下町ロケット2 ガウディ計画

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  • 小学館
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  • / ISBN・EAN: 9784093864299

作品紹介・あらすじ

直木賞受賞作に待望の続編登場!

その部品があるから救われる命がある。
ロケットから人体へ――。佃製作所の新たな挑戦!

ロケットエンジンのバルブシステムの開発により、倒産の危機を切り抜けてから数年――。大田区の町工場・佃製作所は、またしてもピンチに陥っていた。
量産を約束したはずの取引は試作品段階で打ち切られ、ロケットエンジンの開発では、NASA出身の社長が率いるライバル企業とのコンペの話が持ち上がる。
そんな時、社長・佃航平の元にかつての部下から、ある医療機器の開発依頼が持ち込まれた。「ガウディ」と呼ばれるその医療機器が完成すれば、多くの心臓病患者を救うことができるという。しかし、実用化まで長い時間と多大なコストを要する医療機器の開発は、中小企業である佃製作所にとってあまりにもリスクが大きい。苦悩の末に佃が出した決断は・・・・・・。
医療界に蔓延る様々な問題点や、地位や名誉に群がる者たちの妨害が立ち塞がるなか、佃製作所の新たな挑戦が始まった。

日本中に夢と希望と勇気をもたらし、直木賞も受賞した前作から5年。
遂に待望の続編登場!

感想・レビュー・書評

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  • 待ちに待った著者の最新作(出版社の戦略か、テレビドラマのヒットに合わせたかのようなタイミングの刊行がちょっと気になるが<笑>)。
    相変わらずの池井戸潤節、けっして読者を裏切らない爽やかな読後感は健在。
    『2』は、なんとロケットエンジンの部品+人間の命を救う医療機器という、意表を突く開発計画がテーマ。先頃「バックトゥザフィーチャー」の中での空想が、30年後の現在で現実になっていると話題になったが、この作品での心臓の人工弁も実現化するだろうか。
    続編は往々にして初回作品を越えられない傾向があるといわれるが、今作はその常識を覆す出来ばえといっていいかも。
    佃社長の小気味いいセリフが読者を魅了する。
    「今時誠実さとか、ひたむきさなんていったら古い人間って笑われるかもしれないけど、結局のところ、最後の拠り所はそこしかねえんだよ」
    「仕事に夢がなくなってしまったら、ただの金儲けです。それじゃあつまらない。違いますか」
    このところ世を騒がせている『くいデータ流用・偽装事件』あるいは『東芝事件』などの関係者に、池井戸作品を読むことをお勧めしたいと思いますが。

    • 杜のうさこさん
      hongoh-遊民さん、こんばんは~♪

      コメントありがとうございます!
      嬉しかったです!

      そうですよね。
      池井戸さんの作品に...
      hongoh-遊民さん、こんばんは~♪

      コメントありがとうございます!
      嬉しかったです!

      そうですよね。
      池井戸さんの作品にはいつも勇気づけられますよね。
      「天網恢恢~」のことわざが頭に浮かびます。

      読売新聞の連載、残念ながら読めないんです。
      でも池井戸さんの本は先が気になって一気読みのパターンが多いので、
      焦れなくていいのかも。。。
      と思うようにします(笑)

      テレビで人気の作家さんになられましたが、
      『空飛ぶタイヤ』とか『鉄の骨』のような重厚な作品もまた書いてほしいです。
      2016/01/06
  • ドラマと同時に読み進めることになりました。
    自然と佃さんが阿部さんのイメージで。
    とても胸が熱くなり、充実した気持ちに。
    さぁ、前を向いて歩こ!

  • 新年の幕開けに読もうと決めていました。
    勇気と希望を与えてくれると信じてたから。

    やはり池井戸潤さんは裏切らない!

