口福のレシピ

著者 :
  • 小学館
3.69
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本棚登録 : 1564
感想 : 163
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  • Amazon.co.jp ・本 (283ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093865869

作品紹介・あらすじ

料理は、作られなくなったら死んでしまう。

フリーのSE兼料理研究家として働く留希子の実家は、江戸時代から続く古い家柄で、老舗料理学校「品川料理学園」を経営している。大学こそ親の希望があって栄養学を専攻したが、幼い頃から後継者の道が決まっている雰囲気や、昔からの教則本を使う学園の方針への抵抗が留希子にはあった。卒業後は、製品開発会社にSEとして就職した。しかし、料理をすることは好きだった。SNSでの発信をきっかけに雑誌からも仕事の依頼が来るようになり、料理研究家としての認知度を上げていた。
忙しい女たちを助けたいと、留希子は令和元年になるゴールデンウィークに向けた簡単で美味しい献立レシピの企画を立ち上げた。しかし、あるレシピをめぐり、問題が起きる。留希子にとってはすっかり身についた我が家の味だったが、そこには品川家の大切な歴史が刻まれていた。
一方、昭和二年、品川料理教習所の台所では、女中奉公に来て半年のしずえが西洋野菜のセロリーと格闘していた。
料理学校の歴史をつなぐレシピを巡る、胃も心も温まる家族小説。


【編集担当からのおすすめ情報】
『三人屋』『ランチ酒』『まずはこれ食べて』――旬のおいしい小説作家が、家庭料理のレシピの歴史に挑む意欲作です。

感想・レビュー・書評

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  • 英語の勉強をしなければ・・・と思いながら、おいしいものが出てきて、ホッコリする本は読みたい。。

    平積みになっているのを見てしまった。
    そして読み出すと止まらない・・・

    原田ひ香さんの「」口福のレシピ」
    構成が素晴しい。。
    昔と今を行ったり来たり。
    対談でも書かれていたけれど、最初の白芹が出てくるところから引き込まれる。
    昔の生活と今の生活。
    それが最後には見事に繋がる。
    しかもおいしい料理が沢山。
    今回の一番鍵となる料理は「豚の生姜焼き」。
    最後の章「あとしまつの日曜日」は、本当にお見事。
    とても面白かったです。
    今度このレシピの「豚の生姜焼き」を是非試してみたいと思います。

    • aoi-soraさん
      うんうん
      ありがとう♡⁠(⁠˃͈⁠ ⁠દ⁠ ⁠˂͈⁠ ⁠༶⁠ ⁠)
      うんうん
      ありがとう♡⁠(⁠˃͈⁠ ⁠દ⁠ ⁠˂͈⁠ ⁠༶⁠ ⁠)
      2023/02/28
    • 松子さん
      いっちゃん、『英熟語の鬼100則』ってタイトルがすごいねっ、スパルタな感じ⁉︎
      私も喋るのと文法がなかなか上達しません(ㆀ˘・з・˘)
      あと...
      いっちゃん、『英熟語の鬼100則』ってタイトルがすごいねっ、スパルタな感じ⁉︎
      私も喋るのと文法がなかなか上達しません(ㆀ˘・з・˘)
      あと、単語の暗記も、けっこうやる気にムラがあるの…。いっちゃん、もしスーパーミラクルな楽しい英単語暗記法を見つけたら教えて下さい(^人^)
      2023/02/28
    • いるかさん
      まっちゃん  こんばんは。
      英語 面白く勉強するんだけれど、すぐ忘れちゃって。
      英語の先生には面白いと思うことだけ頑張れば良いって言って...
      まっちゃん  こんばんは。
      英語 面白く勉強するんだけれど、すぐ忘れちゃって。
      英語の先生には面白いと思うことだけ頑張れば良いって言ってもらっていまsづ。
      相性の良くない本は続かないって。
      2023/02/28
  • 大大大満足の☆5。
    原田ひ香さん、脱帽です。

