- Amazon.co.jp ・本 (414ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093865319
作品紹介・あらすじ
320万部のベストセラー、大学病院編始動
信州にある「24時間365日対応」の本庄病院に勤務していた内科医の栗原一止は、より良い医師となるため信濃大学医学部に入局する。消化器内科医として勤務する傍ら、大学院生としての研究も進めなければならない日々も、早二年が過ぎた。矛盾だらけの大学病院という組織にもそれなりに順応しているつもりであったが、29歳の膵癌患者の治療方法をめぐり、局内の実権を掌握している准教授と激しく衝突してしまう。
舞台は、地域医療支援病院から大学病院へ。
シリーズ320万部のベストセラー4年ぶりの最新作にして、10周年を飾る最高傑作! 内科医・栗原一止を待ち受ける新たな試練!
【編集担当からのおすすめ情報】
「新章 神様のカルテ」に寄せて
「神様のカルテ」を書き始めて、いつのまにか十年が過ぎた。私の歩んできた道を追いかけるように、栗原一止の物語も五冊目を数え、本作をもって舞台は大学病院へと移る。栗原は、私にいくらか似たところはあるが、私よりはるかに真面目で、忍耐強く、少しだけ優秀で、間違いなく勇敢である。そんな彼が、大学という巨大な組織の中で描きだす、ささやかな「希望」を、多くの人に届けたいと思う。
夏川草介 深夜2時半の医局にて
感想・レビュー・書評
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「真面目とはね、真剣勝負の意味だよ」
(夏目漱石の言葉)
常に患者に対して、真剣勝負で挑む一止。
今回は、大学病院に行ってからの話し。
相変わらず「引きの栗山」は変わらず忙しい!医者がそんなに忙しいのが良いのかは、疑問やけど(病人多い事なんで)。
一人一人に、真面目に真面目に向き合う。
しかし…
院生という立場かもしれんけど…
修行の身かもしれんけど…
薄給過ぎる〜
大学病院って、色々身につくかもしれんけど、何か色々な壁があってしんどそう。
ルール!ルール!って言われんの嫌いやから、そんなん意味あるのか!って思ってしまう。
何か、本来の目的を見失ってるんとちゃうの!って。
それでも、それに見合う価値があるのかな?そこを変えようする人あり、守ろうとする人と色々いて、やはり人材豊富で魅力はあるのか…
その中でも、相変わらず変人で通る一止!患者さんのために、一直線!
私も最後は、こんなお医者さんに診て欲しい!
信州の良い雰囲気もありで、夜遅くまで一気読み!
良かった!
最後に、お子さん産まれて、おめでとうございます!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
いつもながらこのシリーズを読み終えた後は清々しい気持ちになる。
何故だろうかと改めて考えてみた。
考えた末の結論は「誠実だから」だと思う。主人公の一止だけでなく、利休、次郎、ハルさんなど、私の好きな登場人物はみんな誠実だ。単なる真面目とは違う。要は目の前の事柄に対して常に真剣で真摯に取り組んでいる。
我が身を振り返って「自分はダメだなあ」と思えばこそ、読後が清々しくなるのだろう。
今回は舞台を大学病院に変え、新しい登場人物もたくさん出てくる。それでも全く違和感を覚えず過去作品と同じように読めるのは、一止の誠実さがブレないからだ。大学院生という峻烈な環境下においても一止は目の前の患者や後輩や子供や学内ルールに対して、常に誠実に立ち向かっている。
作中で出る「嘘と卑怯と小細工は恥ずかしいことだ」という台詞を噛み締め、少しでも自分もこの人達に近付こうと思いながら、今回も日本酒「酔鯨」を飲みつつ読後の幸福感に浸っている。
このシリーズが本作で終わるのだけがとても残念だ。 -
久しぶりに続編を読みました!
私の読書のきっかけを作った「神様のカルテ」。
その新章がスタート。
今回も全ての登場人物が良い。
医療に携わる人間として、初心に帰る本です!
患者さんの最期を迎えるにあたり、退院調整に奮闘するからシーンにはホロリと来ました。
信州の美しい情景描写も相まって、爽やかな読後感です。オススメ! -
著者、夏川草介さん(1978~)の作品、ブクログ登録は5冊目になります。
本作の書き出しは、次のとおり。
---引用開始
春の安曇野は、ひときわ美しい土地である。
厳しい冬を乗り越えた木々は、明るい日差しの下に伸びやかに枝を伸ばし、淡い霞に柔らかな緑を投げかける。見上げれば北アルプスの稜線にはなおまだ残雪が、厳冬の名残りを示して燦然と煌めいているが、足下に視線を落とせば、連翹、山吹、鈴蘭、牡丹とはっとするほど艶やかな色彩が開き始めている。
---引用終了
で、本作の内容は、次のとおり。
---引用開始
320万部のベストセラー、大学病院編始動
信州にある「24時間365日対応」の本庄病院に勤務していた内科医の栗原一止は、より良い医師となるため信濃大学医学部に入局する。消化器内科医として勤務する傍ら、大学院生としての研究も進めなければならない日々も、早二年が過ぎた。矛盾だらけの大学病院という組織にもそれなりに順応しているつもりであったが、29歳の膵癌患者の治療方法をめぐり、局内の実権を掌握している准教授と激しく衝突してしまう。
舞台は、地域医療支援病院から大学病院へ。
シリーズ320万部のベストセラー4年ぶりの最新作にして、10周年を飾る最高傑作! 内科医・栗原一止を待ち受ける新たな試練!
