原之内菊子の憂鬱なインタビュー

  • 小学館 (2017年1月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (304ページ) / ISBN・EAN: 9784093864626

作品紹介・あらすじ

笑いあり涙あり、「猫弁」著者の新たな傑作

弁当屋の看板娘、おたふく顔の原之内菊子には特殊な能力がある。その顔を見た者は皆、”自分語り”が止まらなくなってしまうのだ。
弱小編プロ「三巴企画」の戸部社長は、菊子の力に惚れ込み、インタビュアーとして採用する。ただ頷いているだけで次々に特ダネを取ってくる菊子だが、ヤクザの組長の取材をしたことから、とんでもない事件に巻き込まれてしまい――!?
大ヒット作『のぼうの城』『超高速!参勤交代』などを生んだ城戸賞でデビューし、累計40万部を超える『猫弁』シリーズで熱烈なファンをもつ大山淳子の新たなる傑作。
笑って、ほっこり癒されて、最後はホロッと涙が出る。前代未聞の”おしゃべり小説”!

【編集担当からのおすすめ情報】
コテコテ関西人の戸部社長、東大卒で文学オタクの桐谷くんという「三巴企画」の仲間のほか、個性的で愛すべきサブキャラクター達のやりとりが最高に楽しい! 『にんじん』『ライ麦畑でつかまえて』『赤毛のアン』など、名作があちこちに登場するのも本好きにはたまらない魅力です。

みんなの感想まとめ

心温まるヒューマンドラマとコミカルな要素が融合した物語が展開されます。主人公の原之内菊子は、特異な能力を持つインタビュアーとして、様々な人々の心の内を引き出していきますが、その過程は時に辛さも伴います...

感想・レビュー・書評

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  • 最後はいい終わり方なんですが ほぼほぼ 菊子の境遇は 読んでいてつらいんですよ・・・ だって 自分にかまわず 相手が自己満足で ガンガンしゃべってくるんですから 聞くって結構しんどいですよ 私だったら 人に会いたくなくなります でも そこを聞いてあげる菊子は 優しいですよね 人柄がにじみ出てます

  • コミカルでほのぼのした話。

    ふつうのインタビューにはない、想定外の内容を引き出してしまう。
    原之内菊子のとってくるインタビューは個性的で、おもしろい。

    東大卒の文学オタクで、ちょっとずれた感じの桐谷。
    逆に世間をよく知る、調子のいい社長の戸部。
    ふたりのやりとりもたのしい。

    本好きなふたりならではの、文学雑学もおもしろかった。

  • 大山さんの書く物語は、設定こそあり得ないような設定だけど、読み進めていくほどに、ふんわり優しく包み込まれるような気持ちになります。言ってみれば、メルヘンに近いのかな。
    でも、このお話はミステリーの要素もあり。それでもやっぱり、メルヘンなんだよねぇ、全体として。不思議な作家さんです。

  • 図書館で偶々表紙を目にして、ついフラフラと手に取ってしまった本書。
    添付の帯に“隠し事の多い方は決して彼女と目を合わせてはいけません”とあり、目が合っちゃった私はそのまま借りることに相成りましたww。

    その顔を見た者は皆、”自分語り”が止まらなくなってしまうという特殊体質(?)の原之内菊子さん。
    働いている弁当屋に訪れるお客から、長々と“胸の内”を吐露されて商売にならない為、店長から怒られてしまう始末。
    そんな菊子さんの“能力”に目をつけたのが、弱小編プロ「三巴企画」の戸部社長。彼女をインタビュアーとして採用しますが・・・。

