- Amazon.co.jp ・本 (315ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093864206
感想・レビュー・書評
-
相羽は珠生を愛していたんだろうか?
相羽の感情がよくわからなかった。
三姉妹の、お互いへの想い。
親子関係。
この辺もはっきりしないことだらけ。
龍子さんが言うように、真央を引き取るのはやめておいた方が…と思った。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
こんな男のどこがいいのかねパート2ではあるが、惚れた弱みというか。木村さんに惹かれるのは分かる。昭和30年代、道東のみならず全国で土建屋と政治家と金融が組んでたんだろうなあ。
-
地元の名家の三姉妹の次女として生まれた珠生は芸者となり、裏稼業の長の姐となる。
長女は国政に進出予定の運輸会社の社長息子に嫁ぎ、妹は家を継ぐ為信金の次男と婚約した。
3人の女と根室の男達…
珠生の生き方が悲しい。
全て珠生の目線で語られるため、相羽の気持ちが見えてこないのですが、そこに愛はあるんか?という感じ。
最後まで相羽珠生を貫いた珠生。
真央の『たまきです』は、そのまま珠生をあらわしていますね。
切ない。
国後から流氷を歩いて野付まで歩けるなんて。
調べたら16キロしかないんですね。
北方領土問題についても、思いを馳せることの出来たお話でした。
-
智鶴・珠生・早苗の三姉妹とそれを取り巻く人たちの一生分が描かれていて、濃厚な読後感を味わうことができた。シゲ・木村・保田・今川 そんな中で龍子だけはホッとできる人だ。本当の鬼は優しい女の顔をしている。
-
再読。男女の関係が、ほのかな恋心→思いを寄せ合う→夫婦→同士と変わっていく様子が丁寧に書かれている。感想、なんて書いていいか分からないけどすごく惹かれる小説
-
桜木氏の作品を初めて読みました。極道ものと思って読み進めましたが、見当違いでした。
戦後の道東の状況を知ることが出来、いわゆる北方領土からの引揚者が多くいたこと、非合法な形で旧ソ連とやり取りがあったという現実が分かる。
時とともにすれ違いが生じる家族・兄弟、女性ならではの情感が生々しく描写されていて、男性の私も感情移入しつつ読むことが出来た。野付半島にはいつか行ってみたい。 -
根室を舞台にここまでドラマが描けるのかと。
海峡と異国。漁業基地、経済基盤とその衰退・・地理的歴史的な面でみると確かにモチーフは揃っているんですね。
「隣国育ちで過酷な幼少期を持つ人物設定」ってところだけ、五條瑛作品を想起しました。 -
この人の著作、面白くないものが全くない!北の曇った大地、絡みとられる血縁の業、力強く生きる女主人公。愛にひたむきに向かい、けして満たされない、実らない、心の襞。
この人の著作の読後感は、なぜかいつも、グレイなのは、北の海の冷たさがリアルだからかもしれない。