- Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093864589
作品紹介・あらすじ
心に突き刺さる、200%ピュアな恋愛小説
夏休み中交通事故に遭い自転車ごと湖に転落した古谷野真樹(高2)。命に別状はなかったが後遺症ですべての記憶を失った。新学期が始まり、現在では見知らぬ人ばかりになってしまったクラス、写真部に復帰する真樹。友人達は温かく迎えてくれるが妙な孤独感は否めない。
同じクラスであり、同じ写真部でもある生駒桂佑と春日まどかとの友情を支えに、真樹の日常は戻りつつあった。そんなある日、文化祭の準備に明け暮れる高校で謎の落書き事件が勃発。最初は他愛ないいたずらかと思われていた落書きだったが、体育館の壁→クラス日誌→クラスの黒板→文化祭の公式Twitter、とどんどんエスカレートしていく。そして、その落書きはあたかも真樹に向けられたメッセージのようだった。
当初、まったく理由がわからずとまどっていたが、自分を取り戻す大切な秘密が隠されているのでは、と気づき、落書きの謎を追い始めた真樹。その謎を追っていくうちに次々に見えてきてしまった親友の秘密。そして、最後の最後に見えてきた真相とは・・・・・・・。
【編集担当からのおすすめ情報】
青春小説の旗手として、新進作家の筆頭として、確実にファンを増やし続ける額賀澪さんが今回挑んだのは、学園ミステリーをスパイスに効かせた青春片恋小説。「切ない恋愛小説を書いてください」とのリクエストに上がってきた原稿。読み進む手が止まりませんでした。最後の最後、思わず叫んでしまうほどの驚きの結末。そして、青春ならではの熱と心を打つ純粋さ。
最後まで読んだら、またもう一度、読み返したくなるはずです。
ラストは決して人に言わないでください。
感想・レビュー・書評
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あぁ、額賀さん、また一つ青春小説ベストを更新しましたね!
事故で記憶喪失になった高校生と、彼を支える同級生。
自分が記憶をなくすことで、事故の前の全てを忘れてしまうことで、失ってしまったのはいったい何だったのか。
自分が思い出せないことよりも、忘れてしまったことで傷ついている人が近くにいるという事が何よりも辛いでしょう。
ほんの半月前のことを忘れてしまった仲間をそばで見つめる二人の友。彼らが表には出さない「おもい」があまりにも大きくて重くて辛くて悲しくて、胸がぎりぎりと締め付けられる。
だけど、いや、だからこそ、このラストは何にもまして強い輝きに満ちている。
これを希望と言わずに何と言おうか。額賀さん、素晴らしすぎる。
10代の心って、固くてもろいガラスのようだけど、外から見てるとキラキラとしてきれいなんだよね。そして、簡単に割れてしまうけど、その割れたカケラさえもがキレイなんだよ。だから、悲しい。 -
心優しい高校生ばかりで、爽やかな青春小説。
重い話もあるんだけど、彼らの人柄か、それほど重くは感じない気がする。いい友情だなぁ。
文化祭の楽しさが伝わってきて、こちらまで楽しくなる。ジェットコースターや縁日、いいなぁ。なんだか懐かしく羨ましい青春!
物語は好きなんだけど、額賀さんのこういう章のタイトルの付け方が苦手。 -
レフティという言葉に聞き覚えがある人はいますか?言葉にはたくさんの思いが詰まっていると気づかせてくれます。川に落としてしまった記憶を探す、ひと夏の青春ストーリー。
(YA担当/95line) -
いろんな感情が交錯しては通り過ぎていきますね。
周囲の価値観に流されず主体的に今後を選んでいけるという強さは、希望でもあるけど時には残酷というか相当な覚悟が必要なことでもあるのかな。高校生活の描写がよくて、テーマの割に清々しい読後感。 -
こんなふうに全力で肯定しようとしてくれる物語があって、よかった。
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古谷野真樹は高2の夏休みに事故に遭った後遺症で記憶を喪った。カレンダーに書かれた予定に従って赴いた場所には生駒桂佑と春日まどかが待っていた。古谷野と2人の大切な友人との新しい記憶はここから始まった。
新学期、文化祭前の校内で落書き事件が多数発生する。『7.6』と書かれた落書きは古谷野に向けられたもの?
記憶の隙間から引き出してきた事象と少しずつ絡み合う現在。
タイトルの意味するものの大きさと優しさ。
この純粋な物語の行方を是非体感して欲しい。
ちょっとだけ、ひとに優しくなれるかも。
額賀作品にハズレ無し! -
3.5くらい。
特に期待もせず借りた割には面白かったし、そこまでとびぬけてるわけでもないけど。