ヒゲとナプキン

  • 小学館 (2020年10月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784093865845

作品紹介・あらすじ

大反響のnote連載、待望の書籍化!

女として育てられ、現在は男として生きるイツキ、28歳。勤務先の旅行会社には「過去」は告げていない。2歳上のパートナー女性、サトカはイツキを愛しつつも、出産への思いを募らせていく。職場、恋人、両親…。社会や家族と生身で向き合った先に、イツキは光を見出せるか。

600万部ベストセラー『五体不満足』で世間の「ふつう」を問い直した著者が、いま一番伝えたいLGBTQの物語。男とは、女とは、そして家族とはなんだろう…。読者の価値観を根底から揺るがすnote連載、待望の書籍化!

「僕たちは何を怖がり、何を守り生きているのか――改めて考えてほしいです」
りゅうちぇる絶賛!!


【編集担当からのおすすめ情報】
「ヒゲとナプキン」は著者の乙武洋匡氏が、古くからの知人であり、現在はLGBTQムーブメントの旗振り役でもある杉山文野氏(NPO法人「東京レインボープライド」共同代表理事)の協力を得て、ともに作り上げた小説です。

著者は、あとがきで杉山氏についてこう綴ります。

<長い時間をかけて、何度も話を聞かせてもらった。友人として知っていたつもりでいたことが、決してすべてではなかったことを思い知らされた。彼の苦悩は、友人にもそう簡単には吐露できないほど複雑で、深いものだった。だからこそ、この苦悩と、社会の仕組みの理不尽さを世間に伝えなければとの思いがより強くなった>

杉山氏から託された思いを筆に宿した本作品は、すべての方々に読んでもらいたいと切に願います。

みんなの感想まとめ

テーマは、トランスジェンダーの生き様と家族の絆に関する深い探求です。主人公イツキは、過去を隠しながらも愛するパートナー、サトカとの関係を築いています。この物語は、性別や血縁の枠を超えた愛の形を描き、読...

感想・レビュー・書評

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  • みんな読め!!シリーズ。
    トランスジェンダーのこと知りたい人、興味ある人はぜひ読んで欲しい。
    杉山文野さんの「エンタメの力を借りるしかない」と臨んだこの企画を無駄にしてはいけないと思うし、また当事者問題を分かりやすく小説として乙武さんが書き上げたこの物語は、もっともっと広がっていく力を持っていると感じます。
    他者の尊重はまず知るところから。

  • イツキとサトカの物語。
    登場人物の名前がことごとくカタカナなのが最初はすごく苦手だったけど、入院している友人のお見舞いに行くシーンで、それまで出てこなかった友人の漢字フルネームがあっさり出てきて、不思議と苦手意識が消えた。
    そしてあとがきを最後まで読むと完全に氷解。
    性差や血縁、法律に至るまで、望むと望むまいと私たちをかたちづくるものは自分の有り様とは別に山ほどあって、名前はその最たるものなのかもね。
    だからこそ、名前をみんなカタカナにしたのかな。

    まあ、サトカの両親は漢字で出てくるんですが、そこは演出上の都合かな笑

  • トランスジェンダーについて言葉は知っていたけど、ここまで大変な想いをされている方がいることに気づけていなかったので、この本をきっかけにLGBTについて知れて良かったです。トランスジェンダーや手足がないとかは不幸ではなく、その状況で自分をどう満たすかが大事だなと感じました。

    血が繋がっているからでなく、愛することがとても大事だし、血が繋がっている家族でも憎しみあっている人だっている。

    もっと障害があるとか関係なく、色んな個性を受け入れて、生きやすい世の中になれば良いなと。
    そのためにまず自分ができることは、LGBTについて知ることから。


    ◎ページ
    220,229

  • LGBTQの問題は根深くて難しいということを改めて感じた一冊だった。
    (この本の主人公の一例になってしまうが、)FtMの悩みを知ることができて良かったと思う。文体も読みやすく、1時間程で読み終わった。
    愛する人同士で結婚できる社会が良いということは前提に、海外等で起こっている事件などを考えるとLGBTQが普遍的になっていくのは当分先の話なのかなと思った。ただ、このような考えに至るのは私が身体的にも精神的にも女性だからなのかもしれない。難しい。

  • 杉山さんのリアルストーリーに基づいたフィクション。
    自伝よりリアルなところもあるし、いろんな選択肢や解釈があるとわかった。

  • 杉山文野さん原案で、乙武洋匡さんが書いたLGBTQの方々のお話。

    杉山さんと乙武さんが敷いてくれた道を、
    「ああ、こんな痛みを抱えていらっしゃるのか」と
    想像以上の困難がありました。

    乙武さんは「五体不満足」で感じた贖罪を、今作で
    晴らす目的もあったそう。

    生まれてきた性を受け入れられない杉山さんの理不尽な気持ちや、五体満足で生まれなかった乙武さんの考えや想像からの筆など、シンクロニシティがある作品ではないかなと思いました。

    多様性とかトランスジェンダーとか、
    まだまだ課題が山積みでしょうが、「知ってもらう」ことを啓蒙したお2人に敬意です。


    【本文より】
    怒りと悲しみ。申し訳なさと愛。ないまぜになった感情のどのどの部分を隠しておくべきなのか。

  • <2022年度男女共同参画推進センター推薦図書>
    ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC03524651

  • ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC03524651

  • 日のあたるニュースは耳にすることが多くなったLGBTQだけど、そこだけではない、きらめく月の下での大切な人との絆が、繊細にかつ丁寧に紡がれるヒゲとボインじゃなくて、葛藤とナミダの物語

