希望荘

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864435

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの杉村三郎シリーズ。
    たしか杉村さん、前回奥様に浮気されて
    離婚しちゃったのよね・・・
    『あれからずいぶんたつけれど、元気にしていましたか?』
    そんな気持ちで読み始めました。
    杉村さんの人としての誠実さ優しさはそのままで
    新しい人生を歩き始めるまでの物語とともに
    事件の謎を解いていく鮮やかな過程を存分に楽しめます。

    今回凶悪な事件を起こすのは、必ずしも凶悪な犯人ではない。
    普通に暮らす普通の人がもうひとつの顔で事件を起こす。。。
    それはとてつもなく恐ろしく、またやりきれない思いばかりが胸に残ったのでした。

  • 杉村三郎シリーズ。相変わらず、ほのぼのしたような、のんびりしたような文章なのに、結末がちょっとほろ苦い。前作のように長いのより、これぐらいの短編の方がメリハリがあっていいかも。

  • 杉村三郎シリーズ。
    離婚後故郷に帰り、そこで事件に巻き込まれた後探偵事務所を開くようになった経緯や、探偵としてかかわった事件のいくつか。
    どの話も面白かった!
    杉村三郎という少し頼りなげだけど心持の温かい探偵像が良かった。
    離婚も時には糧に!がしみじみと心憎い。
    続編が楽しみ。

  • 杉村三郎が私立探偵となり、身近な依頼を解決出来てしまった感じの4話。
    その中でも題名になっている「希望荘」は心にしみるストーリーでした。

    警察が動いてくれないけど調査して欲しい件って、依頼人にはさまざまな理由があるものですね。

  • 気づけば「杉村三郎シリーズ」になっていて探偵業を営むようになるとは。どこか成長物語を読んでいるような気になってくる。相変わらずの謙虚さとお人よし感は健在で、色々と事件に巻き込まれたり探ったりするわけだが、どの話にも共通するのは主人公の優しさ、そして人情味あふれる周囲の人たち。悲しい話でもラストには小さな希望があることで何となく気持ちを穏やかにさせてくれる。それがこれから「杉村三郎風味」の探偵シリーズになっていくのかなと思った。

  • 「君はおじいちゃんを自慢にしていい」幹生は言った。「でも、もういない」
    これほど深い喪失感を、これほど端的に表す言葉を、私はほかに知らない。全部ひらがなで書けるこの発言の幼さにも胸を打たれた。
    この文章にすごく魅かれた。短い文章なのに、物凄く印象に残った部分だ。

  • 『名もなき毒』の杉村三郎が今作から探偵専業になる。
    その経緯を知らなくても本作を読めば分かるし、読んでいれば尚味わい深い!さすがは宮部みゆき!
    「聖域」「希望荘」「砂男」「二重身」の四つの短編に共通するのは、事件や事故さらには自然災害に巻き込まれるのはごく普通に暮らす人々だということ。
    それはつまり「私」であってもまったくおかしくないんだと、つくづく考えさせられる。
    新たな登場人物がシリーズ続編を感じさせてくれるので期待を込めて☆☆☆☆☆

  • それなりにおもしろかったけど、やっぱり宮部サンは長編が好きだな。
    ペテロがかなり読みごたえがあったので、ペテロと比べるとどうしても、、物足りない。
    個人的には砂男がゾクッとして良かった。

  • シリーズいつもながら面白くてどんどん読んでしまいつつそこはかとなく落ち込む読後感
    楽しみました。

    短編集なのもあって元妻の実家だの大家だのさまざまな資産家の人がいつも以上に出てくる
    貧しめな読者にとってはそこがおとぎ話みたいな感触で、独特な魅力のあるシリーズだなあと思うのですが
    長年顔出しでベストセラー作家をされてる作者さんは考えてみれば圧倒的に資産家側の人なんだろうし
    作者さんにしてみると資産家の人々の生活が身近なもので、カップ麺しか食べてない老女をリアルに描くほうが想像力を必要とすることなのかなあ…とかあまり関係ないことを考えてしまいました。
    読んでてついつい、貧富とは……みたいな遠い目になるシリーズであることよ
    蠣殻さん萌え

  • 「希望荘」「聖域」「砂男」
    「二重身(ドッペルゲンガー)」の4つの短編。

    どれも切なく苦い設定で
    ラストのラストに
    ちょっとしたどんでん返しもあり
    流石に読ませる。
    でもインパクトにかける。
    すぐ忘れそう。

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著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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