    信念を持ち、真っ当に生きていれば、
    必ずお天道さまは見ていてくれる。

    あきらめずコツコツと努力し続けたら、
    きっと夢はかなう。
    そう信じさせてくれました。

    と、書いていて少し照れるんですが、
    池井戸さんの本を読むと
    こういう言葉を口にしたくなるんですよね。


    そしてドラマです。
    ガウディ編がこんなに早く放送されるとは…。
    読む前に見たくなかったので、
    家族が見始めると、あわててリビングから逃げ出すんですが、
    音が聞こえるんですよ。豪邸なもので(笑)
    ついついお耳がダンボで困りました。

    世界に誇れる技術を持つ佃製作所のような町工場が
    この国には数多く実在するんだから、
    日本がダメになったなんて、言ってはいけないですよね。

    • honno-遊民さん
      「池井戸潤は裏切らない!」
      確かにその通り、読む者の心に勇気と希望を与えてくれ、まっとうに生きる人の人生への応援歌と言ってもいいかも。
      ...
      「池井戸潤は裏切らない!」
      確かにその通り、読む者の心に勇気と希望を与えてくれ、まっとうに生きる人の人生への応援歌と言ってもいいかも。
      朝刊によると、「花咲舞が黙ってない」の連載が読売新聞で始まるそう。
      今度はどんな展開が待っているか、これも楽しみですね。
      2016/01/06
    • azu-azumyさん
      こちらにも、おはようございます♪

      読まれたんですね~!
      私も早く読んでみたくてうずうずしているのですが、もう少し先になりそうなので…...
      こちらにも、おはようございます♪

      読まれたんですね~!
      私も早く読んでみたくてうずうずしているのですが、もう少し先になりそうなので…
      杜のうさこさんの「やはり池井戸潤は裏切らない!」が胸に響きましたよ~
      これはもう期待度MAXです。
      2016/01/10
    • 杜のうさこさん
      azu-azumyさん、こちらでもこんばんは~♪
      やっと読みました~!
      こちらでは、年末にドラマが放送されてたから、もう大変(笑)
      ...
      azu-azumyさん、こちらでもこんばんは~♪
      やっと読みました~!
      こちらでは、年末にドラマが放送されてたから、もう大変(笑)
      原作読んでからじゃないと!
      ロケット編の方は見たんですが…
      ドラマWの三上さんの方が好き(ナイショ・笑)

      私ね、勧善懲悪ものが大好きなんですよ~。
      根が単純だからかな?

      池井戸さん、こんなにメジャーになる以前から大好きでね。
      半沢直樹シリーズが有名だけど、
      個人的には『空飛ぶタイヤ』とか『鉄の骨』といった方が好みです。

      早く読めるといいですね!
      感想楽しみにしてます♪
      2016/01/12
  • 「ロケットから医療へ」
    絶賛放映中の下町ロケット後編の原作本。
    我慢せずに読んでしまった。

    三菱ーーじゃなくて帝国重工 vs 佃 と圧倒的にサイズの違うものに挑んだ前半戦と違い、後半は 医学会や 業種の違う中小企業が登場する。
    とはいえ、本書冒頭の関連図をみながら 帯と 最初の章を読めば 、どういう話になるのかなんとなく見当はつく。

    それでも面白いのが池井戸本。
    現実のビジネスはもうちょっとドライではないかと思うが、そこにウェットさをプラスして物語に編み上げる。
    対立して自分のもとを去った部下や、めんどくさい帝国重工とも折り合いをつけていく佃をはじめ、表層的ではない登場人物たちが ここぞというときに発する一言が良いのだろう。
    実際には、思っても口には出せない一言が。

    さて、端役ながらガウディ計画には女性技術者が加わってくる。
    彼女を妙に女性女性と持ち上げず変に色をつけず、ごくごく当たり前に描いているところがいい。
    好感度大。
    若い女性の活躍に戸惑うおじさんたち、 どうぞ参考に♪

    土俵際の佃たちの思わぬ救援となったジャーナリストも女性女性と書かれていない。
    しごくまっとうで気持ちがいい。

    もう一つ、
    フシギの国ニッポンは、失敗はものすごく叩くくせに、権力権威が突き通す嘘には激甘だ。
    なかったことにしちゃう。
    情報統制をはかる権力とそれに癒着するメディア。
    本作では、そんなことは許さないよ〜(^^)
    失敗には甘くはないが寛容さを見せるものの、悪意の隠蔽やインチキには鉄槌を下す。
    倍返しだよ♪

