- Amazon.co.jp ・本 (306ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093864404
作品紹介・あらすじ
文芸冬の時代に放つ激熱エンタテインメント
大手出版社の文芸編集者・俊太郎と、華々しいデビューを飾ったものの鳴かず飛ばずの作家・豊隆は幼馴染みだった。いつか仕事を。そう約束したが、編集長の交代などで、企画すら具体的にならないまま時間だけが過ぎていく。やがて、俊太郎の所属する文芸誌は存続を危ぶまれ、豊隆は生活すら危うい状況に追い込まれる。そんな中、俊太郎は起死回生の一手を思いつく。三流編集者と売れない作家が、出版界にしかけた壮大なケンカの行方は!?
小説の役割は終わったのか? 「STORY BOX」連載時から、作家・編集者・書店員の方々をざわつかせた問題作がついに刊行。小説をめぐる、男たちの熱きドラマ! 『イノセント・デイズ』『95』で大注目の作家が、文芸冬の時代に放つ、激熱のエンタテインメント!!
【編集担当からのおすすめ情報】
装画は、故・土田世紀先生の『編集王』のカットを使用。
読んでいただいた書店員さんから、熱いコメントが多数寄せられています。
感想・レビュー・書評
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友人のお薦め本。早見氏ご本人の、「書き続ける」という強い思いを熱く受け取りました。
登場する女性陣が、覚悟を持った人ばかりでカッコ良かった。
・中学生に小説全面無料化!
・図書館で本を借りられたとき、一円でもいいから作家にお金が流れる仕組み
実現したら面白い!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白かったです。
小説は死なない。
媒体を変えて生き続けていくんですね。
熱い想いを感じます。
小説王のタイトルがそれですね。 -
「売れない作家と弱小文芸誌の編集者が、まさに文字通り『命懸け』で小説を作る話」とまとめてしまうこともできます。
目を見張るような大きな事件が起こるわけでもなく、彼ら二人の血の滲むような努力が実を結ばないこともあります。
それでも、読書が、小説が好きな人にはぜひ読んでもらいたい作品です。小説家は「何が何でも書かなければならない」から書く。編集者はその作品の良さを少しでも知ってもらいたくて売る。そうして作られた小説の1冊に、読者は人生を救われることもある。
本を読むということの幸せさをひしひしと感じさせてくれる物語です。
本を書く人、作る人、読む人、一人ひとりがみなそれぞれの人生の主役であること。「今日」にどんなことがあっても「明日」はやってくること。言葉にすると陳腐ですが、そういったことも含めてとても力強く訴えてくる作品でした。 -
表紙が怖いけど、作家と編集者の熱いドラマで一気に読めます。
この2人が小学校の同級生というのもいい流れですし、家族との関係も織り交ぜながら、変な落とし穴もなく、小説という1つの作品が出来上がっていくのを、ドキドキしながら読めます。 -
自分にとって早見先生の初作品でした。編集者と作家の関係がリアルに描かれていて、本好きの自分には面白かったです。展開は読み通りでしたが、夢を諦めなかったオジさんたちに勇気をもらいました。
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いろいろあって、本を読む気になれなかったのだけど、これはほぼ一気読み。
上手いなー、面白いなー、読ませるなーと思いつつ読ませていただきました。
タイトルが気に食わない人もいそうだけど、小説好きな人なら楽しめると思います。 -
小説家と編集者の妥協を許さない対峙。
自分を削りながらお互いに素晴らしいものを世に出すプロセスが素晴らしい。
本離れがある昨今、雑誌からではなくネットメディアを絡ませながらのシナリオも理解できる。
本書に登場する3人の小説家の小説を読んでみたいと思ったのは私だけでないはず。
思い切って企画して欲しい。
それと、男性が描く女性像に鋭く切り込んでいるところには共感を覚える。なるほど本書に登場する女性は個性もあり、夢もあり、簡単に妥協しない「人間」として描かれている。
とにかく、簡単に小説って書けなくなってしまう... -
売れない小説家とその元同級生の編集者が、熱く小説魂を燃やして魂をぶつけ合い、周りもそれに伴って人生が過熱していくという熱血要素過多の出版小説です。出版と熱血、一見合っていないようですが、この表紙の劇画調の漫画に見覚えがある人は黙っていられないはず。出版業界に剛速球の直球勝負で切り込んだ名作「編集王」の主人公カンパチの顔です。そしてこの本の題名は「小説王」これだけの風呂敷広げて貰ったらもう読むしかないでしょう。
中盤まで読んでいる状態で、もしかしたら今年読んだ本でNO1か?!とテンション高く読んでおりました。ある意味書きたい部分を書きたいだけ書いたという本なので、もっと刈り込んで出したら超名作だった可能性があります。
しかし、恐らく筆者は細部まで行き着く先迄書き切りたかったんだろうなと思います。その出版というものに対する熱い気持ちをぶつける為の触媒として、土田世紀の「編集王」をモチーフにしたのだと思います。「編集王」は名作です。本当に大好きな漫画なので、そのスピリットを受け継いだこの本は僕にとって忘れがたい名作となりました。 -
父と息子
泣くのは三流
熱かった〜
登場する女性達がカッコ良かった
図書館から借りた本で -
一気読み。作家さんと編集さんの関係や、文学についての件や、男女関係、親子関係。縦にも横にも物語が張り巡らせていて楽しかった。この作家さん初読みでした。しばらく追いかけます。このレビュー読んだ方、是非読んでみてください。今回は図書館本でしたが、必ず買います。