小説「映画 ドラえもん のび太の月面探査記」

  • 小学館
3.60
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本棚登録 : 733
レビュー : 78
  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093865296

作品紹介・あらすじ

映画ドラえもん×辻村深月

月面探査機が捉えた白い影が大ニュースに。のび太はそれを「月のウサギだ!」と主張するが、みんなから笑われてしまう…。そこでドラえもんのひみつ道具<異説クラブメンバーズバッジ>を使って月の裏側にウサギ王国を作ることに。そんなある日、のび太のクラスに、なぞの転校生がやってきた。

感想・レビュー・書評

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  • 映画「ドラえもん のび太の月面探査記」のノベライズです。
    大人向けに書かれた小説ですが、ドラえもんで童心に返りました。
    ドラえもんの映画は友情がテーマになるものですが、それは大人になっても気持ちの良いものです。
    終わりは寂しくもありますが、のび太たちが明るく前向きなので微笑んでしまいます。
    彼らがまた一つ大人になるところを垣間見ることができる一冊。

  • 地球と書かれた文字を見れば地球は丸いということがわかる。漢字を読めない、地球が丸いとまだ分からなかった幼い頃の自分を・・この本を読んで思い出しました。
    幼かった私は空はどこまで続くんだろう。今自分が立っている場所からどこまで歩けば行き止まる場所へ辿り着けるんだろう。もし行き止まる場所へ着いたならそこにはどんな壁があるのだろう。それは目に見えるの?
    お月様にはうさぎがいるの?
    私には見えないけどいつか見えるようになるの?
    純粋で懐かしい自分に会えたような気がしました。
    こんな話を家族にしたら少し笑われましたが。
    辻村さんが描くドラえもんの世界も素敵でした。

  • ドラえもんの話を小説で読む日が来るなんて。
    辻村さんのおかげ。

    昔はいろんなドラえもんの映画を見ていた。
    子供が大きくなったらもう見なくなっていた。

    でもこの本を読んでると、想像できる。
    のび太にドラえもん、しずかちゃんにジャイアン、スネ夫。
    彼らの映像が頭の中で勝手に動き出す。

    彼らはいつも友情にために戦ってる。子供ながらに。

  • 辻村深月の書く「ドラえもん」ってどんなものだろうという興味で読んでみたが、さすがと言わざるを得なかった、最近大量に増産される死に至る病気による悲恋ものよりも余程感動させられた。最新の月観測の成果も取り込み、かぐや姫伝説まで内包させたストーリーテーリングは見事であった。ただ定説の異説の反対は定説であるという言葉遊びはいかがなものだろう、出来れば量子力学的解決方法を見つけ出して欲しかった。

  • 『友達が悲しい時には自分も悲しいし、嬉しい時は一緒に喜ぶ。ただ友達っていうそれだけで、助けていい理由にだってなるんだ』

    永遠の命と膨大なエネルギー超能力をもち、それ故荒廃したかぐや星の復興のため
    に狙われる”エスパル”という種族。のび太たちは月の裏側に隠れ住んでいたエスパルの少年、ルカたちと出会い、そして友情を深め、かぐや星軍の襲撃を受けながらも、”友達”として、共に立ち向かっていく話。


    この作品は”大人”に対してのアンチテーゼだと思います。私自身、ドラえもんたちの語る台詞にハッとさせられる部分が多くあり、ドキドキしながら読みました。


    『ガリレオが地動説を唱えたときも、最初は異説として誰も信じなかった。だけど、今ではそれが定説になっている。人間の歴史はそれぞれの時代の異説が切り開いてきたようなものだよ(p106 ドラえもん)』

    『想像力は未来だ!人への思いやりだ!それをあきらめた時に、破壊が生まれるんだ!(p197 ドラえもん)』

    『大げさだなぁ。バッジがなくてもいつでも会えるよ』
    『だって、ボクたちには想像力があるんだから(p250 のび太)』


    読み終わって、自分のことを考えました。
    大人になって、賢くなって、常識とかも分かるようになって、人生のいろんな場面を、うまく立ち回れるようになって・・・
    一方で、常識外れを嫌い、絆だの情熱だの青臭い考えを馬鹿馬鹿しいとどこかに遠ざける・・・


    大人になっていくにつれ、大事なものを忘れていくのだと気付かされました。もちろん大人になって手にしたものは必要だし、悪でもない。でも、どこかで思い出そうとしなければ、”利益のため”、”平和のため”、正当化した建前で罪悪感を打ち消して平気で破壊を生み出してしまう・・・ようになってしまうのかもしれないと思いました。