    謝辞によると 今回は 大阪医科大学と福井経編興業に取材しているそうだ。
    実際に繊維技術をいかして人工血管を作り出したコンビらしい。

    ドラマ後編は、その福井経編興業でロケをしているとのこと。
    ドラマ後の5分番組にも出てくるかな?
    http://www.fukutate.co.jp/

  • 以前読んだ下町ロケットの続編ということで、期待に胸膨らませ一気読みした。
    佃製作所のピンチにヒヤヒヤしながらも、最後のどんでん返しはかなり爽快だった。

    今回の話は、佃製作所の新しいチャレンジである心臓の人工弁を作ることに焦点を置いている。

    吹けば飛ぶ、そう揶揄される佃製作所。
    中小企業が医療の分野に足を踏み入れるのは、かなりのリスクを背負うことになる。
    もし医療事故がおこると、莫大な慰謝料に、佃製作所のような中小企業は一気に倒産に傾くだろう。

    それでも、この大きなリスクを背負ってでも、桜田経編の桜田社長や一村医師は成し遂げたかった夢がある。
    子供たちの心臓にあった人工弁を作ること。
    それがどれだけ医療に貢献し、人の命を救えるか。

    その熱意に触れた佃製作所は人工弁を作りたいという気持ちが膨らんでいく。
    命の尊さを実際の手術の現場見て感じた。
    そして佃製作所は人工弁の制作、「ガウディ計画」に乗り出したのである。

    人々の情熱が物作りにあふれ、時間がかっても夢を実現させる力に圧倒された。

    職人でオタク気質な佃製作所のキャラクター達の熱意に感動し、またこの先の幾度とないチャレンジも応援したいと思った。

  • 「苦手な上司、苦手な顧客、苦手な同僚。どれもが働く以上は避けて通れない通過儀礼のようなものだ。それを克服するもっとも簡単な方法が自らの出世であるということに貴船が気づいたのはいつ頃であろうか」

    立候補したリーダーを批判する前に、立候補しなかった自分を恥ずべきだ。

  • ロケットのエンジンのキーである バルブシステム技術は
    佃製作所の特許もあって、帝国重工のスターダスト計画のロケットに使われている。
    そこに現れた NASAでの実績を持っていた椎名が サヤマ製作所の経営として辣腕をふるい、帝国重工のバルブシステムの共同開発を持ちかける。
    椎名と佃の激しい技術的な戦いが始まる。
    佃は、異物センサーによって、異物を発見しシュレッダーによって、バルブシステムの不具合がおこらないようにする技術を開発。このアイデアは、面白いなぁ。

    一方で、医療機器販売の日本クラインから、人工心臓のバルブの試作品を作るように、依頼されたところから、新しいドラマが始まる。

    大学における 教授とそのほかのヒエラルヒー。
    トップと2流、3流の医学部の順列。
    教授に逆らえば、雑誌への投稿の審査にも響き、掲載されなくなる。
    厚生労働省のPMDA 医薬品医療機器総合機構による審査の独善性。
    ここで通らなければ、認められない。
    中小企業の弱小資本が保証できないと言われる。
    それに審査に時間がかかり、デバイスラグが起こっている。

    直接 死に至らしめるような 医療機器
    (人工心臓、人工弁)は 
    大手企業でも取り組まず
    測定機器が基本であること。

    中島という技術者の力量を見抜く。
    そして、それがどれだけできるのかを見ながら
    実際は、情報流出となって、取り繕えるが、
    実際のブラックボックスは、多くある。
    会社の内部の連携はとても重要である。
    佃品質、佃プライドの勝利だね。

    立花と加納コンビとなぜ人工弁を開発するのかという
    原点が 極めて重要な支点となって 登場する。

  • ロケットから人体へ―佃製作所の新たな挑戦!前作から5年。ふたたび日本に夢と希望と勇気をもたらすエンターテインメント長編!! (「BOOK」データーベース)

