わが心のジェニファー

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 660
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864213

作品紹介・あらすじ

浅田次郎が描く、米国人青年の日本珍道中!

日本びいきの恋人、ジェニファーから、結婚を承諾する条件として日本へのひとり旅を命じられたアメリカ人青年のラリー。ニューヨーク育ちの彼は、米海軍大将の祖父に厳しく育てられた。太平洋戦争を闘った祖父の口癖は「日本人は油断のならない奴ら」。
日本に着いたとたん、成田空港で温水洗浄便座の洗礼を受け、初めて泊まったカプセルホテルに困惑する。……。慣れない日本で、独特の行動様式に戸惑いながら旅を続けるラリー。様々な出会いと別れのドラマに遭遇し、成長していく。東京、京都、大阪、九州、そして北海道と旅を続ける中、自分の秘密を知ることとなる……。
圧倒的な読み応えと爆笑と感動。浅田次郎文学の新たな金字塔!

感想・レビュー・書評

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  • NY・ウォ-ル街の投資会社に籍を置くラリ-(ロ-レンス・クラ-ク)は、コロンビア大学卒の恋人ジェニ-(ジェニファ—・テ-ラ-)の「婚約前に、日本を見てきてほしいの」という切なる願いを受けて、一人日本へと飛び立つのでした。成田-新宿-京都-大阪-別府-銀座-釧路とラリ-の足取りを追いながら、幼少期に離婚した両親から引き取られ祖父母に養育されたセンチメンタルな追想が語られます。旅先での様々な人々とのドラマチックな出会いの後には、意外な結末が待ち受けているのでした。(小説を超えた出来事が、この世に溢れています)

  • コロナ自粛中の
    旅行したい気持ちをムズムズさせるような一作。

    NYのラリーは恋人にプロポーズするが
    自分の大好きな日本を見てきて
    と言われる
    パソコン携帯電話なしの
    旅行先からの手紙を待っているわ
    とも

    海外の人が日本を楽しんでる様は
    某テレビ番組を見ててもわかるように
    素直にうれしいしそうだろうと思う
    食に関しては特に!

    ただなあ〜
    京都で着物の美しい女性が声をかけてきて
    フォーリンラブとか
    あれ?タイトルにまでなってるジェニファーは…
    そしてベッドをともにした朝にも
    ジェニファーにしゃあしゃあと手紙をしたためる…
    なんなん…この男
    何しに来た

    と各地で女によろよろして
    (それも女が物欲しげに近寄ってくる設定)
    そのくせジェニファーにラブレターを送る意味不明さ

    じいちゃんが元軍人で名士で
    セレブなのはわかったけど
    それを表現するためにたびたび使われる
    「ソーシャライツ」という言葉
    なじみがなくてぐぐったくらいだけど
    この言葉がこの男を象徴する言葉だな

    映画で見ただけだけど
    「メトロに乗って」もすぐヤっちゃって
    なんなんこの作者
    そういうふうにしか物語を編めないの?
    他の作品はどうなんだろ

  • 米国人青年が日本の習慣、行動をどう感じるか参考になると共に日本の良さ、素晴らしさを感じる事ができる物語。
    印象に残った文章
    ⒈ 僕は、この指輪に魂を吹きこんで、いつか君に贈ることができるのだろうか。
    ⒉ 結果を求める人生に、幸福はないんだ。
    ⒊ 父は1949年に、アメリカ人の父親と日本人の母親の間に生まれた。つまり、進駐軍の落とし物だった。

  • 笑って泣かされるいつもの浅田節。久しぶりに味わいました。ただ京都と大阪はなんか中途半端な終わり方。別府温泉もどうしてこうなるのかよく分かりませんでした?最後の北海道も伏線の解決としての父との再会なんだろうけど、あまりに唐突すぎてよく分かりませんでした。なんか残念。

  • どう捉えたらいいのか、、、日本が舞台じゃなかったら、パリが舞台の異国のひとの話だったら、ふわふわ読めたかもしれないけど。。
    恋愛を軸にするなら、こんなブレブレで涙もろくて惚れっぽいやつはやめとけジェニファー、という感想だし、日本文化礼賛のようで、日本ってこうじゃないけど。。。という違和感も満載で。着物きて清水寺にひとりいて、あったばかりの旅行者とのこのこホテルに行くなんざ筋金入りのアレでしょうよ。。。さいご、いきなりの父子再会も強引すぎるし。こんなに日本ワンダフル!ってならないでしょ、、、、手紙のボリュームも毎度違和感あるし、、
    ああこんな男ヤダ、こういう思考回路のやつヤダ、と思い続けながら読んだから、合わなかったんだろうな。もやもやの1冊でした。

