本を守ろうとする猫の話

著者 :
  • 小学館
3.30
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本棚登録 : 1650
レビュー : 224
  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864633

作品紹介・あらすじ

『神様のカルテ』シリーズ外、初の長編!

「お前は、ただの物知りになりたいのか?」
夏木林太郎は、一介の高校生である。夏木書店を営む祖父と二人暮らしをしてきた。生活が一変したのは、祖父が突然亡くなってからだ。面識のなかった伯母に引き取られることになり本の整理をしていた林太郎は、書棚の奥で人間の言葉を話すトラネコと出会う。トラネコは、本を守るため林太郎の力を借りたいのだという。
痛烈痛快! センス・オブ・ワンダーに満ちた夏川版『銀河鉄道の夜』!

【編集担当からのおすすめ情報】
300万部超のベストセラー『神様のカルテ』著者、
初のファンタジー長編!

感想・レビュー・書評

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  • レビューを拝見して知った本です。
    ありがとうございます。

    『夏木書店』という古典文学を扱う古書店を一人で営んでいた祖父を亡くした引きこもりで、本をこよなく愛する高校生、夏木林太郎は引き取ってくれる叔母はいますが、天涯孤独の身となります。
    そこに特殊な条件に該当した人間でなければ姿が見えないヒトの言葉を話すトラネコが現れます。
    そして、そのトラネコと一緒に第一の迷宮から、第二、第三の迷宮を訪ねる冒険譚です。
    各迷宮には、その迷宮ごとに現れる人物と本についての禅問答のようなことを毎回します。
    第二の迷宮からは、林太郎のクラスメイトで学級委員の柚木沙夜も仲間に加わります。
    そして冒険は終わったと思いきや、最後に沙夜がさらわれてしまい、林太郎は最後の冒険をして、各迷宮で出会った人物が林太郎と出会ったことによってどう変化したか知るところとなります。

    ”どうせ登るなら高い山に登りなさい。絶景がみえる”
    ”「本には心がある」人の思いが込められ、大切にされ続けた本には心が宿るようになる”
    ”「人を思う心」それを教えてくれるのが本の力だと思うんです。その力がたくさんの人を勇気づけて支えてくれるんです。”
    等の言葉が印象に残りました。

    私も、もっと古典文学をじっくり時間をかけて、かみしめて読みたいと思いました。
    できれば、沙夜のようにアッサムティーにミルクとお砂糖をたっぷり入れて。

    • やまさん
      まことさん
      おはようございます。
      いいね!有難う御座います。
      私も、まことさんが感銘を受けた3つの言葉は、すごくいいと思いです。
      こ...
      まことさん
      おはようございます。
      いいね!有難う御座います。
      私も、まことさんが感銘を受けた3つの言葉は、すごくいいと思いです。
      こんどアッサムティーにミルクとお砂糖をたっぷり入れてみたいと思います。
      やま
      2019/11/09
    • まことさん
      やまさん♪
      おはようございます。
      私も、高い山に登りたいと思いましたが、なかなかです(^^♪
      やまさん♪
      おはようございます。
      私も、高い山に登りたいと思いましたが、なかなかです(^^♪
      2019/11/09
  • あなたにとって「本」とは何ですか。
    と問いただされたような気がしました。

    書店の主だった祖父が亡くなり、
    空ろな日々を過ごしていた林太郎の目の前に、突然現れた一匹の猫。
    「本を救ってほしい」というトラに連れられて、
    迷宮に入り込んだ林太郎が見たものは───


    ”本には大きな力がある。けれどもそれはあくまで本の力であって、お前の力ではない。
    いくら知識を詰め込んでも、自分の足で歩かなければそれはただの借り物。
    お前はただの物知りになりたいのか。”
    林太郎の祖父の言っていたことが、深く胸に突き刺さる。