    “原之内菊子”・・・なるほど、“腹の内聞く子”という事ですな!
    菊子さん自身は無愛想で、リアクション薄めな人なのですが、そんな彼女の目を見ると何故か内心をボロボロ話したくなってしまうようで。
    “言いたい事も言えないこんな世の中は・・POISON ”という昨今(いや、古いですけど)、皆心に貯めているものが沢山あるのですよね。話すことはある意味デトックスとも言えそうです。
    住んでいたアパートが火事になって、「三巴企画」の社員で東大出&文学オタク&マザコンの桐谷くんの家に居候する羽目になったり、ヤ〇ザの組事務所にインタビューに行ったのがきっかけで、思わぬ事件に巻き込まれたり・・・といった悲喜こもごもな出来事がテンポよく展開していきます。
    所謂“コテコテ”の関西人で昭和オヤジの戸部社長とインテリ桐谷くんのコンビバランスが絶妙で、彼らの“文学トーク”も面白いです。
    私も、特に『赤毛のアン』に関しては、桐谷くんと熱く語り合えそうですww。
    そして、どこか淡々としていた菊子さんが、公園で出会った盲目の青年へ淡い想いを抱いたり、自身の悲しい過去に向き合ったりしているうちに、徐々に変化していき、何より「三巴企画」という居場所を得られたのが良かったですね。

    菊子さんが住んでいたアパートの火事の真相や、事務所荒らしの件など、うやむやな部分もあり、その辺ちょっと気になりますが、前向きで後味のよいラストだったので、それでOKというところです~。

  • 彼女の目を見ると、心の内を話さずにはいられなくなる。
    ほんわかあったかい物語。

    [図書館・初読・9月13日読了]

  • 原之内菊子って、はらのうちきくこ…なるほどー!と、読んでから気づいた。テンポよく読めて面白かった!菊子の顔を見た人は、心の内を話し出さずにはいられなくなる。菊子のおばあちゃんがすごい。菊子の特技は聞くことではなく人を信じること。童話が大好きな桐谷と関西弁のおっさん戸部、いいコンビだなぁ。

  • 何とも不思議なヒロインだった。
    え?
    ヒロインなの?悪いけど…
    と最初は思った。
    おたふくだし、スタイルもずんぐり。
    むすっとして口は重いし、表情もどんよりしている。
    彼女が話さないので、もっぱら周りの人間が語る状況で話が進む。
    ますます菊子は謎に包まれている。

    社長・戸部の関西弁のせりふがテンポよく、さすが生まれついての芸人・大阪人である。
    たった一人の社員・桐谷は東大出のエリートだが、本の虫で、童話と赤毛のアンをこよなく愛している。
    正反対の意見を戦わす二人の会話は、最高の漫才とも言える。
    文藝漫才だ。
    戸部の太宰治論や、ライ麦畑論も面白く、桐谷の「メロスは無情」論も目からうろこ。

    一方、話さない女・菊子は、話さない代わりに『聞く女』である。
    誰もが彼女を見ると本音を話してしまうので、戸部の編集プロダクション「三巴企画」にスカウトされた。
    この作品は、彼女が、もてあましていた自分の力を乗り越え、本当の意味でのインタビュアーになるまでの物語だ。

    …と書くと、スマートすぎてありきたりだけど。
    みにくいあひるの子のお話でもあり、シンデレラストーリーでもあるようですね。
    でも、菊子はガラスの靴の代わりにスニーカーを履いて、自分の足で歩くことを選びました。
    太ももは今日もパンパンであるに違いない。
    でも、体も気持ちも軽いのに違いない。
    とても面白かったし、幸せな気分になりました。

  • 作中にいろんな本が登場するから、間違えて大崎梢さんの本を借りたかと勘違いしかけた。猫弁のイメージで読み始めたらテイストが違って驚いた。それなりに面白かったけど。

  • #原之内菊子の憂鬱なインタビュー #大山惇子 #読書記録

    図書館に久々行ったら、猫弁の大山惇子さんの未読本を発見。絶対に優しい気持ちになれるという信頼がおける作家。癒しを求めて読了。
    猫弁みたいに号泣しませんが、優しい人たちが出てきて、ちょっとした伏線があったりで楽しんだり、な、小説。

    お探し物は図書室まで、に引き続き、本の紹介本でもある。
    東大出の桐谷くん、素敵です。赤毛のアン語って女子に引かれるって、なんか、なるほどでした。
    でも、そんな桐谷くん、素敵です。

    ————————
    戸部と話していると、桐谷は足元がぐらつき、めまいがする。価値観が転覆し、自分が信じてきたことに自信がなくなる。でもその分、世界が広がったような気もするのだ