---引用終了
このシリーズとの付き合いも、何時の間にか長くなりました。
「神カル1,2,3」は、2015年に読み、2022年に「0」を読み、2024年に「新章」を手に取った。 -
眩しい一冊。
いきなり"小さな春"に会えてにっこり。
地域医療から大学病院という新しい場所での新しい出会い、学ぶ数々、いくつもの悲喜こもごもに何度涙しただろう。
価値観も姿勢もさまざまな医者、患者がいて、でもルールに縛られた巨大な組織。
その中で自分を見つめていく、勇気を得ていく一止先生は眩しい、いや、眩し過ぎた。
今作の一人の患者さんに対する姿勢は胸を打ちまくり。
杭のように刺さる言葉をくれる先輩医師達の背中も眩しかった。
患者への穏やかな時間をサポート、信頼関係、それが根底にあれば患者も全てを委ねられる、そう思う。 -
栗原一止が大学院へ。消化器内科医として働き、大学院生として研究を重ねで2年が過ぎる。大学病院の決まり・仕組み、29歳のすい臓がん患者をめぐり、准教授と対決する。
パン屋・宇佐美教授との意見の違い、立場の違いはあるもののそれぞれ病院、患者さんのこと考えているんだなと、病院内でより良くなるために戦っているんだなあと伝わります。一止さんが子育て、家のこと、そして、成長、奮闘する姿は読んでていて爽快だし、今後の活躍、ずっと見てみたいです。今回は、やはりすい臓がんの患者についてのところ(後半)は、見応えありありでした。長野の空気とともに先生の活躍を続けて読みたいです。 -
夏目漱石を敬愛してやまない主人公の変人医師こと栗原一止は二年前、勤務先を長野の市中の一般病院から大学病院へと変わった。
そして一止と細君との間に小さな天使がやってきた。
この小説の著者は、歴然とした現役の医師で、勿論フィクションと書いているけれど、医療の現場であからさまになっている社会問題を取り上げています。
物語は、外科から内科勤務の一止に患者を引き継ぎたいとの要望があり、既に手術不能と診断されている膵癌患者(ステージⅣ)との生死にかかわる論争場面が圧巻だ(些か強引かもしれないが)そして患者の七歳になる子供との約束は読み落としてはならないポイントではなかろうか。
患者の子供(理沙)との会話は以下の通り
理沙『ママ、治るの?』
束の間逡巡し、何とか口を開いていた。
一止『お医者さんは、魔法使いではない。だから絶対に治すと約束することは出来ない』
『しかし治すために全力を尽くす。それだけは約束する』
「子ども相手の応答として(中略)模範解答のあるはずもない。」
この作品の医師の言葉は、患者のみならず読者の心を動かすのではないかと思います。
読書は楽しい。 -
※2019.12.11の記録
【記録】
新章 神様のカルテ
2019.02発行。字の大きさは…字が小さくて読めない大きさ。
残念です。
いままで、「神様のカルテ」をすべて読んできたが、図書館より来たのを見て、こんなに字が小さかったかビックリする。
目がそれほど悪くなったのかな?。
図書館を検索すると大活字本が出ている。
もしかして、大活字本を読んだのかな、はっきりしない。
でも、「神様のカルテ0」(大活字本はまだ出ていない)も読んでいるから、大活字本ではないよな。
このころは、まだ紙での図書録を作っていなかった。
※【記録】の説明は、プロフィール欄に書いて有ります。 -
4.9
面白かった!
神様のカルテシリーズを全部読みましたが、一番良かったです。それでも今までの経緯を知ってるが故の面白さも多分にあり、これだけを読んでも面白さは半減どころか1/10くらいかも知れません。
一止は相変わらず、不思議なカッコよさですね、脇を固める進藤、砂山もいい人。
利休やお嬢ほか新しい登場人物も魅力的であっという間に読み終えました。
何度かうるっとくる場面もありましたし、人が亡くなる場面もあるのですが、全体的には暖かい気持ちで読むことが出来ました。自分自身、日頃の殺伐とした気持ちが鎮まるとてもありがたいお話でした。
続編が出るのを楽しみにしています。 -
久しぶりの神様のカルテ
このシリーズを読むといつも清々しさを感じる。
心を洗われる。
真面目=真剣勝負
みな、悩みはするけれど潔いからだろうか。
今回は大学院生でありながら、大学病院で働き、
後輩指導、研究論文、アルバイト、引きの栗原は変わらず、大忙し。小春も生まれて、ハルとは支え合う仲睦まじさ。
29才の膵臓癌の二木さんのお話を軸に
人間模様、成長が書かれている