君はレフティ

著者 :
  • 小学館
3.49
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本棚登録 : 203
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864589

作品紹介・あらすじ

心に突き刺さる、200%ピュアな恋愛小説

夏休み中交通事故に遭い自転車ごと湖に転落した古谷野真樹(高2)。命に別状はなかったが後遺症ですべての記憶を失った。新学期が始まり、現在では見知らぬ人ばかりになってしまったクラス、写真部に復帰する真樹。友人達は温かく迎えてくれるが妙な孤独感は否めない。
同じクラスであり、同じ写真部でもある生駒桂佑と春日まどかとの友情を支えに、真樹の日常は戻りつつあった。そんなある日、文化祭の準備に明け暮れる高校で謎の落書き事件が勃発。最初は他愛ないいたずらかと思われていた落書きだったが、体育館の壁→クラス日誌→クラスの黒板→文化祭の公式Twitter、とどんどんエスカレートしていく。そして、その落書きはあたかも真樹に向けられたメッセージのようだった。
当初、まったく理由がわからずとまどっていたが、自分を取り戻す大切な秘密が隠されているのでは、と気づき、落書きの謎を追い始めた真樹。その謎を追っていくうちに次々に見えてきてしまった親友の秘密。そして、最後の最後に見えてきた真相とは・・・・・・・。


【編集担当からのおすすめ情報】
青春小説の旗手として、新進作家の筆頭として、確実にファンを増やし続ける額賀澪さんが今回挑んだのは、学園ミステリーをスパイスに効かせた青春片恋小説。「切ない恋愛小説を書いてください」とのリクエストに上がってきた原稿。読み進む手が止まりませんでした。最後の最後、思わず叫んでしまうほどの驚きの結末。そして、青春ならではの熱と心を打つ純粋さ。
最後まで読んだら、またもう一度、読み返したくなるはずです。
ラストは決して人に言わないでください。

感想・レビュー・書評

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  • ★3.5

    夏休み中に事故に遭い、記憶喪失になった主人公の小谷野真樹・高校2年生。
    自分に関する記憶をきれいさっぱり失った。
    家族の名前も、友達の顏も、自分がどんな人間だったかも忘れてしまった。
    記憶が戻らないまま、新学期がスタートしていく。
    現在では見知らぬ人ばかりになったクラス。
    友人たちは温かく迎えてくれるが孤独感は否めない。
    同じクラスであり、同じ写真部でもある親友・生駒桂佑と春日まどかとの
    友情を支えに、正樹の日常は戻りつつあった。
    文化祭に向けて一致団結という高校で「7.6」という謎の落書き事件が発生。
    落書きはどんどんエスカレートしていく。
    そして、その落書きはあたかも正樹に向けられたメッセージの様だった…。

    突然記憶を失ってしまったら…とっても不安だろうなぁ。
    主人公小谷野は記憶を失う前、とっても正しくて誠実で優しかった。
    誰からも愛される人だった。
    記憶を失って、自分を見失ってる今もとても誠実で優しかった。
    小谷野の言葉がとって良かった~(*´ `*)
    落書きの謎は、小谷野・生駒・春日の三人に関する謎なのだろうと思ったけど、
    意味が全くわからず…何なのだろう…。
    心理描写も繊細で先が気になって仕方なく頁を捲る手が止まらなかった。
    三人が三人ともとっても素敵で純粋で、優しくって切なかったなぁ。
    切なくて。切なくて。そして、温かくなったお話でした。

  • ちょうどいいミステリ感と青春感。
    春日と生駒の関係性の描写から、読んでいる途中で、恩田陸の『夜のピクニック』を思い出し、半ば先が読めてしまったが、その後も7.6にはたどり着けなかった。(生駒の古谷野への気持ちには気づいたけれど!)
    それにしても、記憶喪失になる前の古谷野君には、私も惚れるわ……。
    春日も生駒も、高校生なのに、ちゃんと自分以外の人のことを考えられていて、とっても大人でステキな若者たちのお話だと思いました。