    駆け出し料理研究家・留希子と、
    老舗料理学校「品川料理学園」を経営する母と祖母。
    相容れない両者の間に隠された秘密とは。

    大好きな原田ひ香さんの作品を読みたく購入した1冊。
    これは良すぎてなんと感想をまとめればよいのか。。。

    まだ日本に洋式文化が浸透していない昭和初期の洋食研究の試行錯誤と
    老舗料理学校の血を受け継ぐ料理研究家の留希子の現代のストーリーを行ったり来たり。

    ストーリーが行ったり来たりの構成ってあまり好きではないんだけど、
    これは綺麗に構成されている、素晴らしいです。
    詰めの甘さを感じさせない圧巻(上からでごめんなさい)

    昭和初期、肉はデパートに行かなければ売っておらず、
    トマトやセロリなど海外由来の野菜は
    農学部を置いている大学で実験的に作られたものが
    売られるくらいだったと本には書いてあります。
    洋食を作るにしても情報も少なく試行錯誤したのだとか。
    料理1つとっても色々な物語があるのですね。

    この本を読むと食の進化って凄いと感じます。
    そしてその進化に人間もついていく、
    というか人間が進化しようとするから食も文化も進化するのかもしれません。

    癒されようと軽く読んだ1冊、
    こんなに感動と温かさを貰えるとは。
    お料理も素敵でしたが人間関係のストーリーに釘付けでした。
    この余韻からまだ抜け出せそうにないです。

    3年悩んだ末にようやく本棚を買ったので
    お気に入りコーナーに陳列です♪
    (寸法をミスったのであと数冊しかはいりません。。泣)

  • 原田ひ香さんの小説は初めて読むが、うーむ、なかなか面白いじゃないかと感心した。豚肉の生姜焼きをめぐって、現代と過去を行き来する構成は、なかなか読ませる。ちょっと悲しいなというところもあるが、全体としてほんわかしていて、心温まる思いをする。何より出てくる料理がどれもおいしそうなこと。主人公は、実家が料理学校だけあって、料理の手間を大したことがないように言っているが、とんでもない、どの料理もこまごまと大変だよ。しかし、最後の方で簡単レシピを提案しているのは役に立ちそうだ。思わずコピーしちゃったよ。

    • しずくさん
      ひ香さんは好きな作家さんです。最近では『一橋桐子の犯罪日記』が断トツでした。興味を持たれたら本棚にレビューを残していますので、どうぞ(*^-...
      ひ香さんは好きな作家さんです。最近では『一橋桐子の犯罪日記』が断トツでした。興味を持たれたら本棚にレビューを残していますので、どうぞ(*^-^*)
      2021/06/29
    • goya626さん
      しずくさん
      コメント、ありがとうございます。さっそくお勧めの本をチェックします。
      しずくさん
      コメント、ありがとうございます。さっそくお勧めの本をチェックします。
      2021/06/29
  • え、この作品も昭和と令和を行き来しながら進む話だった!(1つ前に読んだ百年の子も!)
    ミラクルチョイス(*º ロ º *)!!

    あ〜やっぱりひ香さん好きだなぁ\♡︎/
    とても良かった!

    これからは日本人ももっと肉を食べる様になる。
    昭和初期、女中先の旦那様の要望で生姜焼きのレシピの開発に携わることになったシズ。
    そして令和、名門料理学校の家に生まれながらも家を飛び出し、SEの仕事をしながらSNSでバズるレシピを考案する料理研究家の留希子。
    料理学校を舞台に描かれた家族の絆のお話。

    料理小説なので色んな料理が出てくるのだけど、これを読むと1つ1つ丁寧にご飯を作りたいな〜という気持ちになる。
    どの料理も美味しそうだけど、ひ香さんのお料理小説はやっぱりお酒と結びつく。笑
    普段お酒は飲まないけど、こんな風に晩酌できたら最高だろうな。

    シズさんのお話にはちょっとウルっときてしまった。
    昔はそういうものだったんだろうな。なんだか寂しくて胸が痛んだ。
    生姜焼きのルーツも知れました。
    そして坂崎さんが好き!
    留希子と2人で品川料理学校の味を大切に守っていって欲しい。
    さあ、今日のおかずは生姜焼きか?笑

