- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093865296
作品紹介・あらすじ
映画ドラえもん×辻村深月
月面探査機が捉えた白い影が大ニュースに。のび太はそれを「月のウサギだ!」と主張するが、みんなから笑われてしまう…。そこでドラえもんのひみつ道具<異説クラブメンバーズバッジ>を使って月の裏側にウサギ王国を作ることに。そんなある日、のび太のクラスに、なぞの転校生がやってきた。
感想・レビュー・書評
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辻村深月とドラえもんのコラボ!!
映画を観に行ったのだけど、映画館デビューだった息子には早かったらしく(敵に追いかけられるのがちょっと怖かったのかも)、上映途中で「もう出る!」と言われ、いいところを見れなかった。。
なので、ほー!こういうオチになってたのか、と3年越しで知った笑
月面探査機なよたけが、月で謎の動く影を撮影し、その直後に謎の故障をする。
のび太は「月のうさぎだよ!」と自信満々に言うもみんなに笑われてしまう。ドラえもんは、"異説クラブメンバーズバッジ"で、月の裏側に生き物が住んでいる異説の世界に行き、月の王国を建設する。
のび太は、しずか、ジャイアン、スネ夫と、転校生のルカにバッジをつけて月の王国へ誘う。だがのび太がねんどで作り損ねたウサギ怪獣が巨大化して暴れだし、のび太はバッジが外れ、亀裂へと転落してしまうも、ルカに助けられる。
ルカは、自分がカグヤ星のゴダール博士によって作られたエーテルという超能力をもつ種族エスパルであるといい、月の地下にはエスパル11人のコロニーがあると言う。
しかし、荒れ果てたカグヤ星では、支配者のディアボロが、エスパルの捜索を命じていた。ひょんなことから、発動されたエーテルの巨大な力を感知し、カグヤ星からの追っ手がルカたちに迫ってきて…。
ドラえもん大好きな辻村さんらしく、バッチリ登場人物のキャラを掴んだ上で、笑いあり涙あり、夢と冒険とバトルと友情と…、ドラえもんらしさがいっぱい詰まっていた。私は雲の王国とか、日本誕生とか、何もなかったところに居住空間を作り上げてしまう話が好きでして。最初に月の裏側にムービットの国を作るところに一番わくわくしたかも(笑)
1000年生き続け、永遠の命を有するエスパルたち。彼らはこれからどうするのかなと思っていたら、バッジがこんな風に使われるなんて。
また改めて映画で観たいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画「ドラえもん のび太の月面探査記」のノベライズです。
大人向けに書かれた小説ですが、ドラえもんで童心に返りました。
ドラえもんの映画は友情がテーマになるものですが、それは大人になっても気持ちの良いものです。
終わりは寂しくもありますが、のび太たちが明るく前向きなので微笑んでしまいます。
彼らがまた一つ大人になるところを垣間見ることができる一冊。 -
ドラえも〜ん
のび太くーん
文字で読んでても映像が浮かびます。
浪漫があって、やっぱり楽しいですね♫
辻村深月さん脚本だったので読んでみました。
子供の頃、ドラえもんにお世話になった方は懐かしく、楽しいお話だと思います。
A先生も逝ってしまいましたね...
F先生と会ったかしらかしら
ご冥福をお祈りいたします。 -
地球と書かれた文字を見れば地球は丸いということがわかる。漢字を読めない、地球が丸いとまだ分からなかった幼い頃の自分を・・この本を読んで思い出しました。
幼かった私は空はどこまで続くんだろう。今自分が立っている場所からどこまで歩けば行き止まる場所へ辿り着けるんだろう。もし行き止まる場所へ着いたならそこにはどんな壁があるのだろう。それは目に見えるの?
お月様にはうさぎがいるの?
私には見えないけどいつか見えるようになるの?