    お馴染みの歌「夢をかなえてドラえもん」にこんな歌詞があります。


    『大人になったら 忘れちゃうのかな そんな時には 思い出してみよう』
    『大人になっても きっと忘れない 大切な思い いつまでもずっと』


    それを思い出すために、忘れないためにこの作品が、そしてドラえもんそのものがあるんだと思います。

    心のどこでもドアをあければそこにドラえもんがいます。
    表紙のどこでもドアをあければそこにドラえもんがいます。

    懐かしく、温かく、本当によかったです。超おすすめ。

  • やっぱり最高ですね!
    映画ではナレーションはないので辻村さんと気づきにくいですが、やっぱり本を読んで見ると書き方が辻村さんだなーと思いました。

    辻村さんは生まれた頃からずっとドラえもんに支えられてきたそうです。
    今までにも辻村さんの所にはドラえもんの脚本の話が何回か行っていたそうですが、恐れ多いと、今までずっと断ってきたそうです。ですが今回、こうした方法で、ドラえもんに関わることが出来るなら……ということを思って脚本の話を受け入れたそうです。

    辻村さん、今まで色んな素晴らしい話を書いてきてくれてありがとうございます。そしてこれからも、よろしくお願いします!

  • 辻村深月とドラえもんかー!と思ったら、前作は川村元気が脚本だったんですね。
    店頭在庫が少なかったので、売れているのかなと思う。確かにジャケットの作りが素敵だし、手に取りたくなる。

    エスパルという、子供の姿で永遠の生を生きる種族が登場するのだけど、彼等は「エーテル」という膨大なエネルギー生み出せるため、つけ狙われ、月に逃げて暮らしている。

    永遠の年月を、ただ「生きるために生きている」ことに、苦しさも感じるルカ。
    かぐや姫の月人なら、永遠の歳月に感覚が麻痺し、感情が超越してしまうところだが、エスパル達は幼いまま、感受性だけはずっと鋭敏であるという所も、考えられているなあと思う。

    一方、創造と破壊を繰り返す人間側として、のび太くんはどのようにエスパルと関わるのか。
    こういう話は、割と結末にドキドキしてしまうんだけど、単にお別れバイバイではなく、お互いに気付きのあるエンディングで良かった。

    映画がどんな風に作られているのかは分からないけれど、この量だとストーリーだけを追っていった感じがして、もっと深い所まで掘っていって欲しかったな、というのが正直な感想です。

  •  映画ドラえもんの小説版。最後に見た映画は確か銀河超特急。のぶ代ドラの世代なので久しく映画もアニメも遠ざかっているので、数年前わさびドラ版のアニメをテレビで偶然見たときは、ジャイアンも丸くなったなぁと感じたのを覚えている。

     ご多分に漏れずドラえもんはアニメ・漫画で親しんでいたが、小説という媒体で触れるのはこれが初めてだった。小説だけあって、登場人物の心の内が非常に丁寧に描かれる。とりわけ印象に残っているのが、以下の部分。
    「ジャイアンにスネ夫にしずかちゃん。みんな、のび太とこれまで数々の冒険をともにしてきた仲間だ。いつも一緒にいるというわけでもないのに、特にジャイアンやスネ夫はのび太とは対立することも多いのに――なぜか、不思議な縁でつながっているように、のび太は彼らのことを仲間だと思っている。」(p.13)
     あのドラえもんの世界独特の人間関係が、辻村美月という作家はこうやって表現するのだな、と、面白いような、無粋なような、とにかく新鮮だった。

     ただ、例えばルカに対しのび太が母の愛について語る場面のように、お前本当に小学生かよとツッコミを入れたくなってしまう面もある。多分媒体の違いであって、アニメで観たらそんなに違和感もないのかもしれない。
     また、上に挙げたような小説ならではの面白みが沢山あるわけではない。約2時間の映像をなぞることにページ数が割かれてしまうのが原因だろうか。
     もちろん、映画ありきの小説であり、その上天下のドラえもんとくれば、表現の幅は一気に狭まってしまうのだろうし、物足りない気持ちになるのは仕方がないのかも。
     ハリウッド映画が原作を大幅に改変するように、ドラえもんを大胆に改変した小説、なんてものもあったら読んでみたいな。

     何にせよ、次は映画も楽しみたい。

  • さすが辻村深月さん!
    間違いなく【ドラえもん映画】史上最高傑作だと思います。

  • 幼稚園からずっと見ていたどらえもんが書籍化されて何とも新鮮でした
    旅先で読んだのですが、ドラえもん達も一緒に旅してるみたいで幸せでした
    漫画とも映画とも違って自分の想像で映像化でき、また新しい見方で読むことができるドラえもん愛が深まった一冊です

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