラスメイト達から避けられていた。
    クラスでは一年前に〝ユダ〟が妻である他の四人の〝ユダ〟に、
    殺されたという不穏な噂があった…。
    設定も面白くって、〝ユダ〟って何?どうなっていくの?
    序盤はワクワクして面白いかもって思ってた。
    だけど…ん~物足りなかった。
    アニメ映画の小説版というのが難しいのかな。
    映像化されると、楽しめるのかもしれないって感じた。
    小・中学生向けの本かな。

    でも、アリスがとって元気で明るくって強くって
    爽やかで可愛いなって思いました。
    アリスと花の友情も微笑ましかった。

  • たしかにここに、あの花とあのアリスがいる、その喜びに胸がいっぱいになるラスト・シーン。これも前半のカーテンで締め切られた暗さがあってこそ。乙一自身も「花とアリス」という作品に愛着を持っており、キャラクターを生き生きと描いてくれている。作者も、読者も、みんなで花とアリスをかわいがって、そして翻弄される楽しさがある。
    花とアリスに横たわる男の子は、みんなしんでいるようなもの。それでいいのだ。だって、世界はふたりの女の子が、水平にも垂直にもならずに、ゆらめきながらくるくると回しているのだから。

  • 実写映画原作かと思っていたら、映画の前日譚だった…
    前知識無しで読んだけど転校した学校で起きた事件
    隣に住んでいた男の子は死んでしまったのか
    ちょっとずつ明らかになっていくのか面白かった

  • 殺人事件なんてなかったんですね。これは人間の成長物語かな。面白かったです。クラスの皆が洗脳されててびっくりしたけど。

  • 乙一さんの作品だから
    もっとこわいかと思ってたから
    なんだかちょっと拍子抜け。

    アレルギーはほんとにこわいから
    絶対やってはいけないいたずらだったなあ。
    いたずらというか、嫉妬心というか。
    発言がちょこちょこ怖くて
    ストーカー気質が垣間見えて
    ブルッとなるとこが所々。

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著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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