ママたちの下剋上

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 91
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864619

作品紹介・あらすじ

ママの地位は子どもの成績で決まる?!

「お受験」という名の、母親たちの代理戦争。この前まで自分が誰かの子どもだった母親たちが、突如として一人の人間を育てることを課される。とまどいを周囲に悟られないように、孤独な子育てと戦う母達の下剋上の物語。

大手下着メーカーで広報として働いていた香織は、妊活に励むために慣れ親しんだ会社を退社することに。家でゆっくりしながら、夫との時間を作ろうと考えていたのだが、母校「聖アンジェラ学園初等部」の広報を手伝って欲しいと校長からお願いされる。
広報の仕事だったらお手のものと軽く考えていたのだが、子どもの受験に挑む母親たちの思いは、下着を購入するお客さんとは全く違っていた。母親同士の駆け引きや足の引っ張り合い、その一方で子を愛するという一筋縄でいかない母たちの思いに飲み込まれていく。子どもを持つことは幸せ?それとも地獄?悩んだ母親たちが出したそれぞれの結論は?

【編集担当からのおすすめ情報】
子どものお受験を経験していなくても、この物語には母親だったら思い当たることがたくさん出てきます。母親の優しさと、残酷さ。一番大切なことを見失わないように、子育て中のお母さんに是非読んで欲しい一冊です。

感想・レビュー・書評

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  • 小学校、中学校のお受験のお話。タイトルの下克上はあまり感じなかった。お受験を経験させることないまま子育ても終えた身としては、他人事ではあったけど、興味深く読みました。 近所にずっと塾三昧だったお子さんのママが、受験直前に塾をやめ、お受験もやめたんだと言っていたのを、舞花と逸美のストーリーで思い出しました。その家族にとって、何が最適かということだなと思います。子供は親の作品という怖い勘違い。 お受験がその家族に合う物であればいいと思いますが、間違った考え方だけは避けなければいけないと思います。

  • タイトルの様な激しさもなければイヤミス感もドロドロした感じも一切ありません。

    足の引っ張り合いと言っても、電話で入学を辞退する嫌がらせエピソードなどは出尽くした感がありましたし、最後まで読み進めましたが正直面白味に欠けました。

    頻繁に出て来る「校長様」のフレーズが煩わしくて読みづらさもありました。

    お受験ママ、隣の芝生と比べてイライラするママ、理解のない夫と今まで出版された本の寄せ集め感がし、新鮮さに欠けたので物足りない印象が残りました。

  • 大手下着メーカーで広報として働いていた女が妊活のために退職し、新たに母校の二流私立小学校の広報として働き始める話。

    タイトルからして「ママ友地獄」とか「ママカースト」のなかで繰り広げられる戦いのような話かと思ったら、むしろ私立小学校のお受験の現状や入学者確保に奮闘する話でちょっとがっかり。

    タイトルが違えばもう少し楽しめたかな、話自体は面白かった。

  • 久しぶりに期待はずれの本を読んだ。綺麗にまとまってはいるのだけど。
    教育に対する知見が多少でもある人ならば、読んで違和感だらけのはず。

    主人公は広報向き、頑張り屋さん。自分に経験があるからこそすごく分かる。社内(学内)調整の役回りも、メディア(お教室)回りも… 掲載物のチェック、webやSNSの更新、楽しくてやり甲斐のある仕事だったと思える。

    ただお花畑感。読み物として幸せな世界ではあるが、リアリティ薄い。教育業界、お受験に関して無知すぎ。リサーチしてから転職して。そんなホイホイTVの密着取材決まれば苦労しない。お土産のメダルのリボン付け家で手作りとかブラック過ぎる。。

    主人公の周りもあかん人が多い。
    夫のモラハラ、ダメっぷりも東大院を出ていてもあかんやろという感じ。と思ったらこれ2013年の連載で10年前なのか、その頃ってまだ家庭に入れって男性の強制力があったの?妻の意思で働くか、専業になるかって選べるものだと思うのだけど、時代なのか…夫に対して気遣いすぎ。さらに増長するだろう。なんで働くことを許してもらわないといけないのか??
    ➡︎少し前の話でも、価値観の変化の大きさに驚く。時代も、自分自身も。2010年代でもこうだったんだ。2020年代の今社会に出てくる若者と、違うのは当たり前だ。

    主人公の姉がダメすぎる。お受験ママで子供を追い詰めてお勉強をさせすぎるのが本当に最悪だし、子どもに後々まで悪影響が及ぶの、分からないのかな。私立小でもいじめや親の層によるカーストなど、ギャンブル要素あるのに。子の前で逃げ出したくなる、とか口が裂けても言わないわ。

