新章 神様のカルテ

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  • 小学館
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本棚登録 : 328
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093865319

作品紹介・あらすじ

320万部のベストセラー、大学病院編始動

信州にある「24時間365日対応」の本庄病院に勤務していた内科医の栗原一止は、より良い医師となるため信濃大学医学部に入局する。消化器内科医として勤務する傍ら、大学院生としての研究も進めなければならない日々も、早二年が過ぎた。矛盾だらけの大学病院という組織にもそれなりに順応しているつもりであったが、29歳の膵癌患者の治療方法をめぐり、局内の実権を掌握している准教授と激しく衝突してしまう。
舞台は、地域医療支援病院から大学病院へ。
シリーズ320万部のベストセラー4年ぶりの最新作にして、10周年を飾る最高傑作! 内科医・栗原一止を待ち受ける新たな試練!

【編集担当からのおすすめ情報】
「新章 神様のカルテ」に寄せて
「神様のカルテ」を書き始めて、いつのまにか十年が過ぎた。私の歩んできた道を追いかけるように、栗原一止の物語も五冊目を数え、本作をもって舞台は大学病院へと移る。栗原は、私にいくらか似たところはあるが、私よりはるかに真面目で、忍耐強く、少しだけ優秀で、間違いなく勇敢である。そんな彼が、大学という巨大な組織の中で描きだす、ささやかな「希望」を、多くの人に届けたいと思う。
夏川草介 深夜2時半の医局にて

感想・レビュー・書評

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  • 新幹線の中で涙した。大学病院に行った帰りだったが、そんなことは関係なく涙した。以前のシリーズもよかったが、さらに筆がさえている。泣かせる。「新章」と着くだけあり、以前の病院から大学病院に移り、子供もでき、以前と生活が変わっているが、相変わらずの忙しさ。あとは本書を読んでみて欲しい。著者の成長とともに、物語も成長していくのだろう。次の作品が楽しみ。

  • 変人栗原、ついに大学病院へ!

    『大学病院は限られたパンである』

    大学病院という巨大な組織の中、倫理と良心、規則とガイドライン、医局制度と地域医療の現実、様々な葛藤を抱えながらそれでも目の前の患者と向き合おうともがく栗原。

    9年目の中堅医師として、上に迎合しつつ、下を指導する難しさもとてもリアルに描かれる。

    やっぱりこのシリーズ好きだなぁ。
    栗原の小難しく屁理屈ばかりの言葉遊びも素敵だし、それでいて静かに熱く感情を噴き出すシーンは感動する。
    そして、周りの人たちのキャラクター設定も面白いし、情景描写は美しい。

    また映画化されないかなぁ。

  • 葛藤の中に成長があり、揺るがない信念の中に感動があったと思います。

  • 終末期の患者さんの退院調整は本当に大変。
    家族、医療従事者が連携しないと難しい。
    二木さんが自宅に帰れたのは良かった。
    誰しも亡くなるんだけど、それが自宅でっていうのは本人が望んでも家族の協力がなければなし得ない。
    また、在宅医の先生の存在も大きい。
    少しでも最期がより良いものになるように、サポートできるように頑張りたいな、と栗原医師の姿から色々考えていました。

  • 主人公のドクトルや細君、御嶽荘に住まう男爵に、戻ってきた学士殿、ドクトルの娘、小春など様々な登場人物が独特な雰囲気を醸し出し時折、愉快なエピソードを合間に披露するこの物語は、しかし過酷な医療現場を赤裸々に記載している。
    本作では、医療現場でも異彩を放つ大学病院という名の舞台で、ただひたすらに患者のための医療を行おうとするものと、それに立ちはだかる組織のルール。
    実にもどかしく、そしてまっすぐなドクトルの生き様に感動を覚える物語。

  • 待ちに待った!!新章!!
    大学病院では今までの人間関係が出てこないのか心配になったけど、そんな事はなかった♪

    出だしの一止家族の話と最後のタツ家族の話に
    ニヤニヤが止まらなかった。

    大学病院という大きな組織の中で、一止が自分の信念をどう貫くか・・・。
    動きずらい大きな組織だけど、大学病院だからこそ出来る事がある。

    若い研修生と共に、その組織の中で医師として
    患者側に立ち続ける。

    今回からの新しいキャラの面々も、とても魅力的!!
    特に北条先生は際立ちます✩.*˚

    ハルと友人達、一止の独特の毒舌が健在でした。
    帰る場所があるんだ!!と両手を広げて待っていてくれる友人達。

    早く次が読みたいです。

  • 相変わらず、どこへ行ってもイチさん節は変わらない。
    「患者の話をしているんだ!」
    古狐先生の時も、同じ事を言っていた。何年たっても、その部分はイチさんの芯なのだろう。
    そして、相手が誰であろうとそこだけは曲げない。
    理想と現実の矛盾にままならぬ虚無感を抱きつつも、それでも、突き進めるのは、イチさんの芯と、先人の遺した名言を、大切にしているからだろう。
    いちいち心に響いて、イチさんが引用する言葉を私もノートに留め置きたい。
    特に、年を重ねて、組織に生きる現状では、どれほど支えになるかしれない。

    今回の大筋は漱石先生の
    「真面目とはね、真剣勝負ということだよ」
    でしょうね。
    さて、私は真剣勝負をしているか。勇気を持っているか。生きることをちゃんと考えているか。
    まったく、読むごとに考えされられる逸品である。
    「生きることは権利ではない。義務である。」
    この言葉の重みを大切にしたい。

    信念を貫くとき、敵も増えるが、少なからず理解を示してくれる人がいる。
    誠実に実直に青臭くもがきながら、進む。生きることとはなにか。いろんなメッセージが込められていると、思うと、何度も読み返したくなる。
    特に、イチさんのイチさん節は、何度でも繰り返し読むだろう。
    そうして、私の糧になるのだ。

  • 我らがイチさんが大学院生という身分で大学病院勤務医として帰ってきた。
    地域医療を支える病院と大学病院との大きな違い。そこには「医療」への認識や姿勢や業務の大きな違いがある。それはわかる、理解もする、けれど、どうしても納得はできないことがある。
    目の前にいる患者にどう対応するか、その納得のできない壁にイチや利休たちは真正面からぶつかり悩み怒り、そして乗り越えるべくあがく。その姿に、心を強く揺さぶられる。
    病院とは、医者とは、たんに病気を治してくれるだけの存在ではない。そこにはゆるぎない信頼とそして文字通り命をかけるべき勇気が必要となる。
    イチの人間としての成長は愛娘小春の存在が大きい。そしていつもそばにいてくれるハルの笑顔。大丈夫です、とほほ笑むその一言でどれほどイチが救われているか。
    私はイチさんにはなれないけれど、何かに一生懸命向き合う誰かのそばでその支えとなることはできるかもしれない。人生に、仕事に、大きな悩みを抱き、乗り越えられない壁にぶつかっている誰かに「大丈夫です」と笑顔で言える、そんな存在になれたら…そんな気持ちになる。
    『神様のカルテ』シリーズを読むと、信州に行きたくなる。信州の春を、夏を、秋を、冬を、その大きな懐の中で生きてみたくなる。

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著者プロフィール

夏川草介(なつかわ そうすけ)
1978年、大阪府生まれの医師・小説家。信州大学医学部卒業後、医師として勤務。そのかたわら2009年に『神様のカルテ』で第10回小学館文庫小説賞を受賞しデビュー。同作は第7回本屋大賞2位となり、2011年、2014年に深川栄洋監督、櫻井翔主演で映画化される代表作となった。

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