教場0: 刑事指導官・風間公親

著者 :
  • 小学館
3.48
  • (26)
  • (96)
  • (121)
  • (19)
  • (1)
本棚登録 : 654
感想 : 116
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864787

作品紹介・あらすじ

あの鬼教官が、殺人現場に臨場!

第一話 仮面の軌跡
日中弓は、借金の肩代わりに芦沢健太郎と交際を続けてきた。大企業の御曹司から見初められ別れを告げるが、芦沢に二人の秘密を暴露すると言われる。
第二話 三枚の画廊の絵
画廊を営む向坂善紀は四年前に離婚し、息子匠吾の親権を手放した。高校二年生の匠吾には、抜群の芸術的センスがある。本人も芸大進学を希望しているが、その夢を阻む者が現れた。
第三話 ブロンズの墓穴
佐柄亜津佐の息子である小学三年生の研人は、学校でいじめに遭い、登校拒否になってしまった。だが担任の諸田伸枝は、いじめの存在を認めない。面会を拒否する諸田に、佐柄は業を煮やしていた。
第四話 第四の終章
派遣社員の佐久田肇は、隣室に住む女優筧麻由佳の美しさに惹かれていた。その佐久田のもとへ、麻由佳が助けを求めてやってくる。彼女の部屋にで俳優の元木伊知朗が、自殺しようとしているというのだ。
第五話 指輪のレクイエム
自宅でデザイン事務所を営む仁谷継秀は、認知症の症状が進む妻・清香の介護に疲れ果てていた。仁谷は五十歳、清香は七十歳。こんな日が来ることを覚悟はしていたが、予想よりも早かった。
第六話 毒のある骸
国立S大学の法医学教授である椎垣久仁臣は、服毒自殺した遺体を司法解剖する際、事故を起こし、助教の宇部祥宏に大けがを負わせてしまった。事が公になれば、自らの昇進が流れてしまう。

【編集担当からのおすすめ情報】
各話に施された恐るべき仕掛けの数々と、
驚天動地のラスト!
トリックメーカー長岡弘樹の面目躍如!
「刑事コロンボ」「古畑任三郎」に連なる
倒叙ミステリーのニューヒーロー!
――各話タイトルの元ネタが分かった方は、
かなりの「刑事コロンボ」通です!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 卒業生はみなエース級の活躍を見せるという、T県警の刑事育成システム〈風間道場〉。
    そこにおくりこまれた刑事たちの、連作短編集。

    シリーズ第3作。

    倒叙形式なので、犯人も犯行内容も分かったうえで、警察のお手並み拝見。

    経験3か月で抜擢された刑事たちの、ひりつくような不安と、がんばり。
    緊張感のある捜査ぶりが、おもしろかった。

    それぞれちがった素質を秘めているのも、変化がある。

    現場でも、風間公親の有能ぶりは変わらず。

    「指輪のレクイエム」と「毒のある骸」がよかった。

  • 6編の連作短編集

    ・仮面の軌跡
    ・三枚の画廊の絵
    ・ブロンズの墓穴
    ・第四の終章
    ・指輪のレクイエム
    ・毒のある骸

    「教場」・「教場2」での風間教官の刑事時代の物語
    県警では風間道場と呼ばれる刑事育成のシステムが存在している。
    各署にいる経験三カ月の刑事が一名、定期的に本部へ派遣され
    風間の指導の下で三か月間みっちりと教えを受けるのだ。

    風間の鋭い洞察力に唸ると同時に、各話それぞれ違う新人刑事が
    わからないなら交番勤務に戻れるように転属願をだせ!
    と言われ…それぞれが成長して行く姿が清々しかった。
    犯人達の自分勝手過ぎる殺害動機に腹が立つと同時に
    風間の様なこんな刑事が本当にいるのかなぁって…

  • ありきたりな言い方になるが、面白かった!
    風間公親の捜査能力と部下を一人前に育てる指導力、風間公親の元で初の捜査一課OJTで成長していく様と期待に応えるだけのものを持っている若い刑事達、そして犯罪の暴かれていく様。
    この3要素で楽しめた。

  • 刑事指導官だった頃の風間公親、シリーズ3作目!
    6話からなる連作短編集なのでとても読みやすかったです。
    義眼になった理由が6話目のラストでわかります。読んでいて 風間公親は木村くんでした。またドラマの続編があるといいなぁ...

  • 教場シリーズの風間が教官になる前、刑事指導官をしていた頃を描く連作短編集。
    ある県警では刑事になった後、3か月経つと署長に呼び出され、「風間教場」に送り込まれる風習が出来ていた。「風間教場」に送り込まれる刑事は、風間に認められると、その後出世すると言われているが…
    全てハウダニットで描かれていて、相変わらず、作者の短編ミステリーの巧さに感心する。
    風間が片目を失ってしまった理由も描かれ、シリーズファンには堪らない作品。

  • '22年12月15日、Amazon Audibleで、聴き終えました。シリーズ、三作目。

    正直、「教場2」はイマイチかなぁ、と感じましたが…この「0」は、良かったです。

    いわゆる倒叙もの、で…一編が短く、楽に聴けました。僕が良く倒叙ものに感じる、「ねちっこさ」みたいなものは無く、割とスッキリと犯行をあばいていく…そんな感じに思いました。舞台が現場なのも、僕にとっては馴染み深くて、良かったかな…でも逆に、それでは「教場シリーズ」っぽくは無い、と感じる方もいるかも。

    中では、第五話「指輪のレクイエム」が、一番好きです。胸を打つラストに…泣けましたಥ⁠‿⁠ಥ

    次、「風間教場」にチャレンジ!

  • 教場シリーズ1・2ともに面白かったが、この作品は風間の刑事時代のエピソードが一層「風間らしく」面白かった。さらに最終話では教官時代へと続くエピソードもあり教場シリーズファンには必読の一冊。

  • 風間さんの現役を想像していたけれど、現場も学校もやる事を一緒じゃんって感じで単なるシリーズものという内容だったのが残念。答えを知ってるところからの捜査って感じであまりにも単調すぎるのでさすがに飽きた。
    ちょこちょこ刑事講座のうんちくが出てくるがふーん程度なのでシリーズ物は映画も小説も続けるとだめだねぇ。
    眼帯の件が明らかにされたが、うーん...
    唯一、刑事ものでこれほど爽やかな小説もなかなかないだろうけどね。

  • 切れが良い短編集

     風間教官による新人指導のケーススタディ。

     どの案件もシンプルで、犯罪よりもどちらかというと新人の内面にスポットライトがあてられる。それでも、短い中で犯人側の心の内面が生々しく描かれているのは驚きだ。

     新人も犯人も女性が半分程度なんだけど、男性が犯人のお話は奥が深いというか、ドラマチックなんだけど、女性か犯人のお話はなんか単純で身勝手な感じなのが少しばかり気になるかな。

  • テレビドラマの影響で3。
    いくつかは今のドラマの原作になってるけど所々違っている。そして十崎とのシーンはまた違ってるので、展開が気になる。
    134冊目読了。

全116件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1969年山形県生まれ。筑波大学第一学群社会学類卒業。2003年「真夏の車」で小説推理新人賞を受賞し、05年『陽だまりの偽り』でデビュー。08年「傍聞き」で第61回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。13年刊行の『教場』は「週刊文春ミステリーベスト10」の1位、「本屋大賞」6位などベストセラーとなった。他の著書に『線の波紋』『波形の声』『群青のタンデム』がある。

「2022年 『殺人者の白い檻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

長岡弘樹の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×