    楽しめました。
    でも、前作の方が面白かったかな…

    • 杜のうさこさん
      azu-azumyさん、こんばんは~♪

      読まれましたね!
      私も同じく、前作の方が好きです♪

      ドラマのために書かれたわけではない...
      azu-azumyさん、こんばんは~♪

      読まれましたね!
      私も同じく、前作の方が好きです♪

      ドラマのために書かれたわけではないのでしょうが…。
      その影響も多少はあったかも…と思ってました。

      なにより配役が先に入ってくるのが苦手で、
      ドラマも見ないようにはしてたんですが。

      やっぱり本が先です!
      2016/02/07
    • azu-azumyさん
      杜のうさこさん、こんにちは~♪

      はい!
      ようやく読みました^^
      杜のうさ子さんも前作の方がお好きなんですね^^

      ドラマは見な...
      杜のうさこさん、こんにちは~♪

      はい!
      ようやく読みました^^
      杜のうさ子さんも前作の方がお好きなんですね^^

      ドラマは見ないようにしていたのですが
      色々なところからもれ聞こえてきて~(笑)

      配役は難しいですよねぇ…
      自分が描くイメージとあまりにも違いすぎたりして(苦笑)

      ほんと!
      やっぱり本が先ですよね!!
      2016/02/09
  • T図書館
    ロケット2作目/4
    2015年ドラマ後半
    ロケットから人体へ新たな挑戦

    日本クラインはコアハートという部品の製作を佃製作所に断わられ、NASA出身の椎名社長のサヤマ製作所に発注
    佃製作所は、辞めた真野から、ガウディ計画(人工弁のコードネーム)の人工弁のパーツ製作を懇願された
    福井県でガウディ計画の一社、桜田経編の桜田社長の話に心を打たれた佃らは、一村ドクター、桜田経編と共にガウディ計画に加入、そこには様々な困難や嫌がらせが勃発する
    そんな中、帝国重工から受注していたロケットの部品は、サヤマとコンペになり、結果サヤマか?
    また、サヤマが作製のコアハートを使った患者が死亡した
    この医療事故にサヤマ製作所に疑いの目が
    ガウディ計画はどうなったか?

    《感想》
    ドラマでも原作でも面白かった
    正しいことをしていれば勝つという方程式はスカッとする
    以下の佃社長の言葉や貴船ドクターの気持ちは心打たれた

    佃製作所を辞めた中里は、自分でコアハートの設計をしたと偽ってサヤマ製作所に勤め、その部品のせいで医療事故なのかどうかわからない
    佃社長が何もかも知っている時点で夜に電話をかける、佃社長のセリフ
    146「世の中や会社に迷惑かけないようにしろよ、いいな」
    「夜分すまなかった、まだ会社か何かの用事でこっちが来ることがあったら、顔出せよ、茶ぐらい飲んでいけ、じゃあな」
    しかりつけてもいいのに、中里の気持ちを汲んで、心の居場所を作ってあげているようなあたたかい言葉に器が広い

    医療事故が起こり部下の巻田ドクターのせいにした貴船ドクター、その巻田がマスコミに流したことを知り絶望している文章
    貴船ドクター
    317「憤怒と絶望、焦燥と羞恥、怒涛の感情に翻弄され、精も根も尽き果ててしまったかのようだ」

  • 面白かった。佃社長は素晴らしい。こんな上司の下で働きたいなぁ。「仕事に夢がなくなったらただの金儲けだ」自分もそう生きてみたい。失墜してやっと昔の自分に戻れた貴船先生も良かった。

  • 東京大田区下町の中小企業が、ロケット・エンジンバルブ開発に次いで挑戦する、人口心臓試作と人工弁開発への汗と涙の物語です。アントニオ・ガウディに因んだプロジェクト計画に挑む「佃製作所」の勇気と英知には、大いなる感動を呼び覚ましてくれます。佃航平社長は〝過ちに気づいたところでスジを通さない奴は、絶対に生き残れない。姑息な了見が通るほど世の中ってのは甘くないんだよ〟〝今時誠実さとか、ひたむきさなんて言ったら、古い人間って笑われるかも知れないけど、結局のところ最後の拠り所は、そこしかねえんだよ〟と戒めています。