  • あぁ、額賀さん、また一つ青春小説ベストを更新しましたね!
    事故で記憶喪失になった高校生と、彼を支える同級生。
    自分が記憶をなくすことで、事故の前の全てを忘れてしまうことで、失ってしまったのはいったい何だったのか。
    自分が思い出せないことよりも、忘れてしまったことで傷ついている人が近くにいるという事が何よりも辛いでしょう。
    ほんの半月前のことを忘れてしまった仲間をそばで見つめる二人の友。彼らが表には出さない「おもい」があまりにも大きくて重くて辛くて悲しくて、胸がぎりぎりと締め付けられる。
    だけど、いや、だからこそ、このラストは何にもまして強い輝きに満ちている。
    これを希望と言わずに何と言おうか。額賀さん、素晴らしすぎる。
    10代の心って、固くてもろいガラスのようだけど、外から見てるとキラキラとしてきれいなんだよね。そして、簡単に割れてしまうけど、その割れたカケラさえもがキレイなんだよ。だから、悲しい。

  • 心優しい高校生ばかりで、爽やかな青春小説。
    重い話もあるんだけど、彼らの人柄か、それほど重くは感じない気がする。いい友情だなぁ。
    文化祭の楽しさが伝わってきて、こちらまで楽しくなる。ジェットコースターや縁日、いいなぁ。なんだか懐かしく羨ましい青春!

    物語は好きなんだけど、額賀さんのこういう章のタイトルの付け方が苦手。

  • レフティという言葉に聞き覚えがある人はいますか?言葉にはたくさんの思いが詰まっていると気づかせてくれます。川に落としてしまった記憶を探す、ひと夏の青春ストーリー。
    (YA担当/95line)

  • いろんな感情が交錯しては通り過ぎていきますね。
    周囲の価値観に流されず主体的に今後を選んでいけるという強さは、希望でもあるけど時には残酷というか相当な覚悟が必要なことでもあるのかな。高校生活の描写がよくて、テーマの割に清々しい読後感。

  • こんなふうに全力で肯定しようとしてくれる物語があって、よかった。

  • 恥ずかしながら初めての作家さん。
    途中からもしかしてこの2人は?
    あの有名な作品の二番煎じ?
    と思ったけれど、そこまでではなかった。

    記憶喪失になってしまった主人公。
    あまりにもいいヤツだった過去の自分と今の空っぽな自分。親友はそんな今の自分を受け入れてくれたはずだが、何かがおかしい…。

    確かに最後はそんな短時間で、記憶をなくして早々の主人公が謎解き出来るか?と思わなくもなかったけれど、高校生のリアルがみずみずしく描かれていて、登場人物の個性もそれぞれ立っていて一気に読めた。ミドルティーンには共感出来る作品だと思う。
    他の作品も読んでみたい。

  • 古谷野真樹は高2の夏休みに事故に遭った後遺症で記憶を喪った。カレンダーに書かれた予定に従って赴いた場所には生駒桂佑と春日まどかが待っていた。古谷野と2人の大切な友人との新しい記憶はここから始まった。

    新学期、文化祭前の校内で落書き事件が多数発生する。『7.6』と書かれた落書きは古谷野に向けられたもの?
    記憶の隙間から引き出してきた事象と少しずつ絡み合う現在。

    タイトルの意味するものの大きさと優しさ。
    この純粋な物語の行方を是非体感して欲しい。
    ちょっとだけ、ひとに優しくなれるかも。
    額賀作品にハズレ無し!

  • 3.5くらい。
    特に期待もせず借りた割には面白かったし、そこまでとびぬけてるわけでもないけど。

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著者プロフィール

1990年、茨城県生まれ。日本大学芸術学部卒業。2015年、「ウインドノーツ」(刊行時に『屋上のウインドノーツ』と改題)で第22回松本清張賞、同年、『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞を受賞する。著書に、『ラベンダーとソプラノ』『モノクロの夏に帰る』『弊社は買収されました!』『世界の美しさを思い知れ』『風は山から吹いている』『沖晴くんの涙を殺して』、「タスキメシ」シリーズなど。

「2023年 『転職の魔王様』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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