純粋で懐かしい自分に会えたような気がしました。
こんな話を家族にしたら少し笑われましたが。
辻村さんが描くドラえもんの世界も素敵でした。
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ドラえもんの話を小説で読む日が来るなんて。
辻村さんのおかげ。
昔はいろんなドラえもんの映画を見ていた。
子供が大きくなったらもう見なくなっていた。
でもこの本を読んでると、想像できる。
のび太にドラえもん、しずかちゃんにジャイアン、スネ夫。
彼らの映像が頭の中で勝手に動き出す。
彼らはいつも友情にために戦ってる。子供ながらに。 -
ドラえもんの大ファンという辻村さんが書くドラえもん!シンプルながらメッセージが込められていて、とても読みやすく読み応えがあった。
映画を見る前にこちらを読んだので、いつか映画も見てみたい。 -
ドラえもんを小説で読むのは何とも不思議な感じ。
子どもの頃は漫画やアニメで見ていたけど、大人になってからはすっかりご無沙汰していた。
でも、ドジだけど優しいのび太と、そんなのび太を見守るドラえもん、ジャイアンやスネ夫とのドタバタ、と記憶にある世界観はそのまま。
今回はのび太たちのクラスに、不思議な転校生ルカがやって来たことから始まる。実は特殊な力をもつルカたちを狙う異星人たちと闘うというなかなか壮大な物語。
のび太たちとルカとの友情、親子の愛情、永遠の命を生きるルカたちの孤独、ルカたちの力を軍事利用しようとする悪との戦い。子ども向けとは言い切れないぐらい、ほのぼのとハラハラとドキドキと少しの切なさが詰まった作品。
さりげなくかぐや姫の伝説を絡めてきてるところが、また憎い。 -
辻村深月の書く「ドラえもん」ってどんなものだろうという興味で読んでみたが、さすがと言わざるを得なかった、最近大量に増産される死に至る病気による悲恋ものよりも余程感動させられた。最新の月観測の成果も取り込み、かぐや姫伝説まで内包させたストーリーテーリングは見事であった。ただ定説の異説の反対は定説であるという言葉遊びはいかがなものだろう、出来れば量子力学的解決方法を見つけ出して欲しかった。
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『友達が悲しい時には自分も悲しいし、嬉しい時は一緒に喜ぶ。ただ友達っていうそれだけで、助けていい理由にだってなるんだ』
永遠の命と膨大なエネルギー超能力をもち、それ故荒廃したかぐや星の復興のため
に狙われる”エスパル”という種族。のび太たちは月の裏側に隠れ住んでいたエスパルの少年、ルカたちと出会い、そして友情を深め、かぐや星軍の襲撃を受けながらも、”友達”として、共に立ち向かっていく話。
この作品は”大人”に対してのアンチテーゼだと思います。私自身、ドラえもんたちの語る台詞にハッとさせられる部分が多くあり、ドキドキしながら読みました。
『ガリレオが地動説を唱えたときも、最初は異説として誰も信じなかった。だけど、今ではそれが定説になっている。人間の歴史はそれぞれの時代の異説が切り開いてきたようなものだよ(p106 ドラえもん)』
『想像力は未来だ!人への思いやりだ!それをあきらめた時に、破壊が生まれるんだ!(p197 ドラえもん)』
『大げさだなぁ。バッジがなくてもいつでも会えるよ』
『だって、ボクたちには想像力があるんだから(p250 のび太)』
読み終わって、自分のことを考えました。
大人になって、賢くなって、常識とかも分かるようになって、人生のいろんな場面を、うまく立ち回れるようになって・・・
一方で、常識外れを嫌い、絆だの情熱だの青臭い考えを馬鹿馬鹿しいとどこかに遠ざける・・・
大人になっていくにつれ、大事なものを忘れていくのだと気付かされました。もちろん大人になって手にしたものは必要だし、悪でもない。でも、どこかで思い出そうとしなければ、”利益のため”、”平和のため”、正当化した建前で罪悪感を打ち消して平気で破壊を生み出してしまう・・・ようになってしまうのかもしれないと思いました。
お馴染みの歌「夢をかなえてドラえもん」にこんな歌詞があります。
『大人になったら 忘れちゃうのかな そんな時には 思い出してみよう』
『大人になっても きっと忘れない 大切な思い いつまでもずっと』
それを思い出すために、忘れないためにこの作品が、そしてドラえもんそのものがあるんだと思います。
心のどこでもドアをあければそこにドラえもんがいます。
表紙のどこでもドアをあければそこにドラえもんがいます。
懐かしく、温かく、本当によかったです。超おすすめ。
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