  • やっぱり面白かった。正義は勝つって話はいいですね。
    なんかみんなが好きな要素が満載。
    佃製作所、こういう会社っていいな。
    登場人物も素晴らしい。池井戸さんって凄いな~

  • ドラマとほぼ同時に刊行されたような気がする。ドラマは見ていないが。ロケットから医療機器。しっかりと前作の内容も絡めている。取材もきっと詳細にされたのだろう。間違いなく傑作。

  • ドラマを見た後から読んだので、読みながらドラマの登場人物人が目に浮かんで来ました

  • 読書日数 4日

    現在ドラマ化されている「下町ロケット」の続編書き下ろし。

    帝国重工にロケットエンジンバルブを部品供給することで、ロケットの打ち上げが成功してから後、今度は「心臓の人工弁」の設計に挑戦する。

    そんな中でも相変わらず「佃品質、佃プライド」は健在だか、前作との違いは「なんのために仕事をするのか」ということであった。

    今回は「医療機器」ということもあり、失敗をしたらせいめいに関わることであるので、そのリスクを負いたくないと考えがちである。

    実際、初めは躊躇もしていたのだが「医療の進歩が、人々の幸せやその周りを幸せにしていく」ということに気づかされることで、それに邁進するというのが、読んでいて共感できた。

    ライバル会社や医学会の利権がらみに翻弄されながらも、佃製作所の社風が本当に素晴らしく、こういう職場で「真剣勝負することができる」というのも、町工場ならではの醍醐味だと感じた。

    この作品は、今後の日本の「ものづくり」を目指そうとする若者が増えるいいきっかけになると思った。

  • 下町ロケット続編、とても面白かった!
    引き続き帝国重工とのロケットのバルブ供給の問題が動いていくのと同時に、いよいよ人工弁“ガウディ”計画も始動。
    大企業の思惑や派閥の対立、白い巨塔の権力闘争、研究者の夢と挫折、家族への思いなどさまざまな要素が次々と加わり、その展開はとてもスピーディで目が離せない。

    基本的には勧善懲悪のすがすがしさがありながらも、悪が悪だけで終わらないところもよかった。前作の真野さんしかり、今作でもふっと憑き物のとれる人たちの姿は印象的。何のためにこの仕事をしているのか、というのを見失わない人は強い。

    佃社長と帝国・財前の信頼関係もゆるぎなく、読み終わったときに佃製作所の社員と一緒になって乾杯したくなるような、池井戸さんらしい魅力的な一冊。

  • 久々に読んだ池井戸作品。
    今回の佃製作所はなんと医療業界の分野へ乗り出す。

    相変わらず敵対する企業らが憎たらしいキャラのオンパレードで…読み進めながらムカムカ。
    「こいつら~、見てろよ!最後絶対ギャフンって言うんだから」と怒りつつ。
    なかなか試作品ができない佃製作所社員の焦りに一緒にハラハラしたり。
    ときに「仕事とは何か」と池井戸作品共通テーマについて涙したり。

    やっぱり面白かった!一気読み。スッキリ爽快の読後感。
    そろそろドラマも見始めよう。

  • 会社の規模が大きければ信頼がある?
    そんなことはない。
    会社や商店など、ある程度の規模の職場は、社長や店主の持つ雰囲気に近い人(似た考えの人)が集まっているように感じる。
    佃製作所もそんな職場。
    自分の仕事に誇りを持ち最後までやり遂げるのはいいな。そうありたいもんだ。
    しかし、権力にものを言わせ横槍を入れてくる人っているんだろうな。邪魔する人とそれに打ち勝とうとする人という構図が一気読みに繋がるわ。

  • やっぱり面白かった。ロケットから人体に変わっても中小企業を馬鹿にしたような人物にぎゃふんと言わせるのは溜飲が下がる思い。今回は重要な要素に福井に企業(福井経編さん)がモデルになって出てくるのもうれしい。この話がテレビドラマの第2部になると思うとますます楽しみで、ぜひ、こうした機会を通じて福井の良さをアピールできたらって思うけどなあ。今回、前回の話で佃製作所退社した真野がキーマンで出てきますが、今のドラマのイメージが強くって(笑)。開発部の紅一点?アキちゃんには次回は更なる活躍を期待したいですね。