    一冊々、大事に読もうと心がけてはいても、
    読みたい本がありすぎて、毎日新しい本を読むことに追われ、
    めったに一度読んだ本を読み返すことがなくなった。
    大切な一冊を、何度も読み返しながら、ゆったりと物語の世界に身を置く。
    そんな読書ができたらいいのに。
    そして、そのひざの上に柔らかいモフモフちゃんがいてくれたらもっといいなぁ。

    ちなみに、本に囲まれちょこんと座っている表紙のネコちゃん。
    この子があの何やら生意気なトラ?
    ちょっと可愛すぎ?
    トラ、ごめん!(笑)

  • 祖父を亡くした少年の前に現れた、人間の言葉を喋る猫。
    この猫に導かれ、少年は本を救うために迷宮へと足を踏み入れていきます…

    期待していたよりも、ライトな内容だったので☆2つ。
    著者が本に抱いている想いは伝わってきたけれど、その部分を強調するがゆえに描かれた本の力が限定的になっているようにも感じてしまいました。
    登場する文学作品も海外のものばかりで、日本の文学も入れてほしかったな…、と少し物足りない読後感。
    でも、本書をきっかけにして、中高生が文豪の作品にも挑戦してみよう、と思ってくれるのであればうれしいです。

  • すごく読みやすかった。
    読書ブランクになった時に読みたい本。
    一年に何百冊読んだ、
    速読で多くの本を読む、
    売れる本だけを作る、
    それが果たして正しいのかどうか…

    たくさん本を読んでいるからといって偉いわけじゃないよなぁってTwitterやってると思ってしまうことがあったり、速読はビジネス書を読む時にはいいかもしれないけど小説向けではないと自分では思います。
    その社会のニーズに合わせた「求められている本」を作るということに対してはちょっと難しかったです、、悪いことじゃないと思う。
    本の力ってなんなんだろう…
    小説ばっかり読んでも意味ないって言う人もいるけど、小説も自分の役に立つんだって言える人になりたい。

  • 今月は何冊読んだか?感想書いた割合は?そんな事を気にしつつブクログをつけているオロカモノの自分には、かなり突き刺さる内容である(仕事柄沢山の本に触れるべきだとは思うのだが)。

    とにかく沢山読みたい!古典は手を出したが途中で挫折したから要約本やネット検索で決着!ベストセラーが大好き!…こういった人は自分も含め結構いるだろうし、別にそれでも構わないと思う。
    けれど、「違う本との向き合い方もあるよ」、「そんなにガツガツした消化不良の読書ばかりが読書ではないよ」と教えてくれている気がする。
    時間に追われる現代人だが、本を読む時くらい追われるようにしなくてもいいのかも。2019.8.15

  • しばらく小説離れしていたリハビリには最高の1冊でした。
    本を愛する人へお勧めの、児童書のような読みやすさで、それでいて対話もできる良書です。

    忙しい日々の中では、じっくり向き合う読書からは遠のきがち。時には仕事や生活に役立つ知識も手に入れたい。
    そう思うにつけ、より短時間で、より速く読みたい。
    そんな人も多いからこそ、要約本も売れるのでしょう。私も漏れずに手を出したことがあります。

    読書と登山は似ている、と思う。
    それは本書でも書かれていた。
    "愉快な読書もよい。けれども愉快なだけの登山道では、見える景色にも限界がある。道が険しいからといって、山を非難していてはいけない。一歩一歩喘ぎながら登っていくこともまたひとつの登山の楽しみだ"
    "どうせ登るなら高い山に登りなさい。絶景が見える"

    読み継がれている本は含蓄に富んだものが多い。
    本を読む筋力のようなものも求められるため、忙しい時程離れがちです。運動不足でいきなり挑戦できるものではない。それでも、時間を捻出して日々できる運動をしながら挑戦するだけの価値のあるもの、であることを久しぶりに思い出させてもらったような気がします。

    本は、本当にいいですよね。
    「時代を超えてきた古い書物には、それだけ大きな力がある。力のあるたくさんの物語を読めば、お前はたくさんの心強い友人を得ることになる」
    「本には大きな力がある。けれどもそれは、あくまで本の力であって、お前の力ではない」とは祖父の言葉。
    共感しつつ、染み入ります。