  • 2021/06/28

  • 杉山文野さんをモデルにした
    元「女子」の彼の物語

    親子、社会との関わりの中で
    自分が本当の自分でいられることって
    ただでさえ難しいのに

    私も子どもの頃
    赤いランドセルとかぴらぴらスカートとかが嫌いだったから
    みんな一律赤とかケッて思ってた

    なんの迷惑もかからないんだから
    選べるようにすればいいじゃんね〜
    ただそれだけのことだと思うけどね〜

    この物語は
    乙武氏があとがきで書いてるように
    完全なるフィクションではなさそうなので
    せっかくならもうインタビューとかいろんなの入れて
    ノンフィクションでも良かったのになと思う
    それだと手に取る人が少ないのかな

    女子でいるのも男子でいるのも大変
    矢野顕子じゃないけど
    男もつらいけど女もつらいのよ
    人が幸せでいたいという気持ちを尊重できる自分でいたい

  • 小説化するなら、もう少し上手に書いて欲しかった。ルポルタージュの方が感動したかも。

  • よかった。泣けた。
    トランスジェンダーとして必死にもがく主人公、そして彼を取り巻く人物の葛藤。決してLGBTという言葉だけが独り歩きしてはならないと感じた。
    どんなかたちにせよ、人と人であるという事実には変わりない。
    パートナーも家族も。
    これからの社会がどう進んでいくのか分からないけど、こういう小説を通じて世間に問題提起していくことは、とても大切なことなんじゃないかと思う。

  • 家族だって、人と人との繋がりで成り立っているんだよなぁ。

  • 体は女性だけど、心は男性、という人が主人公。
    毒親についてのフィクションは増えたけど、小説ではあまりまだ読んだことがありません。
    著者は乙武洋匡さんですが、小説としても読みやすく、いろいろと知らなかったこともあり読み進めていきました。
    自分がそういう悩みがないからといって、他人事にもする気はないけど、正直、そのことばかりを慮って生きるほど時間もない。
    だから、経験を語ってもらうしかないんですよね。今の段階では。
    当たり前だと思ってることって、本当に当たり前なのかな?
    人は結婚して子供を生んで、それが幸せなの?
    私達の「当たり前」ってなんだろう?
    コロナで「当たり前」がどんどんひっくり返った年に出版されました。意味ありますね~!

  • 「おかしいだろ。戸籍とか制度のために、なんで俺が手術しなきゃいけないんだよ」
    「おまえの言う通りだよ。俺らだけ、なんでこんなしんどい思いしなきゃいけないのか。ちょっとルールを変えてくれればいいのに。」


    トランスジェンダーの主人公の苦悩と葛藤がとてもよく描かれている。んだと思う。
    実際のことは分からないけど、少しは自分の世界が広がったと思う。

  • 愛する人と「家族になれる人」と「家族になれない人」、日本には2種類の人間が存在するんだと、今更ながら気が付きました。LGBTQという言葉は認知されてきて、自分も知った気でいましたが、彼らの気持ちや生活環境を全然理解していなかったのだと、痛感しました。

    罪を犯さず、真面目に生活をしている同じ人間なら、待遇に差があってはいけないですよね…。
    例えば、戸籍上性別が異なる者同士は婚姻関係を結ぶことができるので、会社から配偶者手当や、子供がいれば子供手当といった待遇を受けることができます。でも、戸籍上同性の者同士は婚姻関係を結ぶことができないから、そういった手当金を受け取ることができない。同じ会社で、同じだけ働いているのに、待遇に差があっては、不平等ですよね…。
    LGBTという言葉が周知されるだけじゃ、ダメなんですね。その先を考えて、対応していかないと…。

    「家族」というものについても、改めて考えたお話でした。「家族」と言っても、国語辞典には載っていない意味として捉える時もあるのかもしれない、と思いました。

    切なくも美しい○○、という表現をよく聞きますが、この小説の文章は “美しくも切ない” ものが多くて、何度目をぎゅっと瞑って溜息をついたことか…。こういう文章が書ける乙武さんは、いろんな人と話して、いろんな本を読んで、その時感じたことを書き留めて、知識を吸収してきたんだろうな、と思いました。
    『ゴッド・ファーザー』の話、上手いなぁ〜って。読書している時や映画鑑賞している時によく感じますけど、無駄なもの、無駄なシーンって、ないですね。

    胸が苦しくなる描写が多く、溜息が出てしまうこともありましたが、最後はとても良かったです。あたたかい涙が頬をつたっていきました。。。

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著者プロフィール

1976年東京都生まれ。早稲田大学在学中に出版した『五体不満足』(講談社)が600万部のベストセラーに。卒業後はスポーツライターとして活躍。その後、教育に強い関心を抱き、新宿区教育委員会非常勤職員「子どもの生き方パートナー」、杉並区立杉並第四小学校教諭を経て、2013年2月には東京都教育委員に就任。教員時代の経験をもとに書いた初の小説『だいじょうぶ3組』(講談社)は映画化され、自身も出演。現在は、執筆、講演活動のほか、インターネットテレビ「AbemaTV」の報道番組『AbemaPrime』の水曜MCとしても活躍している。『自分を愛する力』、『車輪の上』(以上、講談社)、『ただいま、日本』(扶桑社)、『ヒゲとナプキン』(小学館)など著書多数。

「2021年 『だから、みんなちがっていい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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