  •  日経に新刊の広告が掲載されたのを見てさっそく注文せずにはいられなかった。10月26日発行の本が26日に配達された。Amazonの早業か。浅田の作品は「蒼穹の昴」や「壬生義士伝」などしか知らなかったので、浅田次郎もこんな作品も書くんだ!と再認識した。

     タイトルの「わが心のジェニファー」を単に「ディア・キャシー」ではなく「ジェニファー・オン・マイ・マインド」とするあたりの説明は妙に納得がいった。知らないフレーズがよく出てきて英語の勉強にもなった。

     ニューヨークで日本びいきの恋人にプロポーズしたら、一度自分の眼で日本を見てきてからにしてと、保留にされたラリー。彼女のことばに従い日本を訪れてみると、それまで考えていた日本とは全く異なる日本がそこにあった。ラリーが日本の滞在先から恋人に送る手書きの手紙を綴る形でストーリーは進行していく。そしてラリーに関わった女性たちが一様に口にした「クレイン・ダンスを見よ」というメッセージを完結させるため、丹頂が渡って来る釧路へ行く。そこで意外なクライマックスを迎える。

     ラリーは行く先々で日本の魅力を発見していく。そしてそれを恋人に逐一報告する。最初は祖父の影響もあってか日本を少々小馬鹿にしていたが、実際にその眼で見ると素晴らしいところが目に付く。ラリーの素直にそれを受け入れる柔軟性が好ましい。

     浅田はラリーに日本良さを発見させることによって、日本の読者に日本再発見を促しているのだろう。最近はテレビでも日本の良さを見直すような番組が増えた。日本人に自信を取り戻してほしいという浅田のメッセージだと思う。こういうと直ぐにナショナリズムだと言う人やジャーナリズムがあるが、それは違うと思う。自分の国を正しく認識することこそ、世界のグローバル化に対応する方法ではないだろうか。

  • タイプの女性多すぎる

  • 紐約客ラリー,在未婚妻的要求下隻身來到日本旅行,遇到許多文化衝擊,從東京到京都再到大阪、別府溫泉,最後甚至到了北海道見證了丹頂鶴之舞。這趟旅行包括內心對於自己成長環境的失落(被父母丟下,由祖父母養大),以及對文化的見證與反思。前半部在京都本來以為會這樣探索下去,沒想到遇到謎樣美女,突然就開始走滑稽不可思議路線,開始遇到諸如苦行僧、憧憬美國在家裡也用英文教育的貴婦等等,還有不少豔遇(只是都刻意在信中隱瞞)。前半段主要是文化衝擊和思索,後半段就變得較為輕快,似乎不願讓作品陷入沉思,所以也歡快地結束(還與父親偶然相遇),至少是昂揚的結局。一本小品娛樂性之作,讓一切留在不真實中。不過我也想,如果維持前半的步調,更深入的沉重,會是什麼樣的作品,對京都的描寫個人也感覺似乎還有更深入的空間,略嫌可惜。老海軍祖父和溫柔的祖母是我相當喜歡的角色,不但要前進,也要回頭觀察航跡。

  • 始まりはまったく盛り上がりに欠ける
    アメリカ ニューヨークの5番街を歩くアメリカ人男性
    彼が婚約者の薦めで 日本をひとりで旅する
    スマホなどの情報収集手段を持たずに
    外国人の視線で 日本人女性と日本の習慣 文化を楽しみながら旅していく。
    浅田次郎視線なのか 日本人の行動 思考をある程度否定(馬鹿に)しながら
    そして 思わぬ結末に
    ちょっと 安易に結末に持っていきすぎじゃないかなぁ(笑)

  • アメリカ人のある男が日本大好きな彼女に求婚するが、条件として日本に直接行って体験してほしいと言われ、日本を旅する話。
    コミカル調のライトな作品と思いきや、最後の最後で大どんでん返しがあり、大変感動しました。

    浅田次郎は本当に卓逸したストーリーテラーだと改めて感じさせる一冊。心が温かくなる一冊でした。

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著者プロフィール

1951年東京生まれ。1995年『地下鉄に乗って』で「吉川英治文学新人賞」、97年『鉄道員』で「直木賞」を受賞。2000年『壬生義士伝』で「柴田錬三郎賞」、06年『お腹召しませ』で「中央公論文芸賞」「司馬遼太郎賞」、08年『中原の虹』で「吉川英治文学賞」、10年『終わらざる夏』で「毎日出版文化賞」を受賞する。16年『帰郷』で「大佛次郎賞」、19年「菊池寛賞」を受賞。15年「紫綬褒章」を受章する。その他、「蒼穹の昴」シリーズと人気作を発表する。

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