    学歴や能力のない姉が、主人公や周りの家族を妬み醜い発言をして自尊心のないさまがかなり痛烈。。こんな卑屈に育てないためにも学歴、運動神経、コミュ力、一定の企業に就職できる能力が必要なのだなと改めて思った。
    ➡︎お姉ちゃん、反省されたみたいでよかったです…

    そして周囲のママがこれみよがしに悪口言ったり人を蔑んだりとか、リアルで見たことないしSNSの中でしかないと思うのだけど、、そういう地域柄でなくてよかったと思いたい。

    ※私立小学校、中高の高偏差値、受験路線に関しては
    多くの学校がそちらに舵を切り、人気になり、偏差値が上がった今となっては、純粋なカトリック、人格教育は、よほどのお嬢様、お坊ちゃんでないと生き抜いていくのに厳しいだろうなあと。そもそも幼稚舎の知人、実は縁故と聞いた時はまあそうですよね、と思ったし、そういうおうちで最早保たれた方がいいと思う。習い事しなくても縁故と家庭の躾で受かるおうち。一般家庭が変に手出しするから、毒親とか教育虐待、課金がすごいことになるのであって。
    ➡︎終盤でお受験教室の室長が、合不合や親の精神状態、気の持ちよう、それで人生が決まるわけではないと断言。軌道修正された。

    等々力の白豚、とか、学園の高学年男子を揶揄しているそうだけど、お下品…人間って本質的にはみんな下世話なので、いかに上品に振る舞えるか、取り繕えるかが重要なのだと思っている。

    お勉強ができても、性格サイアクに育つと救いようがないし、親に追い詰められた子が不登校になる事例とか、辛い事態を避けたい。何事もやりすぎは良くない。

    副校長とその妻が娘さんに対してやった仕打ちもかなり極端で、本当に「押さえつけない、叱らない、強制しない、本人の意思を尊重する」そういう風に自由に育てすぎた結果、社会に馴染めない、自分本位で、他の子に迷惑をかける(小学校での立ち歩き、集団行動に参加しないなど)子どもが存在することは知っている。園に通わずあおぞら保育、だって。
    普通に考えてそれで日本社会でどうやって生きていくのか。教育学部を出たなら、幼児期の躾がどれほど大切か、分かるだろうに、設定がザルだし愚かさを強調しすぎ。確かにこんな役職者のいる学校に子どもを通わせたくない。。発達障害を放置する親はこういう自分本位で子どもを認められない親なのだろう。正直、教職の風上にも置けない。
    その反動で学力重視になったって、自分の娘を犠牲にして別居した後で、、
    ➡︎親が現実的な教育をする事が大事
    もちろん心は育てるが理想論、逃げでは駄目

    終盤の、姉息子全落ち、万引き、一家九州へ、受験あきらめる、
    ママ同士のビンタ、入学辞退の虚偽電話、
    カウンセラーと副校長のご再婚、
    怒涛の展開で

    家族の花も、合格の花も咲くのが一番いいよ。

  • タイトルのインパクトに惹かれたのだけれど。主人公自体がなんていうかうーん。あくまでもステレオだなと。ちょっと残念です。

  • 楽しく読めました。
    けれども、ステレオタイプな人ばかり出てきて、お話に深みがないかなとも感じました。

    主人公の小川香織は、働く女性。けれども、夫の理解がなく仕事を辞めて、母校の聖アンジェラ学園で臨時職員として広報の仕事をすることに。

    香織は自身が慶応を出ていて高学歴だが、それを鼻にかけない女性。その反面、姉は学歴至上主義で、子どもたちの受験に熱心に取り組んでいる。

    香織の夫は、わかりやすい古い日本の夫で、仕事に理解がない。姑は、わかりやすく名家の奥様だ。また、姉の子の塾に通うお母さんたちには、わかりやすいボスママがいる。

    というように、わかりやすく、あるあるって感じで読めるのだが、物足りない。それは、それぞれの人が抱えている(であろう)悩みが深く描かれていないせいではないかと思う。

    最後に、学校の広報というのは、大事な仕事なので、臨時職員がこんな風に関わっているようでは、学校自体ダメなのではないかと思った。

  • こんなもんなのかなーと思った程度。専業お受験ママの世界は怖い。

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著者プロフィール

東京都生まれ。2012年「金江のおばさん」で第十一回「女による女のためのR-18文学賞」大賞を受賞。著書に受賞作を含む『ハンサラン 愛する人びと』(文庫版『縁を結うひと』)『ひとかどの父へ』『緑と赤』『伴侶の偏差値』『ランチに行きましょう』『あいまい生活』『海を抱いて月に眠る』などがある。

「2022年 『わたしのアグアをさがして』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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