小説「映画 ドラえもん のび太の月面探査記」

  • 小学館
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本棚登録 : 198
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093865296

感想・レビュー・書評

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  • 辻村深月とドラえもんかー!と思ったら、前作は川村元気が脚本だったんですね。
    店頭在庫が少なかったので、売れているのかなと思う。確かにジャケットの作りが素敵だし、手に取りたくなる。

    エスパルという、子供の姿で永遠の生を生きる種族が登場するのだけど、彼等は「エーテル」という膨大なエネルギー生み出せるため、つけ狙われ、月に逃げて暮らしている。

    永遠の年月を、ただ「生きるために生きている」ことに、苦しさも感じるルカ。
    かぐや姫の月人なら、永遠の歳月に感覚が麻痺し、感情が超越してしまうところだが、エスパル達は幼いまま、感受性だけはずっと鋭敏であるという所も、考えられているなあと思う。

    一方、創造と破壊を繰り返す人間側として、のび太くんはどのようにエスパルと関わるのか。
    こういう話は、割と結末にドキドキしてしまうんだけど、単にお別れバイバイではなく、お互いに気付きのあるエンディングで良かった。

    映画がどんな風に作られているのかは分からないけれど、この量だとストーリーだけを追っていった感じがして、もっと深い所まで掘っていって欲しかったな、というのが正直な感想です。

  • この本は良い意味で辻村さんではなく「ドラえもん」だ。
    でも、たまに感じる辻村さんらしさがまた良い。
    何歳になってもドラえもんは普遍的だなと感じた。
    映画ならではの友情、感動、冒険、お馴染みジャイアンが映画だといい奴になるのも定番!!
    読んでたら久しぶりにアニメのドラえもんを見たくなった。
    あと、本の装丁がとても綺麗でいい!
    昔のドラえもん。
    中のどこでもドアはちゃんと開いて月に行ったのび太とドラえもんが見える仕様。
    辻村さんのドラえもんへの愛を感じる。

  • 『異説クラブメンバーズバッジ〜!』
    ドラえもんのひみつ道具で今回は月面に秘密基地みたいな場所を作る。
    世間からは間違ってると言われていることだって、想像してみれば楽しい。
    この世のいろいろを楽しめる心をずっと持っていたい。
    友達ってなんて素晴らしい存在なのか。

    自分のカラーを出してやろう、今まで見たことないことをやってやろう、そんな私欲を感じさせずひたすらみんなが、何より自分が大好きなドラえもんの世界を再現することに徹していた辻村さん。序盤はまんま異説クラブ〜のオマージュやし。
    ずーっと見てきたものっていう安心感があった。月みたいに。
    毎日見ているものなのにふいに感動できたりする月みたいに。

  • 映画ドラえもんの脚本が辻村深月だと聞き、ついに!と思った人も多いでしょう。ドラえもんの(いや藤子・F・不二雄の)ファンだと公言し、オマージュ的作品も書き、ドラえもんや他の作品についての想いも多く語られていました。そんな「辻村深月のドラえもん」がついに生まれるのかと感慨深かったです。
    そしてその作品が本人の手によって「小説」となりました。アニメ作品は脚本だけでできる訳ではありません。そこに絵が付き声が付き音楽が付き、総合的に作り上げられていくものです。その過程を見つつ、脚本を手掛けた作家本人によって小説化されるのは何とも面白い感覚ですね。

    ドラえもんの小説となると瀬名秀明による「鉄人兵団」もありますが、それともアプローチが違ったことも面白かったです。鉄人兵団は謂わば「既に知っている物語」なのですね。映画でリメイクされるタイミングで出た本ですが、原作まんがを元に書かれています。そこでは原作に描かれていなかった登場人物の心情の機微を書くことで小説となり、物語の隙間や裏側を書くことで原作との差異を書きました。でもこの「月面探査記」は未だ語られていない物語なのですね。これから語られる新たな物語。だから物語の展開に主眼を置かれて書かれています。これからどうなるのだろう。のび太たちは大丈夫だろうか。このピンチをどう切り抜けるのだろう。作者曰くこの作品が初めての小説との出会いになることも想定したとのこと。(今回は一般書体裁で読みましたが、児童文庫体裁でも出ています。)だから物語の力、ワクワクドキドキする想いで引っ張ってくれます。

    ドラえもんの映画には「お約束」があれこれとあります。そこをきちんと押さえて、いつものドラえもんの世界を構築しながら新たな物語が展開されます。これが楽しい読書体験となって欲しい。そんな想いも感じる作品でした。面白かった!

  • 2019年02月14日読了。

  • まさかあの辻村さんがドラえもんの脚本を書くなんて!!え?いやいやいやいや、ないない!え?どうなるの?
    どきどきしながら読み始めたのだけど、2ページ目で辻村脚本なんてことは頭から抜け落ちました。
    純粋に、ドラえもんとのび太とその仲間たちの冒険物語として楽しめた。
    いつも通り映画版ののび太は少しかっこよくて、ジャイアンもスネ夫も仲間思いで優しいところもいつも通りで安心。
    だけど、多分いつもののび太の映画よりも、少しだけ大人の視点を感じる。子どもは子どもの目線で楽しめるだろうけど、大人はちょっぴり引いた目で見るんじゃないかとふと。

  • 小説で読むドラえもんは違和感なく読めました。
    辻村さんがドラえもんを通して伝える、暖かくも希望に満ちた物語

    物語の中、生き生きと動くドラえもんや秘密道具に想像力が掻き立てられる。
    言えることは、友情は素敵。

    のび太たちの友情に涙しました。
    ドラえもんの物語らしく夢と冒険がつまっていて、大人でも子供でも楽しめる作品。(大人の視点で読むと深くて、いろいろ考えさせられることも)
    あと、所々にズバッと切り込んでくるようなメッセージ性のある台詞も良かった。
    映画も見てみたい...

  • 原作の「異説クラブメンバーズバッジ」をベースにした2019年春映画の原作。
    藤子愛に溢れており、F先生存命中の作品と地続きであるかのような手触り。

    しかし「世界観を壊さない」ことに腐心した結果、「どこかで読んだことがあるF作品」感が出てしまっている。
    全く世界観を壊されるよりは全然よいのだが、改めて「遺志を継ぐ」ことの難しさを感じる。

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