  • 下町ロケット2  ~ガウディ計画~ 
    2015/11/5 著:池井戸 潤

    著者は1998年「果つる底なき」で第44回江戸川乱歩賞を受賞。2010年「鉄の骨」で第31回吉川英治文学新人賞、2011年「下町ロケット」で第145回直木賞を受賞。

    従業員200人程の中小企業である「佃製作所」、前作において同社は中小企業でありながら、高い技術が求められる宇宙産業への参入に成功し大企業へロケットの部品の供給を行っていた。

    本作では、社長である佃航平の夢、佃製作所の夢であったロケットという宇宙産業から人体という医療業界へと舞台を移すことになる。

    前作同様、色々な困難が現れる中、佃航平、佃製作所の行く末やいかに!?


    シリーズものは難しい。そして1がとてつもなく評価された作品であればそれは尚更ハードルは高くなる。しかし、本書についてはそんな高い高い高~いハードルをピョンと序盤で越える程の強さがある。

    企業が方向性として大きな選択を行う際に
    必ず採算・カネの問題が生じる。
    前作はその採算+夢がその方向性を後押しし
    本作では、採算+人の命が影響してくる。
    失った命という過去だけではなく、救いたいという将来の命
    それがうまく絡み合い、彼・彼女の気持ちに火をつけることになる。

    大企業であっても中小企業であっても
    環境や資金力等の差はあれど
    やはり最後は「ヒト」

    本作には多くの登場人物が存在するが
    どの人も主役級の働きをしており、様々な角度からその
    活躍を巧く捉えている。

    働くモチベーション、生きるモチベーションについて
    お金だけではなく、もっと壮大な何かに気付かせてくれた。

    読み始めたら止まらない
    明日から頑張ろう・・。
    そんな不思議な力を持った一冊。

  • 佃製作所においての新たなる挑戦。
    最新医療機器、人工心臓弁。

    ロケットのバルブを作る会社なのに?と首をかしげたくなる挑戦だからこそ、やってみる価値ある。
    どんな会社であっても、全く新しいものを作ることで商機を勝ち取り会社を新しいものに変えていく。
    アマゾンしかり、グーグルしかり。
    もちろん、この本のように失敗もあるだろうと思う。でも、トライしないことには何も起こらない。
    トライ アンド エラーの継続で、見つけていくことが一番の近道なんだ。

  • 今回も佃製作所の情熱を胸に感じる作品でした。

    「やりがいを第一に考えた、温度の通った佃製作所」
    「実利にとらわれすぎた冷徹なライバル企業」

    という池井戸作品特有の両社の対比構造が、手に汗握る展開を作り上げていて、非常に読みごたえがありました。

    また、こんなにも読者という第三者的な立場にありながらも「情熱」と「エゴ」の狭間を体感できる作品はあまりないので、さすがの池井戸潤だと思いました。


    「わかってはいるけど感情を大きく揺さぶられる」

    この作品はこの一言に尽きると思います。
    素晴らしかったです。

  • ロケットから医療へ。どっちも壮大で夢のあるお仕事。実際、夢ばかりを追ってもいられないんだけど、そこは小説ですから。夢があり、実績もある佃製作所、応援してます。

  • 4.4

  • 第3作を読む前にまず2作目をということで。メンバーも前作からの思い入れがあり応援したくなる。日本人は特に巨大勢力に立ち向かう弱者が大好きなのだ。ハッピーエンドが分かっているけどしっかり楽しめる。

  • 東京大田区にある、中小企業の佃製作所。
    独自の視点で生み出す特許と凄腕の技術を持ちながらも、中小企業の悲哀で大企業の胸先三寸に翻弄されることも多い。
    社長がNASA出身という競合他社も現れ、見込んでいたロケット部品の受注も危ぶまれる中、愚直なまでに「良い物を作る」ものづくり精神を守り続ける社長の佃以下社員の奮闘を描いた物語だ。

    良くも悪くも悪い奴と善い奴がパッキリ分かれていて話も定石通りで驚きはないけれどわかりやすい。
    さっくり読める一冊だった。

  • 図書館より。
    ようやく読了。
    すごい余韻。サイコー!(笑)
    ドラマで見知っていたものの、やはり原作はいい!ドラマの俳優さんの顔と照らし合わせながらニマニマして読んでいたものの、やっぱり肝心なところはぐいぐいと読ませる筆力はスゴい!

