刑事の血筋

著者 :
  • 小学館
3.19
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本棚登録 : 86
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864770

作品紹介・あらすじ

刑事の息子が綴る、本邦初の警察家族小説!

キャリアの兄とノンキャリの弟は、
刑事だった父の汚名を雪げるか?

警察庁の刑事局組織犯罪対策部薬物銃器対策課に所属していた高岡剣は、異動で故郷・津之神市に戻ってきた。着任初日から連日、県警本部の資料室で資料を読み漁っている剣の目的の一つは、津之神市で過去に起こった銃と麻薬密輸に関する事件を洗い直すこと。もう一つは――15年前に殉職した父、高岡敬一郎の死の謎を探ることだった。津之神署の刑事となった弟の守は、昔からそりの合わない剣の帰郷を歓迎できずにいた。

本邦初! 刑事の息子が
万感の思いを込めて綴る、
“警察家族”小説!

【編集担当からのおすすめ情報】
「警察官 宣誓」
私は、日本国憲法及び法律を忠実に擁護し、命令及び条例を遵守し、地方自治の本旨を体し、警察職務に優先してその規律に従うべきことを要求する団体又は組織に加入せず、何ものにもとらわれず、何ものをも恐れず、何ものをも憎まず、良心のみに従い、不偏不党且つ公平中正に警察職務の遂行に当たることを固く誓います。

感想・レビュー・書評

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  • 刑事の父を持ち、地元警察の現場のたたき上げの刑事となった弟の守と、キャリア官僚となった兄の剣。剣は県警の不正を疑い地元に戻るが、もう1つの目的は殉職した父の死の謎を探ることだった。そりが合わずにいた兄弟だったが、父親の死の真相を探るべく次第に協力するようになり...
    ミステリーの要素はもちろんあるが、団地などの描写がリアルで警察家族の話としても楽しめた。読後に知ったが、この作家さん本当に刑事の息子だったのか。

  • 殉職した刑事の父を持ち、現場のたたき上げの刑事となった弟の守と、キャリア官僚となった兄の剣。刑事の血をひく対照的な兄弟ふたりの物語だ。

    いくら洗っても身元の割れない殺人事件の遺体に、ちらつく暴力団の影を追ううちに、守と剣のふたりは、かつて黒い噂の流れた父親の過去を知る。父親は何を成し、何を為さなかったのか。

    刑事とは、正義とは何かという重いテーマを軽妙に語った一冊だった。

  • 2018.7.17.読了キャリアの兄とノンキャリアの弟。久しぶりに故郷に帰ってきたエリートの兄と期せずして協力しあうことになる。麻薬取引がらみで殺されたと思われた青年に隠された闇。ストーリーがとても興味深かったゆえに最後、ちゃんと決着をつけて欲しかった。せめて小説では…と思った。

  • 111良いテンポで、登場する人物のキャラクターもいい感じ。ストーリーはありきたりな感じもするけれど、兄弟父親の関係がいい。不幸な女の子のラストもいいね。

  • 三羽さんのくせに、なんだか佐々木譲みたいなタイトルの小説を書いたなぁ…と思ったら、本気で結構真っ当な警察小説だった。意外に思った反面、心配だったのも事実。
    警察小説の秀作は意外とたくさんあって、古くは松本清張あたりから、前述の佐々木譲、横山秀夫、誉田哲也…外国の作品まで入れるとキリがないくらい。そんな中で三羽小説の特長を生かせる作品ができたらそりゃ嬉しいのだが、簡単になりあがれそうもないジャンルだしなぁ、と。

    で、やっぱり警察小説の中でも無類の傑作!、というほどの出来にはなっておらず。といっても面白くないわけではない、健闘しているとは思うのだが。ストーリー展開、登場人物の設定、扱う事件…どれもどこまで読んだことがあるようなネタで、既出感が激しくて。

    後半、ある人物をワナにかけて、違法な自白を強要する部分があるんだけど、そこはとっても三羽作品らしかった。あとオオラスの道場のシーン、それとすき焼きのシーン、ゲーセンでの会話。
    これら含めて、良かったと思う描写・シーンがすべて、三羽らしい反面、これだったら「ぼくのおばさん」シリーズでも使えるやん…なんばっかりなのが惜しい。

    今後書き込んだら、エエ警察小説書けるかも。筆の力はあるんだし、期待しておきたい

  • 三羽さんのお父様も警察官なのだそう。帯の「親の小言と冷酒は後から効いてくる。」がよし!

  • 刑事の息子である三羽省吾が、自分の父への思いを込めて描いた小説。個人的想いがものすごく詰まっている。警察官の妻や子供たち、つまり警察の家族、というものの特異性がよくわかる。大変だなぁ、としみじみ。
    ただ、これを読むと、警察官の家族にはなりたくないなあと思ってしまう。辛いわ。なのにあえて同じ道を選んだ兄弟の、父の「秘密」への執着。それを明らかにすることへの葛藤。
    警察の、どこまでいっても変わることのない巨大な組織としての闇を暴けなかった二人。いいのか、それでいいのか、とちょっともやもや。

  • 04月-25。3.0点。
    刑事の父を持つ兄弟、兄はキャリアで弟は所轄の刑事。
    管内のマル暴の安定収入の動きと、兄の秘密調査。

    サラッと読める。父の死の原因も含め、調べていく。
    ま、よくあるストーリーと言えばそう。

  • また良い作家さんを見つけました。三羽さんの他の作品も読んでみたいですね。子供の頃から確執のあった兄弟が警察官になり事件を解決。ちょっとモヤモヤッとする解決ではあったけど…警察官の家族の物語としても読める作品でした。三羽さん本人が警察官の家族だとと知って納得です。警察官の奥さんもそれなりの覚悟が必要なのですね。警察官の家族が壊れていく小説が多い中とてもほのぼのとした家族に楽しく読めました。

  • 父、兄、弟が警察官。

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著者プロフィール

1968年岡山県生まれ。2002年、第8回小説新潮長篇新人賞を受賞した『太陽がイッパイいっぱい』でデビュー。06年『厭世フレーバー』で第27回吉川英治文学新人賞候補、09年『太陽がイッパイいっぱい』で第5回酒飲み書店員大賞受賞。12年『Junk 毒にもなれない裏通りの小悪党』で第33回吉川英治文学新人賞候補。『ニート・ニート・ニート』は18年に映画化された。他の著書に『イレギュラー』『タチコギ』『Y.M.G.A 暴動有資格者』『路地裏ビルヂング』『ヘダップ』『俺達の日常にはバッセンが足りない』などがある。

「2021年 『共犯者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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