    手早く電子書籍も読みますが、「紙の本を時間をかけて読む」という過ごし方をしたくなる。
    まさに今読めてよかったです。

  • 私にはなかなか難しい、本に関するファンタジー小説だった。

    読みたい本が沢山ありすぎて、どこまで1冊の本に真剣に取り組めてるのか、なんとなく後ろめたい気持ちに。

  • 本は・・・好きに読めばいいんじゃないかな?w
    なんでもそうだけど、バランスが大事なわけで。

    愛し方って人それぞれだからね。
    全部を同じように愛するのは無理だし、熱烈に愛し合って蜜月を過ごすのもいいし、あちこち浮気して歩いた末に穏やかな関係にたどり着くのもいいし、深入りせずとも友好的な関係を持続させるのもいいし、みんな素敵で選べなくてどれもこれも追っかけちゃう!ってのもいいしw

    好きな時に好きなだけ、必要な時に必要なだけ、手に取りさえすればいつでもスッと寄り添ってくれるのが本だもんねぇ?

    ただし、基本的には紙の本を推奨しますがww

  • 突然、祖父を亡くし、それまで祖父が営んでいた古書店をたたみ、叔母のもとへ行くことになってしまった高校生の林太郎。目の前に本を助けて欲しいと、しゃべるトラネコが現れる。
    正直あまり話さず、本の世界にのみ没頭する林太郎だが、トラネコに協力し、様々な本を助けにいく。口がうまいわけでもないし、勉強ができる訳でもない。でも、本に関する話なら、必死に真摯に話していく。
    トラネコとの冒険を通じて、林太郎は人を思う心を、人として成長していく。
    まだまだかもしれないけれど、夏木書店を守っていって欲しい。

    ずっと読もうか迷ったまま3年がすぎでした。
    文庫本を待とうかとも思いましたが、発売されそうになかったので、単行本で購入。
    装丁がすばらしく、カバーを外したら猫の素敵なイラストが出て来て、これは単行本買い正解でした。

  • もしかしたら、じいちゃんによる『二代目認定試験』だったんじゃないかと疑っている。
    そして、本を読み終わって閉じた後の、この物語の明日からをとても楽しく想像してしまう。
    高校生にして、古書店の店主・夏木林太郎。
    とっても素敵じゃありませんか!?
    ビジュアルが、さえない眼鏡というのがまたそれらしくて良い。

    早朝、朝ごはんを済ませると店の格子戸を開けて店内に風を通し、入り口の掃き掃除と、書棚のはたき掛け…
    それが済むとお茶を淹れ、しばらく読書をする。
    時間が来れば登校し、始業ベルの少し前に、吹奏楽部の朝練を終えた柚木沙夜が教室に入ってきて、林太郎の姿を見つける。
    「よろしい、今日もちゃんと登校したわね」と、声には出さず頷くのだ。
    本を巡る状況は、相変わらず厳しいけれど、本に囲まれてそんな毎日を過ごすのはうらやましいなあ、と思う。

    しゃべるトラ猫に頼まれて、本を救うために迷宮の中に赴く林太郎。
    そこに描かれているのは、現在、本や出版業界が直面している危機であり、本の読まれ方に対する痛烈な皮肉であったり。
    自分も少し反省をしたり、日ごろの思いを代弁してくれて溜飲を下げたりしたのであった。

    序章 事の始まり
    第一章 第一の迷宮「閉じ込める者」
    第二章 第二の迷宮「切りきざむ者」
    第三章 第三の迷宮「売りさばく者」
    第四章 最後の迷宮
    終章 事の終わり

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著者プロフィール

夏川草介(なつかわ そうすけ)
1978年、大阪府生まれの医師・小説家。信州大学医学部卒業後、医師として勤務。そのかたわら2009年に『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同作は第7回本屋大賞2位となり、2011年、2014年に深川栄洋監督、櫻井翔主演で映画化される代表作となった。

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