雨利終活写真館

著者 :
  • 小学館
3.29
  • (3)
  • (37)
  • (49)
  • (8)
  • (3)
本棚登録 : 251
レビュー : 49
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864602

作品紹介・あらすじ

遺影専門写真館を舞台にしたミステリー連作

『人生の最期に最愛の人へ最高の自分を贈るために』
巣鴨の路地裏に佇む遺影専門の雨利写真館には、今日も死に向き合う人々が訪れる。撮影にやって来る人々の生き様や遺された人の人生ドラマを若手注目ナンバー1新進気鋭のミステリー作家・芦沢央が見事な謎解きで紡ぎ出す。

人生の終焉を迎える時、人は、本当に大切な物が見えてくる。
ミステリー、なのに心温まる珠玉の4編。

●一つ目の遺言状 ハナの祖母の遺言の謎。そこには驚きの仕掛けが。
●十二年目の家族写真 母の死を巡り、父と息子の葛藤の日々が始まる。
●三つ目の遺品 写真館に遺された一枚の写真。そこに写る妊婦は?
●二枚目の遺影 末期癌を患う男性が撮った二枚の遺影写真。



【編集担当からのおすすめ情報】
発売前に書店員さんや関係者に原稿を読んでいただいたのですが、とにかく各方面から大変な反響をいただいています。『遺影』をキイワードに人間ドラマを描くという、斬新な発想。読み始めたらその世界にぐいぐい引き込まれます。『終活』というタイトルから、年を重ねた方が読者対象を思われるかもしれませんが、若い方にも是非手に取っていただきたい秀作です。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 「人生の終焉を迎える時、本当に大切なものが見えてくる。」
    遺影専門写真館を舞台にした4編の連作短編集。
    ・一つ目の遺言状     祖母の奇妙な遺言が波紋を呼ぶ
    ・十二年目の家族写真   母の死をめぐる、息子と父の葛藤
    ・三つ目の遺品      雨利写真館に残る一枚の妊婦写真の謎
    ・二枚の遺影       末期癌を患う男性の訳ありの撮影

    巣鴨の裏路地に佇む遺影専門の雨利写真館には、今日も死に向き合う人々が訪れる。
    そんな写真館にやってきた4人の依頼人を巡る4つの秘密。
    そんな撮影にやって来る人々の生き様や残された人の人生ドラマやちょっとした想いを
    ミステリー仕立てでスタッフたちが見事に解き明かしてゆく。
    解き明かされるその秘密は大きく、重く、そして優しい。
    知らないままの方がいい秘密もあるだろう、でも知る事で変わるものもある。
    ミステリーなのにとっても優しかった。
    最近良く耳にする「終活」をテーマにした作品ですが、
    「遺影」専門の写真館を舞台にって良く思いつくなぁって感心した。
    遺影を選ぶのって本当に大変だと思う。
    確かに、その日の前にきちんと撮っておくのって残された家族にとってはとてもありがたい。
    漠然と自分の葬儀のシーンを想像した。
    お気に入りの服を着て、綺麗にヘアメイクした遺影を参列者の方に見て欲しいって思ったし、
    いなくなった後も、自分らしい写真を家族に見てて欲しい。
    写真を生前から準備していくのも大切だと思った。

    終活というタイトルから年齢を重ねた人を対象にした本の様に感じられるかもしれませんが、
    読み始めるとその世界にぐいぐい引き込まれました。
    とっても温かい気持ちになれました。
    そして、大切な人たちとの別れについて考えさせられた作品でした。
    スタッフのこれからがとっても気になります。続編熱望です!

  • 突然結婚破棄されたハナは、祖母の急死を知らされる。遺言状を手に遺影を撮った雨利写真館を訪れる。

  • タイトル通り、遺影専門の写真館を舞台にした物語。
    悪くはないのだけれど、キャラクターが誰も好きになれない。
    特に主人公。ものすごく身勝手で自分の都合でしかモノを考えてないように見えてしまう。
    寡黙なカメラマンも似非関西弁のアシスタントも商売上手なカウンセラーも、何だかなぁという感じ。
    終活というテーマだからこそ、もう少し軽快に描いて欲しかった。

  • 遺影専門の写真館で繰り広げられる、ミステリー仕立ての人間ドラマ。
    遺言状、遺品、遺影。目次には重苦しい言葉が並ぶけど、写真館のメンバーのちぐはぐっぷりが物語の雰囲気を和らげる。
    主人公たちが、遺影を準備した人の思いを想像して、あれこれ推理する過程がちょっと強引…。雨利の人物像が最大の謎だったなぁ。
    それにしても、第1話の遺言状は強烈だった。ハナが最終話まで母親に事の真相を話してなかったなんて、ヒェ~ッ!

  • 祖母が亡くなって理不尽と思われる遺言状が残され、何か訳があったか生前の祖母を尋ねに遺影を撮った写真館に向かう。
    その写真館のスタッフらとのやりとりで仮説にすぎないがその訳を知ることになり、職を失ったのもありその場でヘアメイクの職を得る。
    その後3件の生前写真を撮るにあたり、それぞれの人生を垣間見る。

    写真館のひとたちがキャラが濃すぎて、あまり感情移入できなかった。
    なんだか映像化を意識したような書き方にとれる。

  • 遺影専門の写真館、なんてよく思いつくなぁ、と思ったのだけど。
    遺影を選ぶのって本当に大変だから、確かにその日のまえにきちんと撮っておくのって遺された家族にとってはとてもありがたいこと。
    いなくなったあともずっと家族を見つめていけるような自分らしい写真を生前から準備していくのも大切なこと。
    そんな写真館にやってきた4人の依頼人をめぐる4つのヒミツ。人生の最期のときに明かされるその秘密は大きく重くそして優しい。知らないままの方がいい秘密もあるだろう、でも知る事で変わるものも、ある。芦沢央、いいじゃないかいいじゃないか

  • 実家に帰りたくなった

  • 雨利写真館の遺影にまつわるあれこれ。
    ミステリネタとしてはまあまあよくある感じだけど、結末はほっこりするような人間模様。
    ただ、個人的にはハナちゃんがいろいろと抱えすぎでバタバタしすぎなのがなーと思った。

  • 遺影撮影をウリにした写真館での日常ミステリィとしては面白かったが、キャラクターの描き込みが足りないように思う。
    小説ならば、愛想の裏の商魂や無礼な態度にエピソードがなければ、ただの感じ悪い人になってしまう。

    「一つ目の遺言状」
    「十二年目の家族写真」
    「三つ目の遺品」
    「二枚目の遺影」

  • 元美容師で二十九歳の傷心のハナが出会った遺影専門写真館の女性店主、似非関西弁のカメラマン見習い、無礼なカメラマン。クイズ好きの祖母の遺言、息子の奇妙な絵、過去の妊婦写真、二人の女性との二撮影。拗れた家族間をそっとほどいていく様子に安心感があり、疑惑を覆す誰もが傷つかない真相達にもぐっと引き込まれた。

全49件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

芦沢央(あしざわ よう)
1984年生まれの作家。千葉大学文学部卒業。出版社勤務を経て、2012年『罪の余白』で第3回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー。『罪の余白』は2015年に映画化された。その他代表作に、2016年版「週刊文春ミステリーベスト10」第7位、「このミステリーがすごい!」2017年版第5位、第38回吉川英治文学新人賞候補『許されようとは思いません』、そして第32回山本周五郎賞候補および本屋大賞ノミネート作となった『火のないところに煙は』など。2019年8月28日、『カインは言わなかった』を刊行。

芦沢央の作品

ツイートする