    • mihiroさん
      一休さ〜ん、え〜〜楽して痩せたい笑
      一休さ〜ん、え〜〜楽して痩せたい笑
      2023/11/30
    • 1Q84O1さん
      mihiroさん、それは無理!(・д・)
      mihiroさん、それは無理!(・д・)
      2023/11/30
    • mihiroさん
      ( ´。_ 。`)シュン笑笑
      ( ´。_ 。`)シュン笑笑
      2023/11/30
  • "口福"とは美味しいものを口にした時の満足感を意味する言葉。その言葉通り美味しそうな料理が次々に出てきて、読み手も楽しませてくれる物語だった。
    昭和初期と令和初期を交錯しながら、それぞれの時代で工夫し食べる人の気持ちを一番に考えながら編み出される料理の数々。
    もっと美味しくもっと簡便に、誰でも作れるように。
    そんな願いを込めて創られるレシピを代々受け継いで、時代や家庭環境に応じて改良され未来へ繋げていく。そんな料理の奥深さに今更ながら驚かされる。

    手作りの干物、乾物とレンジだけでできる惣菜、冷や汁、そしてポークジンジャー・豚肉の生姜焼き。どれもこれも美味しそうですぐにでも食べたくなった。

    昭和と令和、かけ離れた時代を生きる二人の女性は一体どのように繋がるのか、色々考えながら読み進めた。物語の途中に出てくる共通のワードをヒントにあれこれ推理しながら楽しめた作品だった。

  • 2人の女性の話を交互に
    展開されていく物語


    なかなか全体像が見えず
    読み進めるのに苦労するかなと思ったが
    いつの間にか読めていた


    ここのところご飯ものを読むことが多いが
    この作品は出てきたものを試したくなる
    そして料理力に驚かされる


    どういう風に展開されていくのか見えず
    ドキドキしながら読みました


    しずさんの話は
    やはり少し悲しくなりました



    坂崎さんの感じいいですね(^^)

  • 現代に生きる料理研究家と、老舗料理学校を営む祖母と母。そしてそこに血の繋がりでは曾祖母に当たる女性が登場する。曾祖母しずえさんの人生が今ではなかなか理解できないけれど、昔気質の一本芯の通った素敵なものであったことがわかる。お料理は奥が深い。料理家でなくても如何に美味しく食卓に出せるか材料と相談しながら考える毎日だ。蓮根焼き早速食べた。

  • 原田さんのお話しって好きかも。

    今の時代と昭和2年の時代が行ったり来たり。
    「品川料理学校」を軸に、後を継がなければいけない雰囲気が嫌で飛び出した留希子。

    昭和の時代に女中奉公に来ていたしずえが旦那様に言われて試行錯誤した「豚の生姜焼き」。
    実はそれが代々学校に受け継がれていて、留希子と母・祖母が対立する事に。

    間に入るのが理事長の坂崎。坂崎と留希子がどうなるか続きが知りたいところ。

    しずえの存在が凄く良かった。最後の章はなんかグッときました。

  • 読みやすく、さわやか。
    そして、出てくるお料理は、どれもとっても美味しそう。

    何世代か前は、家のためにだれかが子どもを産むってのも、ふつうだったのかなぁ。
    そこはやはり、アタマでは理解できても、女性としてはもやもやした気持ちになってしまいました。

  • 料理研究家の留希子と、その曾祖母にあたるしずえ。
    二人とも料理を愛するところは同じだが、生きている時代、境遇などは全く違う。
    その対比が絡み合いながら物語が展開していくところが面白かった。
    登場する料理はどれも美味しそうで、特に留希子のおすすめ時短メニューは作ってみたくなった。

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2005年『リトルプリンセス2号』で、第34回「NHK創作ラジオドラマ大賞」を受賞。07年『はじまらないティータイム』で、第31回「すばる文学賞」受賞。他の著書に、『母親ウエスタン』『復讐屋成海慶介の事件簿』『ラジオ・ガガガ』『幸福レシピ』『一橋桐子(76)の犯罪日記』『ランチ酒』「三人屋」シリーズ等がある。

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