  • 大山淳子節炸裂。
    地味かもしれないけど色んな意味でおもしろい。
    こういう物語があるから読書はやめられないのです(^^)

  •  出版者として本作りの理想を追求する戸部内三。
     編集者の矜持を大切に考える桐谷俊。
     そして『聞き女』の才能を持つ原之内菊子。

     3者の視点を取り入れながら物語はテンポよくコミカルに進んでいきます。

     人生に対して誠実であるとはどういうことかを教えてくれる作品でした。

  • 図書館で偶々見かけ、表紙が気になって借りてみました。軽過ぎず、重過ぎない。読み終わってみるとなんだか優しい話だったなって思いました。

  • 類まれなる「聞く能力」を持った原之内菊子(このネーミングがまた何とも)。その能力のせいで仕事も続かず悩んでいた彼女に与えられた仕事は、インタビュアー。これこそ天職じゃないか、と思えるのですが……ううむ、これはあまりにもきついなあ。本音を聞かずにいられる、ってのも幸せなことなのかもしれません。
    彼女がなぜその能力を得るに至ったかの物語と、彼女を必要とする人たち。きれいごとばかりではないにせよ、温かな印象でした。キャラもそれぞれ魅力的。文学オタクの青年とか、お菓子作りが趣味の組長とか。なんかいいよなあ。

  • 2017.8.21 読了


    大手出版社を辞めて 独立した戸部と、
    そこにいる唯一の社員の桐谷。
    2人しかいない 会社。

    なかなか うまくいかない。
    弱小出版社なので、
    取材も 編集も なにもかもしなければならない。

    取材(インタビュー)からして
    相手を怒らせて 失敗してしまう。

    その帰りに寄った弁当屋さん。
    えらい長蛇の列で、興味本位で入ってみた。

    なんと そこの女子 原之内菊子さん。
    皆の目的は、弁当の味ではなく、
    菊子さんに話を聞いてもらいたいから。

    菊子さんには 不思議な力があって、
    なぜか 菊子さんと目が合うと 本音を
    ぶちまけたくなる。

    戸部は「これは いいインタビュアーになれる!」と
    自分の会社にスカウトする。


    最後は ちょっとホコっとする。

    シリーズになるのかな。
    なれば うれしいかも。

  • 哀しいけど楽しかったです。
    続かないかなぁ。

  • "はらのうちきくこ"は黙っていても相手が本音を話さずにいられなくなる能力がある。インタビュアーに抜擢したところ思いもよらぬ展開に…。単なる「聞き屋」ではなくインタビュアーってとこが面白かった。

  • 顔を見せると誰しもが本音をまくしたてたくなってしまう天性のインタビュアーの能力を持った「聞く女」原之内菊子。
    倒産寸前の出版社に引き抜かれた彼女と、出版社の社長とたったひとりの男性社員のなんとも愉快なやり取りと七転八倒の日々を描いた物語だ。
    登場するキャラクターがなんともおもしろおかしく、ありえない話ながらも楽しく読んだ。

  • 続きがあったら読みたい!

  • 聞くことで相手を幸福にする稀有な才能を持つ菊子.彼女の力に目をつけた凸凹二人組の戸部と元大手出版社にいた東大卒の桐谷.この3人の突撃インタビュー的本心暴露の内容がとても面白く,周りの人物も温かみがあっておちゃらけているようでしんみりさせられた.桐谷の姉のことを知った時母のあり方が素敵だと思った.

  •  これ、始めはものすごく退屈で、最後まで読めるか心配になりますが、不思議な魅力があります。

     謎に満ちた菊子さんが、最後にはとてもチャーミングに思えます。

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著者プロフィール

東京都出身。2006年、『三日月夜話』で城戸賞入選。2008年、『通夜女』で函館港イルミナシオン映画祭シナリオ大賞グランプリ。2011年、『猫弁~死体の身代金~』にて第三回TBS・講談社ドラマ原作大賞を受賞しデビュー、TBSでドラマ化もされた。著書に『赤い靴』、『通夜女』などがあり、「猫弁」「あずかりやさん」など発行部数が数十万部を超える人気シリーズを持つ。

「2022年 『犬小屋アットホーム!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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