ダンデライオン

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 439
レビュー : 80
  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093864992

作品紹介・あらすじ

「くちびるに歌を」以来7年ぶりの長編小説

11歳の下野蓮司はある日、病院で目覚めると大人の姿になっていた。20年の歳月が流れていた。そこに恋人と名乗る西園小春が姿を現す。子ども時代と大人時代の一日が交換されたのだ、と彼女は話した。
一方、20年後の蓮司は11歳の自分の体に送り込まれていた。ある目的を達成するために、彼は急いでいた。残された時間は半日に満たないものだった--。

ミリ単位でひかれた、切なさの設計図。著者だからこそできた、完全犯罪のような青春ミステリーの誕生。

感想・レビュー・書評

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  • タイムリープは本当に面白い!これも2時間で一気読み。後に何も残らないけど、タイムリープ、タイムスリップ、タイムトラベルものが大好き。ハッピーエンドに限るけど。

  • 神様の書いたシナリオをなぞって生きてきたわけではなく自分には選択の余地があったという確信を蓮司が持つに至った心情とこれから小春と2人で歩んで行く未来のビジョンが何より大事だったのだなぁと思う。健康的な精神の上に立つ美しい青春小説だった。

  • 中身は乙一ですから期待しちゃいます。ハードル上がりましたが充分答えてくれたと思います。タイムリープものの変形ですがそれほど新しい仕様ではないです。珍奇な内容で有りつつ古典的なのですから人の作る物語も新機軸を打ち出すのは難しいものです。

    僕自身は、正直仕掛けよりも人間ドラマが好きなので、過去に戻って少女の窮地を救いに行くという話は燃えます。しかも将来自分が結婚するその少女と11歳で会うというのもちょっと萌えるよねえ。
    歴史の改変や、改変した事による揺り戻しについては、過去のSF作家が諸々言及して、そこに焦点が当たる事が多いですが、中田永一さんはあまりその辺に関心ないのか、うやむやにしております。SF好きには逃げに感じるかもしれないし、SF好きでも無い人にはめんどくさい話無くて良いとも言えます。

    話は変わりますが本作は、SFの名作「たんぽぽ娘」を通底したテーマとしています。
    「たんぽぽ娘」は好きな話ではあるのですが、男の夢のようなちょっと変態じみた話のような気がする話です。外国の作品には結構あからさまなロリコン作品ありますが、「たんぽぽ娘」も結構きわどいような気がしています。もし読んでいなかったらそちらも是非どうぞ。

  • 元々は中田永一さんが乙一さんに頼んでの映画化を目論んでいた脚本だった、という本作。
    ちょっと物足りなかったけどまぁこんなもんかな。

    31歳の下野蓮司くんが、20年前に戻ってとある事件の一日を過ごすというタイムリープものです。
    読んでるうちに黒乙一がチラついて、まさか無限ループ?とかイヤミス?とか、胸糞な展開を想像してしまったのだけれど全然そんなことなかった。ヤングアダルト向けの青春ミステリー。春、たんぽぽの綿毛が舞い上がるような希望の予感に満ちたあたたかな読後感でした。
    "観測済み"が終わった未来では、あらゆることが起きる。望んだ世界が訪れる。西園小春ちゃん、きっと幸せになってほしい。

  • ああ、おもしろかったー。
    映画を観たような、2人の人生を一緒に体験したような、
    そんな気持ちになりました。
    さすがの乙一さんです。
    この構成力!
    頭の良い方だということが分かります。
    きっと映像化されるでしょう。観てみたいです。

  • 隙なし!隙なさすぎですよ、中田永一!!
    どんな設計図を作ったらこんな隙なしな小説を書けるというの。
    まさに完璧するぎる設計図!
    平成最後にタイムリープでミステリーで、ノスタルジーあって、青春要素もあって兄弟とか3.11とかこれでもかってくらい山盛りてんこ盛りなのに、これっぽっちも無駄がない!
    むしろスマート!
    2018年に発売される中、作中の年代が1999年、2019年という設定ということさえも計算でしょ、絶対。
    ふはー・・・なんか中田永一という作家の技巧に酔いしれる…
    平成最後の中田永一。無双。
    あまりの凄まじさを目の当たりにして、言葉もでないや。

  • 後頭部に衝撃を受けた影響で、わずか一日だけ、11歳と31歳の自分の心が入れ替わってしまう、という体験をした蓮司。
    1999年から、2019年へ。2019年から、1999年へ。

    31歳の記憶と精神を持つ11歳の少年は、その後出会う大切な少女のために宮城県から鎌倉を目指す。

    1999年に起きた鎌倉の強盗殺人事件を軸に、不思議な物語は展開する。

    単純なタイムスリップではなく「時を超えて入れ替わってしまう」というのがこの物語のミソであり面白いところだ。
    スピード感のある展開で、さくさくと読めた。

  • 読んでいる途中は11歳の蓮司と31歳の蓮司の入れ替わりやその1日のあれこれに全く違和感なく読んでいたのだけど、読み終わってふと考えると、ちょっと待てよ、と少し混乱。
    行って帰っての二度入れ替わる、と。入れ替わらない人生が最初にあるわけじゃない、と。
    ってことは、なぜそもそも彼は彼女を助けることにしたのか。どこの時点でその決心をしたのか、そして、なぜ。
    うーむ、と悩みつつ二度読む。そもそも、どこが始まりなのだろう。本当の意味での始まりの場所は、いったいどこなんだろう。自分なりの解釈をしながら読む。とても楽しい。

  • 11歳と20年後の自分が短時間だけ入れ替わるタイムスリップの話。時間軸が飛ぶけど、登場人物1人1人の視点から書かれて読みやすかった。犯人が誰なのか最後まで気になって、読み終わるとすべてが繋がってスッキリした感じが良かった。

  • たまたま一緒に買った2冊のおおまかな題材が同じだった。(フーガとユーガ)
    いや、違うと言えば全然違うんだけど。

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著者プロフィール

1978年福岡県生まれ、2008年『百瀬、こっちを向いて。』でデビュー。他の著書に『吉祥寺の朝日奈くん』『くちびるに歌を』『私は存在が空気』。別名義での作品も多数。

「2017年 『僕は小説が書けない』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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