    ロケットから人体へ。

    スゴいな~(笑)こんな感想しか言えないけど、面白かった。

  • 面白かったです。『下町ロケット』が良かっただけに、続編を読むことが少しこわかったのですが、今回も感動しました。命に係わるモノだからこそ、より確かで安全なモノを求められます。佃製作所のようにプライドと信念を持って頑張っている所が多いことを信じたいです。

  • 「下町ロケット」の続編。
    ロケットエンジンのバルブシステムの開発により、倒産の危機を切り抜けてから数年、大田区の町工場・佃製作所は、またしてもピンチに陥っていた。
    量産を約束したはずの取引は試作品段階で打ち切られ、ロケットエンジンの開発はライバル企業とのコンペとなった。
    そんな時、実用化まで長い時間と多大なコストを要する医療機器の開発依頼が佃に持ち込まれたが――。

    今度は医療機器の開発が舞台。
    絶対に面白いとわかっているので、安心して読めますね~。

    大企業の取引打ち止めや内部の裏切りなど、またしても佃製作所は危機に陥っていくわけですが、そんな逆境を乗り越えていく過程がとてもスリリングで読み応えあり。

    地位と名誉を求めるあまりに人の命を助けるという本来の目的を忘れてしまった医者側の人々に対し、愚直に夢に向かって信念を貫く姿勢を崩さない佃製作所の面々。
    果敢に立ち向かう彼らの姿には、人を動かし変えていくのはいつでも人の純粋な情熱であることや、原点を忘れないことの大切さ、などを教えてくれます。

    ベタな勧善懲悪的な話なのですが、前作同様スカッとさせてくれます。

  • 1に続いて、ドラマに追いつこうと購入、読破。

    ドラマでも十分に体の中から熱くジワジワと感動をくれて、
    原作を読んでもそのシーンが思い浮かべられる書き方で読み応えがあった。非常に本に読み入った。

    その中でも、PMDAでの立花の訴えは心に重熱く響いてきた。
    原作でいうと336ページあたりからで、佃がなにか言い返そうといや言い返すことができなかった矢先立花が立ち上がり(佃を乗り越えてしゃべりだすタイミングも絶妙な演技で◎)力説をするシーンはセリフもほぼ原作通りで何度映像を見返しても涙が出て来る忘れられないシーンでした。
    下町ロケットというか池井戸潤さんの作品はどれも大きな組織に立ち向かっていこうとする主人公たちを描いていて一緒に応援したくなるそして最後には爽快な気分にさせてくれる価値の高い作品ばかりです。
    これもおもしろかった。感動した。ありがとう。

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著者プロフィール

1963年岐阜県生まれ。慶應義塾大学卒。98年『果つる底なき』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。2010年『鉄の骨』で第31回吉川英治文学新人賞を、11年『下町ロケット』で第145回直木賞を、’20年に第2回野間出版文化賞を受賞。主な作品に、「半沢直樹」シリーズ(『オレたちバブル入行組』『オレたち花のバブル組』『ロスジェネの逆襲』『銀翼のイカロス』『アルルカンと道化師』)、「下町ロケット」シリーズ(『下町ロケット』『ガウディ計画』『ゴースト』『ヤタガラス』)、『空飛ぶタイヤ』『七つの会議』『陸王』『アキラとあきら』『民王』『民王 シベリアの陰謀』『不祥事』『花咲舞が黙ってない』『ルーズヴェルト・ゲーム』『シャイロックの子供たち』『ノーサイド・ゲーム』『ハヤブサ消防団』などがある。

「2023年 『新装版 BT’63(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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